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中学受験 併願校選び 『付属校・進学校を選ぶポイント』

中学受験まで残り2カ月。受験校・併願校は決まりましたか?
中学受験の併願校選びにおける「付属校」とは、系列大学に付属する中学校で、入学すれば系列高校・系列大学へ進学できるというイメージで捉えられることが多いようです。
一方で、「進学校」は早い時期から大学受験を見据えた先取学習をおこなうイメージが浮かぶのではないでしょうか。

実際は、付属校でも内部進学率が低く、外部受験を目指す進学校並みのカリキュラムをおこなっている学校もあります。
進学校として名が知られている中学校でも、実は学校として大学受験のためのカリキュラムがあるわけではなく、大学受験の実績は個人が塾に通った結果という学校もあります。

入学後に「知らなかった」「こんなはずではなかった」とならないように、付属校と進学校を選ぶ時に知っておきたいポイントについてまとめてみました。

1.付属校を選ぶ際に知っておきたいこと

【メリット】
①大学受験をせずに系列大学に内部進学できる場合が多いこと
②内部進学を前提とした学習カリキュラムで思考力を深めたり、専門分野を学習できる機会があること
③学習以外、主に部活動などに打ち込むことができること
④大学の施設を利用できたり、大学の教授や大学生との交流が持てること
⑤中・高・大を通した深い人間関係が築けること
⑥OB・OGの人脈を活用できること

大学受験が無いことで、勉強のプレッシャーやストレスから開放されたゆとりある中学・高校生活が送れることが最大のメリットではないでしょうか。
また、大学との連携があり早い時期からアカデミックな環境で学校生活が送れるため、部活動で実績を残したり、興味がある学問を深める機会にも恵まれます。

【デメリット】
①子どもの希望する学部や学科がない場合があること
②人気度の高い学部や学科に進学できない場合もあること
③大学受験勉強で身に付く知識や学習テクニックが身に付かないこと
④外部受験を目指した場合、自分で受験勉強の環境を整える必要があること

中・高6年間を通して、子ども自身が学びたいことを見つけた時に、それに応える学部が系列大学にはないことがあります。
また、系列大学への内部推薦制度に安心していたところ、人気のある学部には定員があって、定期テストの成績で選考されたり、内部進学のための試験が課されたりする場合もあります。

【事前に確認したいポイント】
内部進学の条件を確認すること
先に挙げたように付属校のメリットは、大学に内部進学できることです。一般受験では難易度の高い大学の場合のメリットはかなり大きいといえます。
しかし、付属中学校に入学して安心したのも束の間、成績不良であれば進級時や高校進学時のタイミングで留年や転校を勧められたり、大学内部進学時にもふるい落としがあったり。
「ゆっくり過ごせる」ことが魅力で付属校に入学したのに、思っていた学校生活と違うということがあります。付属中学校の入学説明会や個人相談会で、進級や内部進学の条件について細かく確認をしましょう。

◆外部受験の条件を確認すること◆
外部受験が気になった場合、系列大学への内部推薦枠を保持したまま、外部受験ができるかどうかは付属校によって対応が様々ですので事前に確認しておきましょう。

・内部推薦に合格したら外部受験は一切認めない
・国立大学の受験は認める
・系列大学にない学部の受験は可能

大きく分けると上記のような対応となります。
小学6年生の時点で、6年後の子どもの志望進路は決められないものです。
普段から子どもの興味や関心がある物に気を配り、文系か理系か、勉強できる学部はどこか等を調べたり話し合ったりするとよいでしょう。

大学卒業までに身に付けたい力を親子で話し合うこと
憧れのスポーツ強豪校の付属校に入学して、思う存分部活動に励む子ども達がいる一方で、有名大学の附属中学校に入学したものの、目標が無くなり子どもが全く勉強をしなくなったというケースも珍しくはありません。10年間の将来が約束された気持ちになって安心しきってしまうのでしょう。

10年間の学生生活を有意義に過ごすためには、将来に役立つ資格試験に挑戦したり、興味や関心があることをとことん調査したり、芸術やスポーツに打ち込んでみたり、何か一つでも成果を残すことを入学前に子どもと話し合っておくとよいかもしれません。

2.進学校を選ぶ際に知っておきたいこと

【メリット】
①進度の早い学習カリキュラムで学年を先取りして学習し、早い時期から大学受験勉強が始められる
②大学受験を志す同級生と切磋琢磨しながら受験勉強ができる
③小テストや補習授業で学習サポートしてくれる
④将来の進路を見据えた大学選びのためのキャリア教育に力を入れていること
⑤文武両道で部活動が盛んな学校もあること

大学合格という同じ目標を持った同級生と切磋琢磨しながら勉強できる環境は、進学校の最大の魅力です。
大学受験勉強のモチベーションを高めるため、キャリア教育を取り入れている学校も多く、社会で活躍する卒業生が、母校を訪問し後輩のために高校時代の受験勉強や進路の悩みについて相談にのってくれる機会などが設けられていることもあります。

【デメリット】
①学校の宿題や課題のほか小テストも多く日々勉強に追われること
②学校の勉強についていけない場合や自分の志望校に特化した勉強を希望する場合は、早い段階から通塾が必要になること
③大学進学へのプレッシャーが大きく、進路の幅が狭くなること

常に成績や偏差値を意識した学校生活になりがちなため、時間的な余裕がないことが現状のようです。
成績や偏差値に囚われない進路を選びにくい雰囲気もあります。

【事前に確認したいポイント】
通塾が必要かどうか
大学合格実績の高い進学校に入学してみたところ、合格者の多くは中学時代から大学受験のための塾に通塾していたということは多くあります。

一般に「進学校」と思われているだけで、学校説明会などで「先取り学習はしません」「補習授業はしません」と明言する進学校もあります。大学受験の入試問題には直結しないけれど、幅広い分野でのより深い学びを追究したり、「自学自習」を学習の本質と考えている学校が多いようです。

学校の教育方針通りに勉強できる学生ばかりではなく、多くの子ども達は塾主導の学習に慣れていることが多いため、通塾する結果になることも。

中学校の個別相談会や先輩への質問コーナーなどで、有名大学へ合格した先輩が、いつ頃から塾に通っていたかを確認すると通塾の指標になると思います。

合格実績と学習カリキュラムの確認
「国公立大学の合格者が多い」「理系学部の合格者が多い」背景に、学校の学習カリキュラムの違いが関係している場合があります。
高校2年生までは、国公立コースと私立コース、理系コース、文系コースのようにクラスを分けず、全員が共通テストを受験できるための学習カリキュラムになっていたり、世界史や日本史といった文系科目や物理や地理といった理系科目を全員が学習するカリキュラムになっていたということがあります。
確かに合格実績は高くなりますが、難関私立文系を目指す学生にとっては必要のない科目の勉強に時間を取られてしまうことになります。
過去の合格実績データと学習カリキュラムを照らし合わせて確認してみるとよいでしょう。

指定校推薦の捉え方
付属校ほどの安心感には及ばないものの、日々の勉強を頑張っている子ども達にとっては、有名大学の指定校推薦があるかどうかは気になるところです。
進学校であれば指定校推薦数も多いはずですが、実際にどの程度利用されているかどうかは学校によって異なります。「指定校推薦枠を使わずに一般受験にチャレンジして合格した」という実績を誇る学校もありますので、学校の教育方針としての指定校推薦の扱いについて確認しておくと安心です。

3.付属校か進学校かの決め手「我が子に大学受験を経験させたいかどうか」

「付属校」か「進学校」かの決め手になるのは、各家庭での「大学受験経験」への思いにあるようです。

人生の中で多くの人が一番勉強した経験といわれる大学受験。
親の関与が多い中学受験や内申などで左右される高校受験とは違い、自分の努力次第で志望校に合格することも不合格になることもあります。
ある会社の就職試験で、「過去の挫折経験について」大学生に質問をしたところ、多くの学生が「大学受験」と答えたそうです。

高校時代に、自分で将来の目標を立て日々勉強し、自己管理や情報収集まで全て自分でおこなって受験に挑んだという経験はその後の人生にも少ながらず寄与するでしょう。
一方で、付属校から大学に進学して社会に出ている方には、成績に一喜一憂しないような大らかさが感じられます。中・高・大の10年間、日々の生活を充実させ、大学受験では得られないような様々な経験を通して豊かな感性が身に付いているのかもしれません。

どちらにも正解はありませんが、親の立場になった時我が子への教育方針に反映されてくるようです。
大切なのは、将来子ども達が自分で進路を決めた時に柔軟に対応できる力を親が身に付けておくことかもしれません。

4.中学生になったら身に付けたい『自分で学習する力』

小学校4年生から塾に通い勉強を続けてきた子ども達の心の中は、「中学校になったら勉強しなくてもよいよね」「中学校になったらのんびりしたい!」という気持ちで一杯だと思います。
でも、入学するのはあくまで「中学校」。勉強をする場所です。

付属校であっても、宿題や課題があり、成績評価される場所だということ。
進学校であれば、今以上に勉強が大変になる可能性があることは、頭の片隅に入れておいたほうがよいかもしれません。

ただ、中学校になったら「親や塾の先生にやらされる勉強」から卒業して、「自分のペースで自分で勉強する」という力を身につけていけば、中学校に入っても子ども達の学習への意欲は維持できるのではないでしょうか。

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