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ダイヤルアップ接続と共にあった大学生時代

1990年代末期

大学入学とともに私は念願の一人暮らしをスタート。アルバイト代をつぎ込んで購入したのが東芝のDynabookだった。

今でこそ格安のノートパソコンも売られているが、Windows95,98が旋風していた当時はどれほど安くても15万円を出さなければノートパソコンを手にすることはできなかった

それこそ、iMacなんぞ高嶺の花。遠くから見るだけの存在だった。

バイト代をつぎ込んでDynabook購入

さて、駅前に全国転換する某大手家電店でDynabookを購入し抱えるようにアパートに戻った私は早速セッティングを始めた。分厚い説明書を見ながら恐る恐るパソコンの電源ボタンを押す。

なにせ人生初のパソコン。アルバイト代を全てつぎ込んだ品物。壊してはなるまいという気持ちでセッティングしたせいか、半日もかかってしまった。

無事にノートパソコンが使えるようになったら、いよいよインターネット回線の接続になる。インターネット黎明期と言うこともあり、今ではほぼ姿を消したダイヤルアップ接続をして繋げていた。

若い子には聞きなれない言葉かもしれないが、40代以上の世代には懐かしさと苦い思い出が交差する言葉である。

固定電話の回線に繋げてインターネット接続するというもの。当時のパソコンにはモデムが標準装備されており、そこからモジュラーケーブルで電話回線にガチっと繋げる。

この時点で、知らない言葉が多々出ている感があるが四半世紀前は極めて一般的なインターネット接続方法だったのだ。

機械音が懐かしいダイヤルアップ接続

このダイヤルアップ接続の最大の特徴が接続時に聞こえる機械音。ネットで検索すればいくらでも拾えるので、興味がある方はぜひ聞いて欲しい。

しかし、難点があった。電話回線を使用していると言うことは「インターネット接続している間は電話をかけているのと同じ」ということになるのだ。貧乏学生にとっては由々しき事態。

この苦境を脱するために利用したのが「テレホーダイ」だった。夜の11時から翌朝8時まで時間帯、固定料金でいくらでも電話をかけられるというもの。

私も愛用し、毎日22時55分になるとパソコンを起動しスタンバイをした思い出がある。

21世紀とともに衰退したダイヤルアップ接続

しかし、2000年代に突入するとADSL化が進み一気にダイヤルアップ接続は衰退した。私自身、ダイヤルアップ接続は大学4年間のみで終了しその後はADSL 、ひかり回線と渡り歩いている。

今、再びダイヤルアップ接続に戻りたいかと言われたら即座に「否」と答えるだろう。なにせパソコンで仕事をしているし、原稿を編集さんに送るのに時間がかかったら大変だ。

ただ、大学生時代ののんびりとした時間をダイヤルアップ接続と共に過ごせたことは様々な出来事で記憶に残っている。

F1の速報を知りたいのに、ガッガッガッととんでもない遅さで画像が出てきた。今の自分には絶対に待てない。許容できたのも、時間が有り余っていた学生だったから。

復権することのないものにノスタルジーを感じるのは世の常。私のインターネットの歴史の1ページをインターネット黎明期の接続が飾ったのは良い思い出としか言えない。


#はじめてのインターネット

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