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保育園の僕たちが初めてエクイティで資金調達をした理由

お知らせにて公開した通り、エデュリー・エデュラの親会社であるエデュホールディングスは、第三者増資割当による資金調達を行いました。実際には調達自体は半年前に完了しており、タイミングをみて外部リリースを出させていただきました。

まず、今回の調達は資金の確保という意味合いよりも、投資いただいている方との事業シナジーを意識して、ご支援していただきました。これまでは、エデュリーの保育運営事業という性質上、銀行からのデッドファイナンスを中心に事業拡大を行ってきました。その中で、僕にとって新しい挑戦であるエデュラの新規事業を成功させるために、エデュホールディングス全体の戦略や強い組織づくりが必要であると感じ、エクイティでの調達を実施しました。今回、私たちの心強い味方ができたのは、周りの方々からのご支援のおかげです。本当に本当にありがとうございます。

ここで、ちょっとした昔話をします。私自身、初めて資金調達を行ったのは、21歳の時です。

当時は銀行融資のプロパーと保証協会で700万の運転資金を借りました。ただ、信用があまりにも無いため、母親に連帯保証人になってもらってやっとという形でした…笑

そこから背筋の凍るような銀行融資での資金調達の連続が始まります。

2015-16年は今思えばバブルように銀行がお金を貸している時代です。積極的な銀行の新規融資先の開拓もあり、大学の先輩の紹介から横浜銀行の支店長と繋がります。当時、川口市の認可保育園の開設のために多額の開設資金を必要としており、すぐにその支店長に相談しました。

当時22歳で信用も実績も乏しい青年に横浜銀行さんは7000万円もの金額を長期融資、かつ無担保プロパーでご融資頂けたのは、今思えば奇跡だと思います。

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認可保育園の案件ということもあり、お堅いのは当然ですが、実績が乏しすぎるのと自分が銀行融資に疎すぎるため、担当の方は相当困っていたはずです。(設備融資と運転融資の違いは何みたいな…資金使途ってなんですかというレベルです…)

ここで断られていたら、当時は他の当ても全くなかったので開設することは出来なかったと思います。本当に感謝しかありません。

その後、保育園の新規開設のたびに各地銀さんからご融資をいただき、現在では数億規模でコミットメント型ローンを組むこともできるようになっています。

そんな資金調達を繰り返してきた私たちですが、新規の保育園開設を続けている限りはフリーキャッシュフローは溜まりにくいものです。これは、店舗型ビジネスの拡大を行っている方であればイメージがつきやすいと思います。

その中で、保育運営というエデュリーのハードウェア事業だけでは、「主体性を育む」というミッションにの影響の範囲は限定的であると思い、ソフトウェアとなるエデュラの新規事業を進めてきました。

今では店舗を持たずに飲食販売を行うクラウドキッチンやテクノロジーを最大限に活用したホテル設立を行うNOT A HOTELさんなど、私たちの生活空間の中でのハードウェアとソフトウェアはどんどん溶け合ってきていると感じます。実際に保育園を実装する過程においても、「ただのデジタル化」では本質的な課題解決は難しいというのを日々感じています。

そのような背景から、保育のOSとなるエデュラのソフトウェアおよび、それを稼働するハードウェアであるエデュリーを強化していくために、ホールディングス全体の組織基盤を強固にしていく必要がありました。

それと同時に、現在の事業フェーズで株を希薄化しすぎることなく、事業の成長スピードを高めたいという観点から、第三者増資割当による資金調達を実施させていただきました。

プロサッカー選手の遠藤航さんは、4人の子を持つ父親であり、ドイツブンデスリーガや日本代表でバリバリ活躍しています。
プロサッカー選手を目指す子ども達の目標でもある彼の直向きなプレーや普段の会話から、私は心から彼を尊敬しており、いち早く相談し、即決で出資いただきました。世界で活躍する彼の想いに感謝し、共に歩んでいきたいと思いました。

また、いつも大変お世話になっている方より、エンジェル投資の数々の実績を持つ有安さんをご紹介いただきました。
私自身、店舗型の事業モデルしか経験がない中で、数多くの成長スタートアップに投資されてきて、卓越した知見を持つ有安さんにメンターをお願いしたいと思っていたので、会ってすぐに有安さんに出資をお願いしました。実際に弊社の保育園も見学していただき、その後出資をしていただきました。出資が決まってからも、投資契約などの手続きをすごく丁寧に、そして公平にサポートいただき、無知な私は感謝しかありません。有安さんが経営していた頃に嫌だったことは絶対にやらないという信念で、起業家の困っているところは厭わずサポートしていただき、頭が上がりません。

その他のエンジェルにも投資をいただきました。本当に感謝しかありません。

最後に、私がどういった背景で保育事業を行ってきたかをお伝えできればと思います。

もともと私が保育事業で起業した背景には主体性・教育・起業という3つテーマがあります。

主体性

幼稚園・小学校といじめられ、両親の言う通り生きていれば成功できると信じていた幼少期。そんな自分が高校を退学したときから自らの意思で留学を決意し主体性を獲得をしていったときから人生が回り始めたこと。

教育

日本の中等・高等教育に不審だった自分がニュージーランドの高等教育を通して意識が変わったこと。

起業

貧しかった時の就業経験を通して自ら事業を興すことを決意したこと。これら3つを通して株式会社KIDS ONEを19歳のときに起業しました。

自分は元々すごく運が良い人間です。後天的な環境を通じて主体性獲得をすることができ、こうやってたくさんの人々の協力で保育事業を営むことができています。

しかしながら、全て人々が主体性獲得をすることができるわけではありません。様々な環境が要因となり、人任せの人生を生きている人もいます。
別に起業をすることだけが正解ではないんです。非営利企業でもスポーツでもアートでもどんなことでも自らがゴールを設定し自ら歩み出している主体的な人々がいます。そんな自らの人生を自らの価値観で歩んでいる人々がこれからの世界を創っていきます。

私は一人でも多くの「自分自身の人生の主人公になれる子どもたち」を育てていきたいです。自分が主体性獲得をしたときから見える世界が変わったように、幼少期から人生というキャンバスを思い思いの色に自ら染めていってほしい。

「正解」なんでだれもわからないということに気付き、自らの「解」を自ら探す子どもが私たちの園から巣立ってほしい。そんなこと想いながらここまで事業を営んできました。

しかしある時にふと思ったのです。

本当に主体性を育むことができているのだろうか。主体性を育むということの言葉が一人歩きし、ただの自己満足になってないだろうかと。
たしかにどの園もしっかりと保育に向き合っています。主体性を育む上で重要な発達の理解や物的環境、人的環境も会社として教育や研修を通して取り組んでいます。しかしながら子どもたちの主体性を育めているかどうかを客観的に判断できるデータがない中で本当に主体性を育んでると言えるのだろうかと思ったのです。
客観的データがない中では「大人の自己満足の主体性」と言っても過言ではありません。

大人の自己満足の主体性とは?

主体性というワードは新保育指針でも70回以上言及されています。
しかし主体性獲得ができているかを計測する方法は言及されていません。10の姿という形で育てたい方向性はありますが、育ったかどうかを検証する方法は指針にはありません。
これは悪く言えばどのような子どもの発達成長であれ大人が勝手に主体性は育ってると解釈することができます。
私たちは主体性が獲得できているかどうかを客観化と定量データ化をすることで、見える化していきたいと思っています。
そうすることで大人の自己満の主体性ではなく、「本当の意味での主体性」が育まれるのです。

本当の意味での主体性を育むために2年前にエデュラを創業しました。
そしてこれまで実証実験をくりかえしてきました。そんなエデュラの実証実験を加速化的に進めていくためには外部資本調達による、資金調達が必要不可欠でした。

まだ事業としてはヒヨコのような段階でも、是非応援したいと言って頂いた遠藤航さん、そして加速化的に進める協力をしたいと言って頂いた有安伸宏含め、全ての今回のラウンド投資家方々には感謝しかありません。

これからの未来の教育業界のために、最高の仲間たちとそして素晴らしい投資家の方々とより良い保育の価値提供をできるように猛進していきます。

最後に、私たちのバリューの一つであり、私の座右の銘である、志高く、目線は低くという言葉の通り、謙虚に世界を変えるということを体現化していきたいです。

エデュホールディングスでは強力な仲間を募集しております!


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