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フィンランドのkansalaisopisto(市民学校)の可能性 誰でも先生

1年目教員、1年目で退職する予定のMr.Kです😌 現在NPO団体EVridgeの設立申請中。来年度からは学校創りをコンパスに、群馬に教育コミュニティを創りたいと考えています。なぜ教員を辞めるのか、学校を創るのかについて以下の記事にまとまっています。よろしければご覧ください。

本記事では、教育コミュニティ創りのモデルとなるフィンランドのkansaiasopisto(カンサライスオピスト)について解説します。

☑教育を軸としたコミュニティ創りをしている方
☑子供と大人、お年寄りの交流の場創りをしている方
☑地域で多様な体験活動の場創りをしている方

以上の方は、このフィンランドのカンサライスオピスト(長い!)参考になるかと思います😊私もこのアイデアをEVridgeの事業の1つに取り入れる予定です🔥

以下この記事の内容になります。

カンサライスオピストとは

カンサライスオピスト(kansalaisopisto)とはフィンランド語で「市民学校」のという意味です。

カンサライスオピスト
全ての市民が言語や音楽、スポーツ、手工芸、美術、社会科学などについて自分の興味に応じて学ぶことが出来る。年齢や性別、学歴や職歴なぢ学習者に制限は設けられておらず、全ての市民に自由な成人教育(リベラルアーツ)を提供する教育機関

引用参考文献
尾潟千咲 (2020) 「フィンランドの幼児音楽教室における音楽教育観ーユヴァスキュラ市民学校を事例としてー」pp.52-55

このカンサライスオピストは各市ごとに取り組まれていて、社会教育のを担っている。

自分の好きなものが学べるその仕組みはどういったものか、具体的に説明をしていきます。このカンサライスオピストは一言でいうと、「市民が先生になって学びを提供してくれる場」です。

例えば仕事を退職した60歳のMr.K(実際は若造です(笑))が仕事をしなくなり暇だから子供向けの将棋教室を開講しようとします。その際にカンサライスオピストで「将棋教室開講したいです!対象は小学生で、将棋の基礎を教えて将棋の楽しさを感じるようなコンセプトで!」というとカンサライスオピストが生徒募集を始めてくれます。その募集情報を見て生徒が集まったら教室が開講ということになります。

対象は必ずしも子供だけではありません。「フランス語学びたい大人カモン!」もありだし「俺ピアノ教えられないけど、一緒に練習したい人カモン!」といった開講者が教えない教室もあったりとかなり自由なようです。

カンサライスオピストの優れている点 4つ

Mr.Kは市民学校、カンサライスオピストを知ったとき教育コミュニティの創造の観点で非常に優れた仕組みだと思いました。理由は4つあります。

① 受講料が経済的

民間の教室ではなく、行政の取り組みであるため、補助金や税金の関係で受講料が非常に安いです。日本だとピアノを学ぶ場合はピアノ教室に通う必要性が出てきますし、結構高いですよね。そうなると保護者もそれ以外の習い事は通わせられないと、家庭の経済状況によって多様な習い事ができる家庭とそうでない家庭に分かれ、子供の体験の格差が生まれます。
カンサライスオピストでは、そうした家庭のお財布事情による格差が少ないです。なんとも公平な仕組み。

②子供から大人まで繋がることが出来る

フィンランドは生涯学習の考え方が深く浸透しているため、大人もいつでも学び手です。カンサライスオピストでは大人から子供までが市民先生になり、生徒になります。子供にとっては触れ合う人が増えますし、大人にとっても、子供を地域の大人が育てるという当事者意識を自然と持てる豊かなつながりの場になっているのではないでしょうか。また、市内にあるそれぞれの学校の生徒がこの場で交流できるので、日本で見られるような交友関係が狭くなりすぎてしまうといった点も解消しています。

③教えたいニーズの解消

twitter等を見ていると最近、教えたい人、学びの場を提供したい人が増えているなと感じます。SNSが発達し、テレビに出たり、本を出版せずとも自身の活動、価値を発信でき、影響力を持てる手段が増えました。超有名人ではなくても学びを提供できる人がいることが可視化されています。それに伴って、他者の学びに貢献したい=教えたい、伝えたい人が増えてきていて、いわゆる「教えたいニーズ」が生まれています。
カンサライスオピストは実はそこをうまく解消しているのではないかと思います。プロフェッショナルではないけど伝えたいことも教えたいこともある。そんな人が自身の教室を開講できる。学びたいニーズと教えたいニーズをうまくマッチングしている仕組みになっています。

④ 教室開講の際の面倒な手続きをすべて負担

③の内容とも少々繋がってきます。例えば「英語教室開きたい!」ってなったとき、日本だと、自分で教室を開く際、教室を開く、HP等をつくり、集客をする、経理、を自分で行うことになります。諸々考えること、やらなくてはいけないことが多くなかなかハードルが高い。「タイムチケットやココナラでフリーランス先生できるじゃん!」と思ったあなた。この2つはすでに指導実績を持っていたり、実際に英検に生徒を合格させた経歴があったり、SNSのフォロワーが多かったりしないと最初の1人目のお客さんが見つからないのです。
上記の2例をまとめると日本だと教室開講の際は、ビジネスとしてマーケテイング戦略や諸々の管理をする覚悟がないと、教室開講は難しい。その面倒を一切取り除いたのが、カンサライスオピスト!
生徒管理や運営面はカンサライスオピストが行うので、市民先生は「教室開講したいです!」で基本的には開講できてしまうみたいです。

ハードルを下げたことで、一プロフェッショナルではない一般市民が参加しやすい形態にしたことで、「誰でも先生になれる仕組み」を作ったのです。本気で生涯教育を推進しているフィンランド。流石です。

カンサライスオピストが解消する日本の教育、地域課題 3つ

誰でも先生になれることで、教育を軸に市民の動きが流動的になる。カンサライスオピストを知ったときそう感じました。Mr.Kは現在仲間とNPO団体を設立し、群馬からより良い教育を創っていきたいと考えています。大きなゴールは学校を創ること。しかしそれはまだまだ先の話で、その前にやろうとしている事業案にこのカンサライスオピストの仕組みをとい入れたいと考えています。

なぜか。カンサライスオピストが日本の教育を、地域課題を解消しうると考えているからです。3つの理由を挙げます。

①独居老人問題
地域と子供を繋ぐということを考えたときに解消したいのがこの問題。退職し、子供も遠くに住んでいる。普段人と接点が無い。寂しい。そう感じているお年寄りが結構多いのではないでしょうか。市民先生としてあるいは生徒として若い人と接点を創ることのできる環境を用意すれば、子供たちにとっても、お年寄りにとってもWin-Win。子供と仲良くなれば、お年寄りにも「より良い教育」というキーワードが響いてくるのでは無いかと考えています。教育をよりよくする事に反対する人はほとんどいないでしょう。ただ、選挙になる際は、自分たちに向けた施策をしてくれる候補者に1票をいれるのは当然のこと。NPOの場ならば、若者対お年寄りの構造も関係ありません。競争じゃなくて協働です。

②子供の活動限定問題

子供の活動の種類は習い事、部活動にほぼ限定されています。習い事に関してはビジネスなので、基本的にはスキル重視。例えば塾、ピアノ、英語、その他スポーツ。部活動はそもそも活動の幅が狭いし、どこの学校に行ってもほぼ同じ。あるいは行った学校によって興味のある活動ができない、なんてこともあります。もっと多様な活動があっても良いと思うのです。
例えば、カメラを学ぶ、農業体験、スポーツに関しても1つにするのではなく、生涯スポーツの考え方に基づいて、健康を目的として数種類のスポーツをできるようにするとか。
ここを解決しうるのがカンサライストオピストによる教育プログラムの集約化です。

③個人プレー問題

「いやいや、カメラ学べるところあるよ!」「農業体験できるところあるよ!」というお声は確かにその通りです。ですが、どこで誰がやっているのか、その情報に届くまでが非常にわかりづらく面倒です。これはなぜか。各団体でバラバラで競争的視点で行っているからでは無いでしょうか。
フィンランドにおいてカンサライスオピストは信頼された教育機関です。地域の人たちも、とりあえずここに行けば色々な習い事があるからさかしてみよう。となります。このような仕組みを群馬で作れたら、情報へのアクセスに格差が出にくくなります。とりあえず前橋市のカンサライスオピストに行こう!みたいなノリが作れたらより多くの子供たち、お年寄り、市民先生が交流できる教育コミュニテになります。その仕組み作りも目指します。

カンサライスオピスト創ろう

その方向性で構想練っています😁みんながハッピーな教育コミュニテを群馬の地に築く。

Special thanks

市民学校について教えてくれた尾潟千咲さんありがとう😌 これからもそれぞれのフィールドでより良い教育を目指して頑張ろう!

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