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【教育】「自分から勉強をしない」に対するいくつかの考察

 親の悩みの1つに、「子供が自分から勉強をしない」ことがあると思います。それに対するいくつかの方針を考えてみました。どれも短期の解決法ではありませんが、長い目で見た時に少しずつ効果が出てくるのではないか、と思います。
 なぜ勉強に取り組まないのか、を考えた時、勉強がつまらない、もしくは勉強よりも面白いものがある、という理由が多いと考えられます。

親がワクワク勉強する作戦

 子供の中で、【勉強=面白くない】という図式が成立していると思われます。子は親の鏡、とよく言うように、親のとる行動や考え方を自然と子供は吸収するものです。そこで親がワクワクしながら何かを学ぶ姿を自然に見せることで、子供の中に根付いている【勉強=面白くない】の図式を少しずつ崩していく作戦です。
 ポイント①親がとにかくワクワク楽しそうであること
 親が勉強することは何でも良いと思います。子供が勉強するべき箇所を親が共に勉強してもよいでしょうし、TOEICとか、FP検定とか、興味のあることをとにかく楽しそうに勉強してみではいかがしょう。
 ポイント②自然であること。
 親がいくら楽しそうに勉強していても、「私もこんなに勉強しているんだから、あなたも勉強したらどう?」なんて押し付けたら、作戦が台無しです。あくまでも自然に親が勉強に取り組み、さりげなくその姿を子供に見せる。今日から取り組んで明日に成果が出るわけないですが、長い目で見た時に成果が現れます。

子供に先生になってもらう作戦

 この作戦は、比較的低学年であるほうが効果的かもしれません。親があえて知らないフリをして、子供にいろいろ質問してみることです。
 例えば、「おかえり。今日は学校でどんなこと勉強したの?」「んー理科で光合成をやったよ。」「光合成ね。聞いたことあるけど、どんなのだっけ?」「知らないの?光合成っていうのはね…」「なるほど!よく勉強しているんだね。光合成って何のために行われるの?」「それはね…」のような感じです。
 親は知っていることを知らないフリをするのもいいし、本当に知らないのならむしろその方がいいかもしれません。人に教えるということで学習効果が上がりますし、親のする質問に子供が答えられなければ、子供は(一見)無知なお母さんにちゃんと教えてあげるために自主的に学ぶでしょう。そうならなくても、「じゃあ一緒に調べてみようか。」と次につなげることもできます。誰かに教える必要があることで能動的な学びに変わり、長い目で見ると勉強したいという思いが募るでしょう。

ゲーム性を見い出す

 ゲームが大好きな子供は多いでしょう。なぜゲームが楽しいのか。分析してみると、①成長要素があること②コレクション要素があること。ではないでしょうか。
 RPGゲームを想定すると、敵を倒してレベルが上がる、新しい街に来てより強い武器や防具を手に入れる、新しい仲間がパーティに入るなど成長が目に見える形になっていること。レベルアップなどにより新しい魔法を使えるようになり、だんだんと表示される魔法一覧の空白が減っていき、すべての欄を埋めたいという欲求が出てくるコレクション要素。この2つをゲーム性と呼ぶのなら、ゲームにはゲーム性があるから楽しいということになります。
 では、勉強にゲーム要素を見い出すことはできないか。
 私が教えている数学は学力の2極化が進みやすい教科であり、分からない子はとことん分からない場合が多いです。最初の授業でよく先程のようなRPGの例を出し、このような話をします。
 「RPGゲームはレベルを上げて、新しい武器を手に入れて、より強い敵と戦いに行くよね。勉強もある意味同じだと思う。例えば数学の方程式を解く場面を考えてみよう。最初は、方程式の文章問題なんて溶けるわけない。基本的な方程式の仕方を身に着けたり、それを分配法則を組み合わせて発展的な方程式も解けるようになって、そして文章問題に立ち向かえる。基本の方程式が分からないから勉強しない、という子は、魔物倒せないからレベルアップ諦めた、と言っていえるのと同じだよね。魔物が倒せないからこそレベルアップをするんだよ。つまり基本の方程式が分からなかったら、そこを繰り返し勉強する必要があるよね。」のような感じです。
 1つ1つレベルアップする感覚は楽しいでしょう。分からないからこそ勉強だね、とゲーム性を見いだせるように話をし、支えてあげれると良いです。

 と3つの作戦を考えてみました。どれも短期の提案にはなりえないものです。ど短期の方法を考えるならば、ガツンと叱りつけ無理やりやらせることになるでしょうが。それでは長期でみた時に、学ばない子どもを育てるだけです。大事なことは、今学ぶことではなく、将来的にも学び続ける子どもを育てること。
 「勉強」とは字のごとく「勉学を強いる」ことであり、消極的な要素が含まれます。自ら能動的に学ぶ子を育てるためには、学ぶことって楽しいじゃん!と少しづつでも思えることです。
 変化が早い時代だからこそ、未来を幸せに生きる子どもに!

 もしよければ参考にしていただければ有り難いです。次回も教育や子育てに関することなどを発信していきたいと考えています。よろしくおねがいします。


 


オープン学級通信

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