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「英語ペラペラ」って何?〜バイリンガルへの険しき道〜

こんにちは。EdubalアンバサダーのRanです。
今回は心にひっかかっちゃう質問ナンバーワンだった「英語ペラペラ?」についてお話をさせていただきたいと思います。

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海を渡ればバイリンガル?

海外赴任が決まった時、周囲の人達からいろいろな反応がありましたが、「これで子供達は英語ペラペラだね」ということもよく言われました。子供は特に柔軟で言葉の覚えが早いので、漠然と「そんなものなのかな…」と私自身も思っていました。

英語のあふれ出す瞬間

まずはじめに海を渡った我が子達は英語ペラペラになったのか。
これについてはいまだに答えが出せません。ただ、学齢が低く英語完全ゼロだった次女から英語があふれ出す瞬間があったのはよく覚えています。

ある日学校でお友達が話していたことを英語のまま教えてくれたのですが、その流暢さに「え?いつの間に?」と非常に驚きました。日に日に流暢に…ではなく、ある日突然突き抜けた感じがしたのです。

思い返してみると、思い当たる点が2つ。
1つは ”クラスの友達と同じ速さで英語でやりとりできるようになりたい” と強く願っていた彼女のモチベーション。もう1つは練習。当時、Youtubeで英語動画を見るのがマイブームになっていた子供達。暇さえあれば言葉やしぐさを真似た完コピ動画を作って笑い転げていました。これが自然に練習になっていたと思います。

生きていくだけで精一杯

とはいえ、そこまでの過程はいっぱいいっぱいでした。
渡航して最初は自宅近くのインター校のサマースクールへ。挨拶や気分が悪いなどの最低限の言葉を教えて送り出しましたが、帰りのバスのドアが開くと高確率で中身入りのエチケット袋を手に持っていました。10分の道のりで毎日バス酔い、2時間の授業でへとへと、新しい土地で生きていくことに手一杯でした。

やることがない?!

学校生活が始まったある日、次女が帰宅して話してくれた今日のできごと。
「先生のお話に"わからない"と言っていたら、今日は座っているだけでやることがなかったの」
ちーーーーーん😶😵‍💫😑
わかったふりをしてYESと言わないように伝えていたので素直にそれを貫徹した結果ですが、とても切ない気持ちになりました。

長女は学齢が高い分だけ授業の難易度が高く、学校の授業のフォローだけで夜中になり、難しさや量の多さに涙することも。内気な性格も相まって課題はずつと発話でした。

頑張ってはいるものの一体いつになったら…と、どちらももがいていました。

通学2ヶ月目で出た街頭インタビューの宿題。そんなことできないと大号泣しつつ5組にインタビュー。度胸がついた。

”ぺ” ぐらい

そんな状態の真っただ中で、日本の知人友人達から受ける「もう英語ペラペラになった?」「何か英語しゃべってみて」の言葉。
他愛もない質問なので、こちらも「まだまだだよ〜」「今がんばってるよ〜」と軽く答えはしますが、親の私は心の中では「ペラペラの ”ぺ” 一文字ぐらいだからまだ聞かないで😭」と常々思っていました。

ほんのちょっとの想像を

以前、エデュモア アンバサダーのkeikoさんが、”英語力と性格はきっと相関している ”と記事にしていましたが、私もこれに非常に共感しています。学齢・性格・環境・滞在年数などが複雑に関わるので、我が家ももっと滞在年数が長く、子供達が積極的な性格だったら全然違う形で、もしかしたら「これこそペラペラだ!」と明確な答えを持って帰ってきていたのかもしれません。

ただ、海を渡ればバイリンガル、そんな都合のいい話はありません。母語が確立していないほど小さな子供は別として、異言語を習得するのは子供だって大変です。後から見ると一瞬のようで、大人より楽にものにしているように見えるかもしれませんが、本人がどう思うかの個人差こそあれ、誰もが絶対に何らかの努力をしています。楽をしていた子はいないと思います。

周りの大人はそこをほんのちょっと想像して「英語ペラペラになった?」ではなくて「友達できた?」「どんなところが楽しい?」と一歩違った質問を投げかけてあげてほしい、これは以前想像力が足りなかった私の密かなお願いです。