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【駐在が決まったら】"安心"を捨てる"勇気"

はじめまして、Edubalアンバサダーの欒(RAN)です。
今日は海外赴任に帯同するにあたって子供の教育に関する悩みに直面した時のお話をさせていただこうと思います。

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辞令は突然に

ウチは至って一般的な家庭です。
夫婦共に特別な海外経験はないものの、チャンスがあるなら子供達には若いうちに海外を経験させてあげられたらいいな、ぐらいに思っていました。

そんなある日、海外転勤の話は突然やってきました。
海外に住んでみたいと憧れはあってもいざ告げられたら慌てるものです。
行き先は安全?家族で行く?仕事やめる?この家どうする?高齢の親達どうする?・・・もう数え切れない数の疑問と先の見えない不安。

伝え方マジック

最初に特に気を遣ったのは子供達への伝え方でした。
当時長女は小学3年生で安定の小学校生活を満喫中。友達と離れたくないと泣くこと必至だよチョージョ。
次女は小学生になる直前、ランドセルと念願の小学校生活にウキウキ。それなのに入学前に転校決定を伝えて大丈夫か、反応が予測不能だよジージョ。

あれこれ考えましたが、素直に親の私たちがとにかく海外での生活を楽しみにしていることが伝わるように話をしました。(もちろん不安いっぱいな部分もたくさんありましたが、大人の事情の部分は一旦おいておき。)

・・・反応がどうだったか?
泣きましたよ。おとなしい性格の娘らしく、静かに涙が頬を伝っていたのをはっきり覚えています。
でも最終的には納得してくれましたし、帰国が決まった時には帰りたくないと泣くほど気に入ってくれました。後から知ったことですが、海外生活がどうにも合わないケースもあるようで、子供たちの気持ちをずっとプラスに持って行けたのは親の姿勢だとほめてくれた人もいました。伝え方や自分の姿勢で人の気持ちに魔法をかけられる、伝え方って大事!と思った瞬間です。

”普通”が”安心”

さて、行くと決めたら次なる問題はどんな学校へ行くか。
それまでの私は日本の公立学校で義務教育を受けることが”普通”だと思っていました。今となっては”普通”って何?と思いますが、多くの人と同じであることが、”安心”なのだということは、それを手放す時に痛感するものです。”普通”なら、大学やその先のことまで考える機会がこんなに早く巡ってくることはなかったでしょう。
日本のカリキュラムを手放し特殊な環境に身を置くことは、後戻りできない道へすすむようなものではないのか。突然の辞令は、当時の私にとってまだ数年先だと思っていた子供達の将来の決定を「今決めてよ、さぁ!さぁ!」と迫られているように感じましたし、この決断が子供の一生を左右するような気がしていました。

シンガポールの高層ホテル”マリーナベイサンズ”屋上から見るスーパーツリー

"安心" を捨てる

日本人学校か、現地校か、インター校か。幸いなことに行き先のシンガポールはこの三択をすることができる国でしたので、日本の学校と似たような教育を継続して受けることができる"安心"の環境がありました。

にもかかわらず私達はインター校へ行く決断をし”安心”を自ら捨てました。

「日本人学校に行っていればまずは安心じゃない?」
「その決断は子供にとって(今も将来も)ハッピーなの?」
「現実問題、学費は払えるの?」
「インター校のその先、帰国したらどうするの?」
自分の中に湧いてくる様々な疑問に悩んで考えて調べて・・・本当に勇気のいる決断でしたが、根底にあったのは「限られた期間だから、日本ではできない経験をたくさんする!」という考えです。

みんな違ってみんないい

とらえ方一つだったのかもしれませんが、自分の中に落とし込むまでには勇気も覚悟も必要でそれなりに時間もかかりました。

「"普通"をはずれてしまう」→「はずれないとわからないこともあるよ」
「”普通”に戻れなくなるかも」→「戻す必要はあるだろうか」
「穴の開いた部分はどうするの」→「埋めようと思わない!」
安心と思っている場所は本当に安心なのか。多様性が声高に叫ばれる今、普通なんていったいどこにあるのか。

安心できる場所にいることを否定する気持ちは今も昔もありませんし、安心できる場所が本当に安心かどうかも実はわかりません。
人によって安心も最善の選択も違いますもんね。
我が家も覚悟を決めて選んだインター校ですが、未知の文化に圧倒されながら英語ゼロからの子供達を、これまた英語難の私がフォローすることも本当に大変だったことは隠しようのない事実です。(それなのに帰国後もインター校を選びました・・・これはまたの機会にでも。)

「みんなと違うのは変!」
・・・いえいえ、みんな違ってみんないい!
それぞれの方法で、楽しめる、輝ける、そんな場所が誰にでも必ずある!
安心を手放して飛び込んだ先も、気づいたら居心地が良かった、そういうことだって絶対あります。そして、長い人生だもの、途中で方針転換だってまだまだできます。
悩みの渦中にいるときは永遠に続く長いトンネルに迷い込んだように感じましたが、過ぎてみればほんの一時のことでした。
あの時の私のような悩みを抱えている人がいたら、みんな同じ気持ちになったよ、前向きにいればきっといい方向にいくよとそっと背中を押してあげたい、そんな思いで過ごしています。