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今の世界の教育の流れとは

最近、勉強会に参加して、
現在の教育の流れ、世界はどこに向かっているのか
私たち、教師はどうあるべきか
ということを考えて、
とてもよい時間になったので、
ぜひ皆さんにシェアさせていただければと思います。

講師の方が快く資料等を提供してくださったので、感謝して、講義のエッセンスをうまく伝えつつ、皆さんがよりヒントを得て、考えるきっかけになる記事を書いていきたいなと思っています。(ご協力ありがとうございます)

ではさっそく内容に入っていきます。
(講義の内容に、私の考えたこと、主観を入れて記述していますので、原密にはその講義と一部異なるもありますが御了承ください)

まず、最初に
<世の中の流れ>についてみていきたいと思います。
なぜ、世の中の話をするかというと、
世の中の流れをもとにして、
新しい教育や次の世代を作って行く教育の指針や方針が出て行くからです。
教育はよく振り子だといわれますが、学習指導要領がその象徴でしょうか。冷戦が激しく宇宙開発戦争があったときには、理数系に流れたり、はたまた、自由をうたって緩めてみたら、今度は逆に厳しく引き締めてみたり、ものすごく変化します。
教育に携わる私たちは、その軸を見極め、なにをすべきなのか常に考えながら、教育と向き合って行く必要があります。方針が変わるからこそ、教師は、時が経っても変わらないもの、普遍的なものを大切にできる人でありたいなといつも思います。

では、まず、<時価総額>のデータをお出しします。

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これは、平成元年の時価総額ランキングと
平成30年の時価総額ランキングを並べたデータです。

オレンジ色の会社が日本の会社です。
一目瞭然ですが、平成元年、オレンジばかりですね!
世界の10位までの中に7社がランクインしています。
これ物凄いことだなと思います。
30年前、経済的にみたときに
ものすごく優秀な国だったし、力のある国だったということがわかると思います。

一方の平成30年、上位5社はすべての人が知っている、使っていると言っても過言ではない会社たちが並んでいます。アルファベットとは、Googleの会社だそうです。

30年のスパンで世の中を見ると、
ものすごい変化している
ということが分かると思います。

また時価総額の数値を見ていただくと、
NTT 1,638.  →    アップル 9,409億ドルなので、
単純計算でも5倍近くに経済規模が変わっていることもお分かりいただけると思います。すごい変化です。

ここで、私たちが受けてきた教育はいつの教育か?
ということを考えて行くと、私は(平成生まれなので)、
この日本がトップ10に入るような時代をみて作っていた教育を受けていたことになります。
つまり、時代が古いときに受けていた教育です。
しかし、今求められ、これから求められる教育は、
社会が異なるのだからあきらかに全く違う教育になるでしょう。
私たちは、
今を見るのではなく、次を見なければならないということを
強く感じることができるのではないでしょうか。

さて、社会の変化についてもう一つの資料を見ていただきたいと思います。
<日本の人口の変化>についてです。

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実は、
日本の人口は2004年にピークを迎えそこからどんどん今減少しているそうです。
当然、ピークを迎えるまでの教育 とピークを過ぎてからの教育 は違って当然ですよね。

今これからの時代は、
人口変化と世界の変化
こういうものに合わせて
私達も教育観や概念を新しくしなければならない時代です。

今私たちに1番大切なことは、<変化>だ
という言葉がものすごく響きました。

テクノロジーの変化だけではなくて、
時代に合わせて振り子のように教育も変化している。
今は、人が人として生きるときに大切にすべきことはなんだろう
そんなことを考えるような世の中にもなってきています。
変化にも合わせながら、
本当に大事にすべきことを大切にする、
そんなバランス感覚が必要になっている時代なのかもしれません。

さて、
この社会の変化を実感できる素材として、講師の方が
<携帯電話>を例に挙げてくださったのですが、
これまた、すごく変化しています。
ものすごいです。そして懐かしかったです

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初めの携帯電話って本当今考えると、ギャグみたいに
おもちゃみたいなんですけど、これが当時の最先端なんですよね
これが30年前の携帯です。
30年でこんなに化石みたいに見えるものなのだなと
すごく不思議な気持ちになります。

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1999年ごろにカラーがやっと登場したみたいです。
私もゲームボーイカラーは少しやっていました笑
ここからの変化凄まじい感じがします。カラーと言っても
半分カラーじゃなかったですもんね笑
2002年の携帯は一気に画質が上がりますよね。
この頃133万画素の写真が撮れるようになったそうです。
当時はすごい進歩だったそうですよ。

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2006年からはワンセグとかが出てきます。
中高生のときに、
友達で教室でワンセグ使ってテレビを見ていたり
懐かしいなぁと思います。
2011年ごろには、
赤外線で通信をしたり、今考えるとアナログですけど、
かなりそれでも新しかったですもんね。
これは今から十年も経ってないですから、
10年で物凄い変化なのがわかります。

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そして、2014年iPhone5cとかがこの頃だそうです。
これ5年前ですよ。5年前。
ここからの5年でもものすごく変化してきたんですね。

これと同じく、ここからの5年で、
ものすごく大きく社会が変化します。
このことを私たちは強く認識していなければなりません。

私たちは、
教師として、目の前の子供達、生徒たちから学ぼうとしないといけないし、そして、世の中の流れもわかっていなければならない。教師であるからには、世の中の最先端の流れにも目を開いて、変化に敏感についていく人でありつつ、分かって治められるひとでありたいなと思います。

さて、ここまで<変化>ということを沢山見てきましたが、
ここで
世界の教育
を写真を見ながら考えていきます。

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これは、
掲示板に、子供たちが自ら
自分たちの学びをまとめたものを掲示している写真
です。
(オランダのイエナプランだそうです)

日本で、あまり見ないのが、
子供たちが自分で貼るということではないでしょうか。
ご覧の通り、子供が貼るので、
斜めになっていたり、バラバラです。
日本の場合は、教室を見に来る人がいるという理由で、
だいたい教師が綺麗に貼ることが多い気がします。

オランダの場合は、
子供たちが、自分がまとめて表現したものを誰かに見せたい!という思いを持って本人が貼っています
出発点が子供たちにあります。

何か形にしたいこと、
やりたいこと、
やってみたいこと
本人から出発するのが1番いい!
このようにしなさい!というよりも、全然いい。
強いるのでも、レールを敷くのでもなく、
本人が自らやってみたい!という思うその気持ちを尊重する
文化があります。


大人から見ると、
この方がうまくいくんじゃないかとか、
この方がいいんじゃないかとか、
そう思うことも多いと思うんですけれど、
その大人の思いを除いて、待ってあげて、
本人の気持ちを尊重する。
これがすごく大切なことになります。


大人の観点は、その人が育ってきた環境や状況に左右されますから、それよりも、子ども本人がその状況の中で、学びながら、感じながらやることが何よりも大切だ、という信念が背景にあるそうです。


この写真の場合、
靴で登るなとか、
パソコンが置いてあるような台の上に登るのは危ないとか
大人だといろいろ言いたくなることも多いと思うんですが、
自分でやってみようと思うことに対して、
それを止めてしまうようなことをあまり言わないそうです。

子供たちは、
やってみたいということをやってみて、
何回失敗してでも次にもう一回やってみようとする。その経験の連続でだんだんとできるようになっていきます。

<自分で表現したい>という思いを実践している
のが1番大切なことだ


そういう思いで教師が子供達を見守っています。
突っ込みたいところを一旦置いて笑
子供のやってみようとしたことが尊重される

そんな教室です。

これによって、子供の安心感が生まれています。
安心感があると、
子供たちの中にはチャレンジしてみようという心が生まれてきます。
そして、チャレンジしようという心が生まれると、
もう一回やってみようという心も生まれます。

もう一回、もう一回とやっているうちにできるようになってくる
そんなことが行われていたそうです。

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次は、この写真です。輪になって、プレゼンをしています。
モニターの前にいる子がプレゼンをしています。

それに対してみんなが意見を出しています。
小学4年生だそうです。
みんな、すべての人の意見を尊重します。
まず、意見を出したら、意見を出したことが素晴らしい!と評価されます。内容が云々ではないのです。
教師も、「よく手をあげたね!なに?」という感じで聴いていきます。絶対的な信頼関係が存在する上で、自分を表現していきます。

自分の意見を表現するので、
自分から他の人のプレゼンもよく聞くようになります。
そして、積極的に関わるようになります。
考えながら聴いている子供たちが沢山いました。
このとき、運営をほとんど子供たちがやっていたそうです。
30−40分、小学4年生なのにすごいですよね。
(先生は、キウイ🥝をずっと食べていたそうです。キウイとコーヒー☕️って合うのかな笑)

自分の意見を自分で考えて自分で発言する
自分たちで自分たちの学びを作り出す

ことのできる文化があったそうです。ステキですよね。

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次の写真は、廊下の写真です。
実は、これは休み時間ではなく小学2年生の算数の時間だそうです。

自分の学びの場は、自分で決めるんだ
自分が学びやすい場所で学ぶんだ

という文化があります。

そもそも、「教室から出て行く」という概念がないですし、
自ら学びやすい学び方を知って、
大人になっても、
自ら学ぶことができる
子どもに育ってほしい

そのような願いでこのようにしているそうです。

イヤホンをかけている子は、
周りの音が気になるから、
音楽を聴きながら勉強したいという意思をもって行なっている

教師の観の中にそのような考えを持っているのか、
一度、私たちの「前提」を見直してみることが必要かもしれません。

自分の人生は、自分が責任を持たなければならないし、
自分で自分の学び方を研究しないといけないし、
自分で学ばないといけない。
また、自分がもっとよくするために、研究して検討しなければならない
そういう文化が前提として引かれている環境だそうです。

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また、もっと先生から聴きたいという人が集まって、
電子黒板の前で説明をするそうです。
先生が全員には指導しません。

机に座っていたり、机の下でゴロゴロしながら学んでいる子もいるんですが、先生はなにも言わないそうです。
この教師の徹底した働きかけがすごく大事なのかもしれません。

本人がしたいと思うことが重視される
そして、本人がやってみて、
失敗だった、成功だった、次はもっとこうやろう
ということを本人が実感できるようにする

そして、失敗も沢山して、本当に様々なことが自分の糧になっていく
柵を超えない範囲で、常にチャレンジできる環境を整える

そんな、環境づくり、教師の心がけが
このような素敵な場を作っているのでしょう。

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さて、このメモは、
体育の時間の授業内容を、休み時間に
子どもたちが話し合っているところだそうです。
例えば、授業の20分をこんな時間にするというのを、子どもたち自ら決めています。

この体育の時間は、本当に生き生きと子供達も動いていたそうです。
「自分で決める」って本当に大きなことなんですね。

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そして、ここは、職員室、Staff Roomだそうです。
カフェみたいな雰囲気です。
サッカーのゲームがあったり、軽食が置いてあったり、コーヒーマシーンがあったり。

職員室は、仕事をする場所ではなくて、
コミュニケーションをする場所だと、
ここの先生方がおっしゃっていたそうです。

いろんな考えを持って、
いろんなことをやっている先生たち
がいるから、
大事なのは、お互いのことを理解し合おうと、歩み寄ること
そのための場所が職員室だ
とおっしゃるのです。

日本の職員室も、そんな風にみんなが仲良く和気藹々と話せる空間になったらいいですね☺️

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最後に、これは日本だそうです。
42という、プログラミングを無料で受けられるような場所だそうです。フランス発祥の教育だそうですけれど、プログラミングを全部自分たちで学んでいくそうです。自分たちで課題を設定して、チームでコミュニケーションをとりながら。

今後は、知識伝達型の教育よりも、
ますます、このような自ら実践した分学び、わかるようになり、
自ら実践した分、チャレンジした分
前に進むことができる
ような教育に変化していきます。
誰かと協働しながら学びを深めていく
このような教育にシフトしつつあります。

私たちも、そんな教育を経験しながら自ら学んでいきたいですね!

さて、最後にPISA2018の結果についてです。

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今までは、PISA上位に日本がいることが多かったですが、今回は、上位をほとんど中国が占めます。
いつまでも最先端ではありえない、変化の激しい世の中であることを感じます。

さて、今までを振り返ると、<変化>がおおきなテーマでしたが、

「自ら行える人」
「チャレンジできる人」
「協働して学べる人」


そのような人を育てていくことが
新たな教育の流れなのではないでしょうか。

そのような教育を作っていくためには、
私たち教師自身が

自分が受けてきた教育や概念など、
今まで自分の中に作られてきた価値観を常に壊し続けながら、
新しく学び、常に自分自身を新しく作っていく

そして、新しい教育を研究しつくり続ける

そんな教師でありたいなと改めて感じた講義でした。

長らく、お付き合い戴きありがとうございます。
そして、刺激的な講義を提供してくださり感謝します。

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