「天皇制を語れ、だがそのまったき無根拠性において」(『福音と世界』11月号)補遺

『福音と世界』11月号に「天皇制を語れ、だがそのまったき無根拠性において」を寄稿しました。

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お読みになった読者の方はおわかりになるかと思いますが、天皇制に対するさまざまな「小理屈」を引用しております(本当は「小理屈」の引用だけからできた天皇制紋切り型辞典なるものも考えていました)。出典その他を紙幅の都合上カットせざるをえませんでしたので、ここで天皇制「小理屈」集として公開します。

ちなみにこれは、2019年5月に行われた、小谷野敦さんとのトークイベント「改元直後に、天皇・天皇制・皇室について考える」で配布された参考資料でもあります。またこちらのトークイベントの再録とあわせてご覧ください。その点をご理解の上、お読みください。



天皇制論壇マップ

赤坂真理 九条支持・天皇制支持 

「戦争の傷をめぐる世界の旅をすること。傷ついた、傷つけた人々の前で祈ること、弱い人と共に在ること、弱った人、傷つけた人の手を取ること、助け合おうということ。混乱にあって、我を失わずにいようと励ますこと。天皇はそれを言葉で言うことができなかっ た。憲法で制限された存在だからです。わが国において、憲法を、国家権力を抑制するためにあると本気で信じている人は、少ない。 けれど、この天皇はそれを「体現」しようとしたのではないか。日本の軍隊が傷つけた人々の地を慰問した。言いたいことを、言えな い状態で。その孤独な戦いを思います。そのことに、今、感動を覚えます」(『箱の中の天皇』)

浅田彰 九条??・天皇制反対

「明らかに9条に違反する自衛隊が国外でもさまざまな活動を展開するところまで来た現在、こうした妥協的護憲主義は限界に来ていると言うべきだろう。だとすれば、一章改憲と天皇制廃止をあらためて議題とする必要があるというのが、現在の私の意見である」(「昭和の終わり、平成の終わり」REALKYOTO

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