フリーランスパティシエになりたいという君に束の間の夢を見させてもらったホワイトデーの話
一流パティシエへの階段をどんどん登っているのに、迷いを感じている男の子と
とっくの昔に夢を捨てて、けれどもやっぱりお菓子が大好きな女の子が
それぞれの想いをちょっとだけ形にできた
あるホワイトデーのお話。
「お菓子教室やってみない?」
都内の秋田料理店。
きりたんぽ鍋と比内地鶏。
もう何合目かもわからない徳利を持つ友人の手が止まった。
ゆるみきっていた空気が、ピンと張りつめた気がした。
*
尊敬している、けれども嫉妬することも多々あるくらい素晴らしい、大切な大切な友人