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【日記】「俺が悪いんだけどさ」は「俺は悪くない」だった←????????

「俺が悪いんだけどさ」
 口癖のように、そう言ってしまう。
 日々、日々、嫌なこと、不条理なこと、恨みつらみが積もり積もり、ただその度に、やっぱり俺が悪いと思ってしまう。
 俺が悪い。俺が悪い。俺が
「竹原さぁ、『俺が悪い』って、『俺は悪くない』って思ってるヤツのセリフなのよ」

????????

 友人の言葉に、大量の疑問符が頭に浮かんだ。
「いや、俺は付き合いも長いし、あなたがホントにそう思って言ってるのは分かるんだけど。一般的に、その台詞は本心では悪くないと思って言うのよ」
 思ってもみなかったことだった。蒙が啓かれた……と言うと大げさに過ぎるが、新しい価値観だった。

 なるほど。考えるに「けど」が重要なのだろう。自分の落ち度は認めつつ、ただ自分にも自分なりの都合や考えがあって、そういった情状酌量の余地があるだろうよと、そういった意味合いを込めた「けど」が重要なのだろう。確かにそこに着目すると、「俺が悪いんだけどさ」は「俺は悪くない」になる。

 ……や~~~~~~~~なんか。
 多分ね、こう、全体をニュートラルな立場に置いて話を進めたいんだと思うのよ。積もり積もったうっぷんはあるものの、それをそのまま取り出して攻撃するのはあまりに忍びないから、「俺が悪いんだけど」とワンクッション入れて、双方に悪いところがあったよね、と全体を同じ地平に置こうと。
 ただ、結局のところ、うっぷんは晴らしたいわけじゃん。恨み晴らさでおくべきかなわけじゃん。でさ、相手が個人なのか組織なのか社会なのかは様々あると思うけれど、どういった場合でも、相手側にも正義があると思うのよね。相手側が明確な悪意をもって害をなしてくるならば、そもそも「俺が悪いんだけどさ」って言葉は出ないと思うのよね。で、その正義とそぐわなくて、何かしら軋轢が産まれてしまったんだと思うのよね。
 ならその言葉通り、相手側から見たら「俺」は悪なわけじゃん。で、じゃあ「俺」の立場から選択できるのは「相手側の正義に迎合するか」「受け入れずに立ち向かうか」の二択になるわけじゃん。

 だから僕は言うのだ。「俺が悪い」と。
 まっすぐに敵意をもって。

 と、ここまで考えてから、ふと、世間一般の人はそこまで厳密に敵か味方か、善か悪かを分けていないんじゃないかと思ったんだよなぁ~。なんとな~く、みんなふんわりと善の側にいるよね~、みんなふんわりと味方だよね~、と境界をぼかして人間関係を形成しているんじゃないかと思ったんだよなぁ~。
 や、でもさ~。ハッキリした方がわかりやすくていいと思うんだけどねぇ~。相手がもし敵だったなら敵だったなりの付き合い方がある訳じゃん。その辺の境界が曖昧なままだと、人とどう付き合っていいか分かりにくくない?そうは思わないのかなぁ~?

 まあ、俺が悪いんだけどさ。

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