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ズル休み

先週。金曜から日曜までの3日間。
病院のPC搬入作業のアルバイトをしていた。
いつもながら派遣の単発バイトだ。

初日は夕方5時から深夜0時30分まで。
2日目からは朝9時から夕方6時までの予定。
予定だった。

初日。終業時間は2時15分。
1時間45分の残業。しかも、現場の作業は半分ちょっとしか進んでいない。
翌日聞いたことだけれど、社員はその後も残って仕事をしていたらしい。5時前まで作業をしていた人もいたそうだ。
その日の帰宅時間は3時ちょっと前。夕飯をとりシャワーを浴びて、寝たのは4時前。仮眠と言った方が良い睡眠時間で、翌日(当日)の仕事に向かった。


ので。だから。
疲労が溜まっていた。確実に。間違いなく。


2日目は予定通り、夕方6時に"僕は"退勤した。
1日目宜しく作業の進みがすこぶる遅く、他の社員はまた残業をしていたらしい。この日、最後まで残っていた人の退勤時間は夜11時だったと聞いた。
同じ場所で作業をしていた社員は、本当に徹夜してまた今日の業務に就いていた。

そして3日目。最終日。午前中。
その日の朝は、搬入予定のPCの梱包を解く業務に就いていた。
その日の朝は、全くといっていいほど疲労がとれていなかった。
1時間ちょっと作業をした。ふと、持っていたPCを取り落としそうになった。

限界だと思った。

現場を指揮している社員に「早退させて欲しい」という旨を伝えに行った。
要望はなんなく通り、僕はその時点で現場から早退させてもらえることになった。
社員は「君みたいに真面目な態度で言ってくれれば、こっちも大人だから、ちゃんと対応するからね。安心して」と、きっと緊張して暗い表情をしていただろう僕に言った。

10人。トんだらしい。この現場で。
ギリギリのタイミングで、形だけの「体調不良」という理由をつけて。
いや、それが「嘘」であるとは言い切れない訳だけれど。
そんな話を、業務から離れて迎えの車を待ちながら、現場指揮の社員から聞いた。


体調不良。
確実に。間違いなく。体調不良だった。僕は。
緩い頭痛が続き。意識は朦朧とし。身体は震えていた。
の。だけれど。

帰りたかった。いち早くその現場から去りたかった。

現場の指揮系統は、アルバイトの僕(僕ら)から見ても明らかに機能していなかった。
あらゆる場所で機材の不足や連携不足による作業の停滞が起こっていた。
仕事を振られることなく30分、1時間待機という状況が何度も生じた。
学生サークルでもまだマシだと思った。

3日目。
僕はもうこの現場にいる気を全くといっていいほど無くしていた。
こんな、目に見えて機能していない現場にいる意味はもう無いと思った。

ので。だから。
僕は早退を要求した。
「体調が悪い」と真実を吐いて。


どうだったんだろう。
「真面目な態度」だったんだろうか。
トんだ知らないバイトたちと、何か違っていただろうか。
ズル休み……だったんじゃないかなぁ。


一つ。確実なことは。

早退したことによって僕の経済事情はかなり悪い方向に向かっているということだ。困ったことに。

「おー、面白いじゃねーか。一杯奢ってやるよ」 くらいのテンションでサポート頂ければ飛び上がって喜びます。 いつか何かの形で皆様にお返しします。 願わくは、文章で。