江戸川区伝統工芸会オンライン展覧会2020

2020年9月に、江戸川区伝統工芸会公式Facebookページおよび公式instagramにおいて行われた「江戸川区伝統工芸会オンライン展覧会2020~江戸川の伝統工芸の粋をつないで~」のアーカイブです。
30代~90代の17名の工芸者の作品約80点をご紹介いたします。

はじめに

江戸川区伝統工芸会は、伝統工芸技術の継承および発展のため生活に即する価値を創ることを目的として、江戸川区内の伝統工芸者により1983年に設立されました。以降様々な活動をして参りましたが、そのなかの1つが毎年秋に行われる「江戸川伝統工芸展(主催:江戸川伝統工芸会 後援:江戸川区/江戸川区教育委員会)」です。
ところが、2020年9月に船堀タワーホールで予定されていた「第37回江戸川伝統工芸展」は、この度の新型コロナウイルスの感染拡大の状況を鑑み、誠に残念ながら開催中止との決断をいたしました。
コロナ禍現在、各地でイベントや展覧会の中止が発表されるなか、代替案のひとつとしてオンラインでのイベントや展覧会が盛んに行われており、当会でも「第37回江戸川伝統工芸展」中止の代替として、若手有志の発案によりオンライン展覧会を開催する事と相成りました。アナログの代表格でもある伝統工芸を、デジタルの世界で広く様々な方に作品をご覧いただくという、当会にとって初めての試みではありますが、当会会員の作品を、江戸川区の伝統工芸を国内外にアピールする機会となるよう、また苦境に立たされている伝統工芸産業がコロナ禍のピンチをチャンスにできるよう、会員一丸となって準備を進めて参りました。
江戸川区の伝統工芸をどうぞお楽しみください。

江戸川区伝統工芸会一同


江戸切子

蓋付き鉢 Castle  【大場 和十志/江戸切子】

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近年では素材入手の困難な蓋付き鉢に、「城」をイメージして制作いたしました。
側面底部には、石垣をイメージしたカットを彫り込み、竹かごがモチーフとされる八角籠目文、菊の花が連なる様を表現した菊繋ぎ文、「人と人との和」「文様が限りなくつながることから子孫繁栄」の意味合いを持つ七宝文等を組み合わせて城を表現しました。

クリスタルガラス 径19.5×高さ17cm


オールド 雅 【大場 和十志/江戸切子】

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琥珀色とルリ色の2層硝子を用いて製作した江戸切子のグラスです。
グラス側面の一方には菊繋ぎ文、もう一方には菊籠目文を彫り込んだ左右非対称なデザインが特徴です。
菊籠目文の上部は、唇当たりを考慮して少し削り込んでおります。
ルリ/琥珀だけでなく緑/琥珀、ルリ、金赤と色のバリエーションもございます。
クリスタルガラス 口径約8.2×高さ約9cm


猪口 光る宙【大場 和十志/江戸切子】

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グラス側面には、菊繋ぎ文を枠にはめず螺旋状に流れるように配し、天の川をイメージして製作いたしました。
手に取ってグラスの中を覗き込むと、底には精巧にカットした菊花文が広がります。側面底部の色被せ部分を削り込んだことにより、注いだお酒の色も楽しんでいただけます。
色被せ硝子をあえて削り込んだ透明部分と瑠璃色のコントラストも美しい江戸切子猪口です。
他に金赤、ルリ/琥珀、緑/琥珀と色のバリエーションがございます。
クリスタルガラス 口径6×高さ5cm


江戸組子

色紙掛 【田中 孝弘/江戸組子】

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格子模様の色紙掛けです。
裏に壁掛け用の金具がついているので、脚を外して壁掛けにして飾る事も出来ます。
表面にはアクリル板が入っています。
吉野杉 39cm×3cm×41.5cm


コースター 【田中 孝弘/江戸組子】

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麻ノ葉模様の組子コースターです。
木曽桧と吉野杉の2種類があります。素材によって色が違います。
※同一種類5枚セットです。
木曽桧/吉野杉 11cm角


隅棚 【田中 孝弘/江戸組子】

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上段に格子を組み込み、下段には木目の美しい杉の板を嵌め込んでいます。
棚板は、取り外しが可能なので(画像4枚目をご参照ください)、棚の段数を変えて使う事も出来、移動や収納の際には、折り畳むことも出来ます。
吉野杉 40cm×110cm



行燈 【田中 孝弘/江戸組子】

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上段には、菱形の中に【桜亀甲】【桔梗亀甲】【麻ノ葉亀甲】の模様が四面に入り、下段には木目の美しい屋久杉の板が嵌め込まれています。
洋室にも和室にも合わせやすく、インテリアとしてもとてもおしゃれなアイテムです。
屋久杉・木曽桧・神大杉 20cm×20cm×37cm 


行燈 【田中 孝弘/江戸組子】

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全面に細かい麻の葉模様が施されたキューブ型の行燈です。
灯りを燈すと、模様の印影が一面に映し出され、組子ならではの美しさが楽しめます。
洋室にも和室にも合わせやすく、インテリアとしてもとてもおしゃれなアイテムです。
吉野杉 29cm×29cm×34cm 


江戸風鈴

五徳 【篠原儀治/江戸風鈴】

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泥の中からきれいな花を咲かせる蓮の花を描きました。蓮の花は「淤泥不染の徳」「一茎一花の徳」「花果同時の徳」「一花多果の徳」「中虚外直の徳」と、五つの徳があるともされています。
ガラス・紙 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約31㎝


星【大槻賢一/江戸風鈴】

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馴染みの深い星の模様を描きました。連続した文様は昔から魔除けの意味があるとも言われていました。また風鈴も魔除けの鈴として使われていました。悪いことが起きませんようにと願いを込めて製作しました。
ガラス、紙 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約31㎝


幸【大槻賢一/江戸風鈴】

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元々風鈴は魔除けの鈴として使われていました。幸せが訪れますようにと願いを込め、縁起の良い絵柄を描きました。
ガラス・紙 約9.5㎝×約12㎝(ガラス部分)全長約33㎝


中丸 もののけ戯画〜終息祈願〜【篠原 公孝/江戸風鈴

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中丸という大き目サイズの風鈴です。
新型コロナウイルスの流行により、生活は一変してしまいました。そんな中アマビエを始めとした疫病に言及していた妖怪などの存在を知りました。
新型コロナウイルスの一日も早い終息を願ってアマビエ、神社姫、神虫、角大師、アマビコ、ヨゲンノトリを集めて絵巻物風に表現しました。
ガラス・和紙ガラス 約11.5㎝×約10㎝(ガラス部分)全長約34㎝


寳鼠【篠原 公孝/江戸風鈴】

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小丸という、江戸風鈴のもっとも基本的な形です。
今年の干支の鼠を金箔を使用して縁起良く仕上げました。
鼠は大黒天の使いともされているので、反対側には打ち出の小槌を描きました。
ガラス・麻 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約32㎝


鯨退治【篠原 由香利/江戸風鈴】

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暗雲漂う空の下、荒れ狂った海の中暴れる鯨の背に乗って剣をかざすは宮本武蔵。
江戸初期の剣客・宮本武蔵の鯨退治の伝説をもとに描かれたという歌川国芳の「宮本武蔵の鯨退治」を猫に置き換えて作りました。牡蠣殻がついたものという説もある鯨の体の白い点ですが、1つだけ猫の形のものが混じっています。
ガラス・麻 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約32㎝


髑髏【篠原 由香利/江戸風鈴】

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金のラメで髑髏を描きました。夏のものというイメージがある風鈴ですが、もとは魔除けの鈴として一年中使われていました。洋室に飾ったり、夏以外にも風鈴を楽しんでいただければ、と思い制作しました。
ガラス・紙 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約31㎝


黒マル宇宙へ行く【篠原 由香利/江戸風鈴】

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黒猫の黒マルが宇宙に飛び出しました!地球との通信状態は良好、今日の報告は…
どこかに行きたいという気持ちを抱いていたステイホーム中に思いついた柄です。空想の中でなら実際には簡単に行けないところにも行くことができると思い、宇宙へ行ってみることにしました。
ガラス・紙 約8㎝×約7㎝(ガラス部分)全長約31㎝


江戸鉄瓶

鬼面釻付真形釜(きめんかんつきしんなりかま)
【横塚 裕多加/金工】

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粘土砂を用いて作る鋳型の表面に砂を均一につける肌打ちをし、独特な鋳肌を表現しています。
釻付は「芦屋釜」の古作に多くみられる鬼面に、蓋は唐蓋(青銅製)です。
鋳鉄・漆・オハグロ 胴径22cm 高さ22cm 約3kg


平丸形鉄瓶 【横塚 裕多加/金工】

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伝統的な惣型技法による手作り鉄瓶です。
粘土と砂を用いて鋳型と呼ばれる型を製作し、その中に1500度に溶解した鉄を流し込んでつくります。
鉄瓶表面には、漆を焼き付けさらにオハグロ仕上げをして独特な色味を表現しています。
また、蓋のつまみ部や、袋弦に施された小さな穴は「虫食い」といい、古くから日本の詫び寂びを表現するデザインとして用いられています。
鋳鉄・漆・オハグロ 胴経16.5cm 高さ22.5cm 1.4kg


六寸虫食い五徳 【横塚 裕多加/金工】

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火鉢をお使いの際に鉄瓶をのせるための道具です。
粘土と砂を用いて鋳型と呼ばれる型を製作し、その中に1500度に溶解した鉄を流し込んでつくります。
表面は虫食い鉄が朽ちていく様を表現しています。
鋳鉄・漆・オハグロ 径18.5cm 高さ10.8cm 1.3kg


鶴月 【横塚裕多加/金工】

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えどがわ伝統工芸産学公プロジェクトにおいて、女子美術大学の牛山明日香さんとのコラボで生まれた、縁起物として愛される鶴をモチーフにした瓶敷です。
鍋敷きとしてもどうぞ。
足の先端部分はゴムになっており、テーブルを傷つけません。
粘土と砂を用いて鋳型と呼ばれる型を製作し、その中に1500度に溶解した鉄を流し込み、漆とオハグロを使用した金工着色をほどこしています。
鋳鉄・漆・オハグロ 直径16cm 高さ2.2cm 重さ600g


漆芸

平馬盥水盤 【山口 作介/漆芸】

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作品名の【平馬盥水盤(ひらばだらいすいばん)】の由来は、古老から聞いた話ですが
~戦国時代に戦に就かれた時に、花でも活けて心の安らぎを得よう・・・と家来に明示、飼い葉桶(牛や馬の飼料をいれる容器)に花を活けて持ってきた~
これが変形して、現在の馬盥水盤となったそうです。
今回は、平たい形状にして、黒蝋色(くろろいろ)(漆の種類)で仕上げました。
椹(さわら)・漆 長辺55cm 短辺43cm 高さ6.5cm


香合 【山口 作介/漆芸】

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蛤(はまぐり)に漆塗りを施して研ぎ出しで仕上げた、研ぎ出し変り塗りの香合です。
外側は、緑漆・赤漆をそれぞれ5回程塗り、研ぎ出しました。
内側には、本金・朱合漆の溜塗(ためぬり)です。
貝(蛤)・漆 8.5cm×7cm×4.5cm


タイピン 【山口 作介/漆芸】

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木(桧)に漆を塗り、その上に鮑(あわび)の貝を漆で接着して、金具をつけてタイピンに仕上げました。
天然の鮑の貝を使用しているため、すべて貝の模様や発色、輝きが異なります。
下地となる黒漆の塗りを5回以上塗り重ねる事で、鮑貝本来の発色や輝きが綺麗に見えるようにしています。
桧(ひのき)・鮑貝・漆・金具(真鍮に金メッキ)
長さ6.1cm 幅0.8cm 金具含む厚さ1.8cm


おりづる(ピアス・イヤリング) 【山口 作介/漆芸】

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えどがわ伝統工芸産学公プロジェクトにおいて、女子美術大学の大野ななえさんとのコラボで生まれた、縁起物として愛される鶴をモチーフにした瓶敷です。通常の折り紙を16分の1の大きさにして、折った折り鶴に漆を塗り、金具をつけて、ピアスとイヤリングに仕上げました。
折り鶴は手作業で折っていますので、それぞれ形や雰囲気が異なります。
紙・漆・金属(金具) 約3cm×約2㎝(折り鶴部分)長さ約4.5cm


箸置(あやとり) 【山口 作介/漆芸】

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えどがわ伝統工芸産学公プロジェクトにおいて、多摩美術大学の柴山 信一さんとのコラボで生まれた、あやとりの橋をイメージした箸置きです。
専用の木型に合わせて糸でブリッジの形を作り、漆で塗り固めて制作しました。
手作りなのでそれぞれ形が異なります。
2018年おみやげグランプリ奨励賞
紐(ポリエステル)・漆 6cm×3cm×1.5cm


染色

短冊「寿ぎ」【草薙惠子/染色】 

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糸目友禅の技法で絹を染め、裏打ちしています。
糸目友禅の技法で羽子板に扇面や竹、梅などを染め、ぼかし染めや描き匹田など、細かい模様に贅を尽くしました。
床の間や畳のある家が少なくなった昨今ですが、床の間以外にも飾れるミニ掛け軸に、手描き友禅の短冊を設えて、新たな年の初めを迎えていただけたらという思いで製作しました。額装してもお楽しみいただけます。
※短冊の裏打ちと掛け軸製作は工芸会会員の笹谷義則氏によるもの
絹 美濃和紙 35.6cm×12.6cm(掛け軸 120.5cm×23cm)


短冊「花独楽」【草薙惠子/染色】 

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糸目友禅の技法で絹を染め、裏打ちしています。
菊の花を独楽に見立て「雲どりに梅」の羽子板をあしらいました。
床の間や畳のある家が少なくなった昨今ですが、床の間以外にも飾れるミニ掛け軸に、手描き友禅の短冊を設えて、新たな年の初めを迎えていただけたらという思いで製作しました。額装してもお楽しみいただけます。
※短冊の裏打ちと掛け軸製作は工芸会会員の笹谷義則氏によるもの
絹 美濃和紙 35.6cm×12.6cm(掛け軸 120.5cm×23cm)


友禅・染め帯「波立ちぬ、いざ、、、」【草薙惠子】  

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市松模様の絽の夏生地に「波立涌文様」を手描き友禅した夏帯です。
涼しげなブルー地色の生地に白をぼかし染めで表現して、波間にスーと風が抜けていく様を表現しました。
立涌文様とは2本の曲線を用い、水蒸気が立ち上っていく様を表現したもので縁起の良いものとされ、吉祥文様の1つにもされています。また、有職文様(平安時代以降、公家階級で装束・調度などに用いられた伝統的な文様)でもあり、正倉院宝物の裂地にも見られます。
縁起の良い古典文様を現代にアレンジしてデザインした、モダンな雰囲気のオリジナル染め帯です。
絹(絽) 540cm×36cm


小松菜染ストール【草薙惠子】 

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江戸川区特産の小松菜100%で染めたシルクストールです。小松菜は市場に出荷できないものを使用しています。
染める部位(葉、茎)により色味が異なります。
食べて良し纏って良しの小松菜は、江戸川区の誇れる野菜です。
絹100% 150cm×50cm


墨流し染め扇子【草薙惠子/染色】 

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現存する墨流し染めは、京都本願寺所蔵「三十六人家集」(1112年頃)の料紙装飾に残っています。正確な起源は不明ですが、当時は水面に墨を滴下し、先のとがった道具を使用したり息を吹きかけて、流れる模様を作り和紙に写しとりました。
こちらの扇子は、綿生地に墨流し模様を染付したのち、扇子に仕立てたものです。水と色の織り成す無限のハーモニーを1枚ずつ手染めした同一柄が不可能な染色で、貴方だけの涼風をお楽しみ下さい。
※男女共用
※専用ケースつき
綿100%、木(扇骨) 閉じた長さ:21.5cm 広げた幅:38.5cm


陶芸

甲和土丸文灰釉 大皿 【林 信弘/陶芸】

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甲和土(こうわつち)でろくろ形成し、欅灰(けやきばい)を掛け、素地の色を丸抜きで表した大皿です。
丸抜きした部分は釉薬を掛けずに焼き締めの為、甲和土本来の質感がそのまま表れています。
甲和土とは、工房オリジナルの土の名称です。東京都江戸川区小岩の工房・自宅の敷地を掘削し、採取した粘土層を精製して、陶土にしたものです。
欅灰(けやきばい)は、以前工房に植えてあった欅の大木から落葉した葉を燃やして、自作した釉薬です。
陶芸は古来より、地面を掘って粘土を採り、山の木を伐り燃やして釉薬原料となる灰を作り、薪を燃やして窯を焚き焼かれていました。現代の都心部ではそのような作り方をすることはできませんし、自身の生まれ育った東京の土は古来より焼き物には適さないものでした。それでも、陶芸の本来の姿に近い作り方をしたい、そんな思いで制作した器です。
陶土(甲和土) 径36cm 高さ7cm


紫紅釉 花瓶 【林 信弘/陶芸】

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螺旋状に深くしのぎを入れ、赤紫色の紫紅釉(しこうゆう)を掛けた花瓶です。
赤く発色する伝統的な釉薬、辰砂釉(しんしゃゆう)に微量の鉄分を含む釉薬を二重掛けし、還元炎焼成すると赤紫の紫紅釉になります。
陶土・釉薬 径22cm 高さ19cm


練込鶉文 花瓶 【林 信弘/陶芸】

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練込の技法で制作した、シンプルな形の花瓶です。
細身のシルエットなので、窓辺やちょっとしたスペースに置いてお使いいただくと、素敵なインテリアになりそうです。
練込とは、あらかじめ様々な色に発色する顔料を混ぜて作っておいた、複数の色土を重ね合わせたり組み合わせたりして、複雑な花模様を作り出していく技法です。
金太郎飴のように色を組み合わせて、大きな模様の塊を作り、その後数カ月寝かせて異なる色土が互いに馴染み剥がれないようにしてから
薄く板状にしたものを使い器の形に成形していきます。
絵付けとは異なり、器の内側にも外側にも同じ模様が表出するのが特徴です。
陶土・釉薬 5.3cm角 高さ17.5cm


練込花文 酒器 【林 信弘/陶芸】

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練込の技法で制作した、酒注ぎと盃のセットです。
陶土
酒注ぎ/9.8cm×8.5cm 高さ9cm
盃/径8cm 高さ4cm


紫紅釉 茶碗 【林 信弘/陶芸】

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赤紫色の紫紅釉(しこうゆう)を掛けた茶碗です。
赤く発色する伝統的な釉薬、辰砂釉(しんしゃゆう)に微量の鉄分を含む釉薬を二重掛けし、還元炎焼成すると赤紫の紫紅釉になります。
陶土・釉薬  径13cm 高さ7.7cm


紋花彩泥 花器【林 理子/陶芸】

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全面に赤と若草色の花模様を立体的に施した、華やかな花器です。
内側には、縁取りに外側と同じように赤い花模様を施し、底部に掛けては対照的に渋い色で仕上げました。
内側のこげ茶色は、甲和土を化粧土に使用し焼き締めにすることで、独特の照りが現れ趣のある表情になりました。
甲和土とは、当工房オリジナルの陶土で、東京都江戸川区小岩の工房敷地内を掘削して採取した粘土層を精製して作った陶土です。
陶土・釉薬 径30㎝ 高さ6㎝


紋花彩泥渦文 大鉢 【林理子/陶芸】

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色土を筋状に土に挟み込んでろくろ挽きをすると、ろくろの回転により螺旋状のマーブル模様が表出する練上技法で制作し、更に縁には彩泥技法でぐるりと一周赤い花模様を施した大鉢です。
縁の花模様は、模様の輪郭を線刻した内側に、化粧土を5~7回に分けて少しずつ重ね塗りをする事で、凸凹した立体的な花様にしています。
さらに、縁は花模様に合わせて、カットする事で断面にも練上の細いマーブル模様が表出しています。
練上のマーブル模様は後で絵付けしたものとは異なり、表裏に同じ模様が現れるのが特徴です。
また、彩泥とは、化粧土(色土)を使用して細工や彩色を施す技法の総称です。
陶土・釉薬 径16.5cm 高さ19.3cm


紋花彩泥 抹茶茶碗「a bouquet」 【林理子】

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全面に若草色の花模様を立体的に施した、華やかな抹茶茶碗です。
花模様は、模様の輪郭を線刻した内側に、化粧土を5~7回に分けて少しずつ重ね塗りをする事で、凸凹した立体的な花様にしていますので、絵付けとは異なり模様部分の凸凹が持った時に手にしっかりと伝わり、目で見る可愛さだけでなく、手から伝わる器感触をお楽しみいただける抹茶茶碗です。
また、彩泥とは、化粧土(色土)を使用して細工や彩色を施す技法の総称です。
陶土・釉薬 径10cm 高さ8cm


紋花彩泥掻落 飯碗(青)【林理子/陶芸】

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青に線刻で施した花模様と、ドット、ストライプがリズミカルで楽しい中にも、渋さがあるごはん茶碗です。
ろくろ成形後に、外側は青・赤・甲和土の化粧土で彩色した後、乾かない内に模様を線刻する、掻き落としの技法で模様を入れています。
見込みにも縁取りを外側と同じ青い花模様を施すことで、とても華やかでありながら、落ち着いた青の発色が綺麗なごはん茶碗になりました。
外側の下半分は、甲和土を化粧土に使用し焼き締めにすることで、甲和土独特の趣のある表情が現れました。
甲和土とは、当工房オリジナルの陶土で、東京都江戸川区小岩の工房敷地内を掘削して採取した粘土層を精製して作った陶土です。
陶土・釉薬 径13㎝ 高さ7㎝


紋花彩泥掻落 飯碗(赤)【林理子/陶芸】

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赤に線刻で施した花模様と、ドット、ストライプがリズミカルで楽しい中にも、渋さがあるごはん茶碗です。
ろくろ成形後に、外側は赤・水色・甲和土の化粧土で彩色した後、乾かない内に模様を線刻する、掻き落としの技法で模様を入れています。
見込みにも縁取りを外側と同じ赤い花模様を施すことで、とても華やかでありながら、落ち着いた青の発色が綺麗なごはん茶碗になりました。
外側の下半分は、甲和土を化粧土に使用し焼き締めにすることで、甲和土独特の趣のある表情が現れました。
甲和土とは、当工房オリジナルの陶土で、東京都江戸川区小岩の工房敷地内を掘削して採取した粘土層を精製して作った陶土です。
陶土・釉薬 径12㎝ 高さ6.5cm


人形

瀬をはやみ・・・ 【新倉 綾子/人形】

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昨年、新たな元号が【令和】になり、万葉集が見直されました。
百人一首の中から77番目の崇徳院(すとくいん)の和歌
“瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ想ふ”
から、二人の立ち人形を作ってみました。
桐・桐塑 20cm×17cm×33㎝


一葉日記より“だるまの足”【新倉綾子/人形】

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樋口一葉の生活を人形にしてみました。
一葉は大変洒落好きな人で、自分の生活を“だるまの足”と云って楽しんでいました。
だるまには足がありません。
“お足がない”=“お金が無い”という洒落です。
自身の本が売れた時には借金を返し、仕立て物をして、生活費に充てていたそう。
一葉は24歳の若さで亡くなりましたが、苦労の日々を一生懸命に生きた方です。
そんな一葉の普段の生活を想像して作りました。
桐 幅17㎝×15㎝×18㎝


木目込み人形 干支 丑(祝い丑)【新倉 綾子/人形】

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2021年の干支「丑」のかわいらしい木目込み人形です。
「牛」は古くから食牛や乳牛、耕牛と呼ばれ酪農や農業で人々を助けてくれる存在として重要な生き物でした。勤勉によく働く姿が誠実さを象徴しています。
桐疎・縮緬 約15cm×7cm×高さ12.5cm(人形のみ)


木目込み人形 干支 丑(流星)【新倉 綾子/人形】

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2021年の干支「丑」のかわいらしい木目込み人形です。
「牛」は古くから食牛や乳牛、耕牛と呼ばれ酪農や農業で人々を助けてくれる存在として重要な生き物でした。勤勉によく働く姿が誠実さを象徴しています。
桐疎・金襴 13cm×7cm×高さ12cm(人形のみ)


能面

増女 【平岡 笑子/能面】

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増女(ぞうおんな)は増阿弥によって創作された女面です。気高く神聖な女性のイメージで、愁いを含んだ引き締まった顔立ちが特徴です。天冠下と呼ばれることもあり天女・女神に使用されます。
桧 幅14cm 縦22cm 高さ8.5cm


神体 【平岡 笑子/能面】

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若い神をあらわした面。
目は銅板を打ち出して金メッキしたものを細く瞳の周りに入れています。
桧 幅15㎝ 縦21cm 高さ8.3cm



小面 【平岡 笑子/能面】

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一番ポピュラーな能面です。女性の面の中で、一番年齢が若い女性の面です。
桧 幅15cm 縦23cm 高さ7.5cm


若女【平岡 笑子/能面】

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観世流の専用面と言われていましたが、今はいろいろの流派が用いています。
小面よりやや年上です。
桧 幅15cm 縦23.5cm 高さ7.5cm


猩々【平岡 笑子/能面】

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猩々とは酒好きな中国の空想上の神獣のことで、お酒を飲んで、顔を赤くしている面です。
桧 幅16cm 縦22cm 高さ8cm


木工

六角皿 【鈴木 菊松/木工】

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台形6枚、三角形6枚の、それぞれ別に作った12枚の部材を組合わせて作った六角形のお皿です。
12枚の部材はそれぞれ木目の模様がしましま模様のようになっています。
その模様は、板の半分の厚さをノミでそぎ落とし、そこに薄い材を木目を互い違いになるようにはめ込り貼り合わせています。
表面を触っても、はめ込んでいることがわからない程に綺麗に鉋(かんな)掛けされ、裏側には補強の為に更に向きを変えた別の部材を嵌め込んでいます。
また、六角形を構成するそれぞれの側面部材の合わせ部分には、更に小さな別の材を嵌め込み、強度を出しています。
強度を出すための工夫が、デザインの一部となっております。
秋田杉 直径22.7cm  高さ4.5cm


十二面体 【鈴木 菊松/木工】

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小さなひし形のパーツを5つ組み合わせた五角形の板、更にそれを取り囲む、五角形の枠。
その部材を12面に張り合わせた、十二面体です。
360度を五角形で割ると、その中心角度は72度。少しで角度が狂えば、正確な五角形にはならず、また十二面体にもなりません。
高い技術と正確さ、仕事の丁寧さ、木材の特性を知り尽くした経験値、そのすべててを兼ね備えているからこそ作ることが出来る作品です。
いつも「ねぇ、菊松さん、どうやったらこんなすごい物が出来るの?!」と聞かれても、ふふふっと笑みを浮かべながら「う~ん、こうやってこうやって、やると何か出来ちゃうんだよな~」と、その技術を継承する弟子が居ないことが残念でなりませんが、近くでその技術を見えてもらえていることを嬉しく思います。
秋田杉 10㎝×10㎝×10㎝


引出箱 【鈴木 菊松/木工】

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大きな引き出しと同じ作り方を再現し、小さな引出箱を作りました。
全ての制作を手作業で行い、鋸(のこ)と鉋(かんな)だけを使用しています。
鉋は数種類を使い、粗いものから細かいものまで順に、数種類の荒しこ鉋・中しこ鉋・仕上げ鉋を使い分けています。
鉋名人の真骨頂ともいえる技術が随所に現れ、引き出しは上下逆さまにしてもす~~っと入るのは、寸分違わぬ鉋掛けの技術あってこそ。
また一か所の引き出しを閉めると、他の引き出しがす~~と開きます。これも鉋掛けの精度が高い為、中の空気が他の引き出しを押し出しているのです。
鉋掛けの技術のみならず、底部隅を小さな材で補強していたり、すべての角を取るように隅々まで面取りが施されていたりと、1つの作品に沢山の技術がちりばめられている逸品です。
桐、枠部分は桑(くわ) 
10.8cm×12cm×14.5cm(奥行きは引き手を入れると12.5cm)


雫(しずく)ステッキ 【高橋 英雄/木工、銘木ステッキ】

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手許の材料は花梨瘤杢(かりんこぶもく)で、花梨の木の地中に埋まった根本の一部からしか採取できない瘤杢の事です。
杢は複雑に交差する木目が織りなす様々な紋様は、自然の生んだ造形美と言え、昔から高級工芸品の材料として人気です。
その花梨瘤杢を木工轆轤(もっこうろくろ)に挟み込み、覆輪加工を施し、雫をイメージして、手許を加工しました。
棒の材料は、縞黒檀で銘木として古くからよく知られ、材質は非常に緻密で重く堅い木です。
その緻密な木質と表面の艶を生かして、エッジの効いた花梨と黒檀のステッキとしました。
手許/花梨瘤杢(かりんこぶもく) 棒/縞黒檀(しまこくたん)
全長94㎝ 手許幅3.5㎝ 手許長さ6.5㎝


靴べら 【高橋 英雄/木工】

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本紫檀(ほんしたん)・牛革
幅4㎝ 長さ23㎝(木の部分のみ・ストラップ含まず)

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本紫檀(ほんしたん)・白蝶貝 幅4㎝ 長さ12㎝

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本紫檀(ほんしたん) 幅3cm 長さ15㎝

靴紐を解いて踵を滑らす。
人としてのしぐさには、その人の生まれ育った背景と環境、そしてその人自身のものの考え方に出ると云われています。
社会との関わるの有る人である以上、そう云った仕草を助けるべく、本紫檀で靴ベラを作りました。
本紫檀とは、中国・インドからの輸入材で、平安時代の中国からもたらされたものです。
木材を用いて、小机や文箱などが作られており、正倉院御物に、多くの優れた製作が見られます。
和材の堅木としての気乾比重が0.6~0.9に対して、唐木といわれる紫檀の気乾比重は1.09となり、水にも浮きません。
その堅いとされる本紫檀を削り、磨くことによって足入れの良い靴ベラにしました。


木彫

七福神 【石井 恒夫/木彫】

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七福神をモチーフにした、木彫レリーフ・欄間
レリーフ部分は、桜(堅木)を使用し、枠部分はせんの木を使用して制作しましあ。
図案を元に、無垢材にノミを使い、20mm程の幅の広いのみから、仕上げは1mm程のちいさなノミまでまで数種類の異なるノミを使い、荒彫りから仕上げまでを行っています。
彫り始めから完成まではおよそ10日間。
枠にはくぎを使わずにはぎ合せてあります。
木彫部分は無塗装仕上です。
桜(レリーフ部分)・せん(枠) 120cm×4cm×29cm


恵比寿・大黒天 【石井 恒夫/木彫】

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桧の角材からたたきノミを使い、細かな下書きなどはせずに輪郭取り・荒彫りを繰り返しながら全体の形を作り、細部まで、数種類のノミを使い仕上げていきます。
ノミは1mm~20mm程の刃のサイズが異なるものを使い分けています。
木彫で一番大切な、最後に施す細かな表情の作り込み、特に“目”を入れる作業が大切です。

恵比寿:25cm×11cm×16cm 大黒天:26cm×11cm×16cm


ほおずき ストラップ・根付 【石井 恒夫/木彫】

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ほおずきをモチーフにしたストラップ・根付です。
ほおずきは昔から、無病息災を願った縁起物とされています。
桧(ひのき) 全長約10.8cm ほおずき部分約1.5cm×1.2cm


ふくろう ストラップ・根付 【石井 恒夫/木彫】

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古くから、縁起物として人気のふくろうをモチーフにした、ストラップ・根付です。
福来郎=福が来るや、不苦労=苦労しないなどの縁起の良い当て字があてられ「福が来る」「苦労がない」などを願った縁起物として、以前からふくろうのグッズを収集する方が多いものとしても知られています。 また夜に目が聞く、夜目がきく、から転じて「世間に明るい」という意味もあるようです
桧(ひのき) 全長約14.2㎝ ふくろう部分約5㎝×約2.5㎝×厚み約1㎝


表装

色紙掛け 画共 【笹谷義則/表具(表装)】

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床の間が少なくなった現代、様々な建築様式に合って気軽にお楽しみいただける掛け軸を制作してみました。日本の壁とも、西洋の壁とも合う、モダンなデザインの掛け軸に仕上がりました。
お手持ちの絵や、お気に入りの色紙などと取り換えながら、様々な表情を楽しむ、いわば西洋の額のような楽しみ方をしていただきたい。お子さんの描いた絵を飾っても素敵だと思います。そんな想いを込めて制作した掛け軸です。
※色紙つき
布(裂地) 幅33cm 長さ120cm


色紙掛け 碧 画共 【笹谷義則/表具】

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床の間が少なくなった現代、様々な建築様式に合って気軽にお楽しみいただける掛け軸を制作してみました。掛け軸のデザインは女子美術大学の柴野有希さんによるものです。日本の壁とも、西洋の壁とも合う、モダンなデザインの掛け軸に仕上がりました。
お手持ちの絵や、お気に入りの色紙などと取り換えながら、様々な表情を楽しむ、いわば西洋の額のような楽しみ方をしていただきたい。お子さんの描いた絵を飾っても素敵だと思います。そんな想いを込めて制作した掛け軸です。
※色紙つき
布(裂地) 幅33cm 長さ120cm


ブックカバー【笹谷義則/表具】

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表具の技を活かして制作したブックカバーです。
伝統模様や可愛らしい模様の裂地を和紙で裏打ちして仕上げていますのでしっかりした強度があります。
手に触れるカバーの表面はしっかりと手にフィットすることが、特徴です。 遊び心のあるブックカバーを是非お試しくだい。
布・和紙・糊 拡げたサイズ:20cm×14cm (文庫本サイズ)















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