カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜新宿編〜 第1話
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カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜新宿編〜 第1話

この記事は何?

・写真を撮ることが好きな素人が、プロの写真家・和田剛さんと街を歩き、撮った写真を見ながらプロからアドバイスをもらい、カメラの腕を上げてしまおうという連載。

対象読者は?

・写真撮影が上手くなりたい!と思っているカメラ初心者。
・プロは何を考えて写真を撮っているのか興味がある人

すっかり更新が遅くなってしまいました!前回は浅草でしたが、今回は浅草と同じくらい人気のある街、新宿です。

新宿といっても色々なエリアがあるので、今回は西新宿〜新宿中央公園あたりにフォーカスを当てたいと思います!

撮影の概要

・【場所】新宿駅、新宿中央公園、都庁、西新宿
・【日時】5月のとある日の午後1時
・【天気】雨の初春


撮影場所の詳細

今回の撮影地は、以下のエリアを中心にお届けします。

1)コクーンタワー、東京都庁周辺(赤いエリア)
2)新宿中央公園エリア(青いエリア)
3)新宿アイランドタワー周辺(黄色のエリア)

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設楽:
今回は私も和田さんも馴染み深い街、新宿にやってきました。新宿といえば歌舞伎町や御苑や、サザンテラスなど色々写真映えしそうなエリアがたくさんありますが、今回は西新宿にスポットをあててみました。

和田:
よろしくおねがいします。前回までは50mmのレンズを使っていましたが、今回から40mmのレンズを使っています。レンズが変わったことで、また表現が変わってくると思うので、そのあたりも注目してみてください。

都庁を撮る

設楽:
さて、新宿の1回目は上の地図の赤いエリアあたりの話をしようかなと思いますが、今回は時系列を気にせずに、気になった写真の話からしたいなと思っています。

このエリアで特徴的な建物と言えば、やっぱり東京都庁とコクーンタワーですよね。ということで、まずは東京都庁の写真から、プロと初心者の撮影の違いを見てみましょう。

まずは設楽の撮影した写真がこちらです。

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まあ、都庁だよね……。という当たり障りのない感じの一枚ですね。

都庁は東京都民には馴染み深い建築物ですが、実は丹下健三さんによる設計で、よくよく細部を見ると、すごく凝った作りになっていたり、近くでみるとものすごい迫力なんですが、その魅力が全然伝わってこないんですよね。

ここで和田さんの撮った写真と比べてみます。

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都庁って、よくあるのは、正面から撮影された写真だと思うのですが、この角度で見ると、幾何学模様の美しさがよく表現できてて、あれ、都庁ってこんな綺麗な建物なんだっけ!?っていう発見がありますよね。

和田:
これは確か、新宿中央公園に行く途中の歩道橋から撮影した一枚なんですが、あんまりこの角度から都庁を見たことがなかったんですね。
このアングルから見た時に、やっぱり都庁って作りがよくできてるな、と思って撮ったんです。

設楽:
一般的な都庁のイメージって、いわゆる2つの大きなビルが正面からドーンと写ってる写真だと思いますが、この角度でみると重厚感がすごいですね本当に。この写真を見てあらためて、対象物をどんなアングルで捉えるか、ということがとても大切なことに気づきます。

【ポイント】
その建物をどう切り取れば、特徴を捉えられるかを考えて構図を決める

和田:
これは曇りの日だからよく撮れた一枚と言えるかもしれないです。もし晴れていると、ビルに影がかかってしまい、この建物の特徴の一つである、組木のような模様がここまで特徴的に出てこないんですよね。
こういう幾何学的な模様は、花曇りの空よりも、こういう雨の日の曇天の天気の方が綺麗に撮れますね。晴れていたらこういう写真は撮れません。

設楽:
これ、都庁で特徴的な2つのビルが写ってないので、「これどこですか?」って聞かれても、ぱっと都庁って言える人少ないと思うですよ。それがこの写真の異空間さ?不思議な世界観を醸し出してていいですね。

和田:
曇りだから気づいた、丹下健三のアーキテクチャーのすごさを撮ることができた一枚だと思っています。確かこの建物はバブル期に建てられたはずなんですが、細かいところまでこだわりがすごくて、当時の豊かさを象徴した建造物ですよね、こうやってあらためてよく見ると。

設楽:
今回、和田さんはレンズを50mmから40mmに変えたそうですが、撮影している時にどういう部分が違いますか?

和田:
10mm広がることで、視野が広がったのですが、広がったことで写したい対象が何であるのか?を整理しないといけないので、50mmで撮る時と同じように、前後に何歩か動いて色々な構図を試しています。

設楽:
レンズを選ぶコツを教えてもらいたいんですが、スナップ撮りに出る時って、荷物のこと考えると、レンズを何本も持っていかないで1本に絞って出ることが多いんですが、もし複数の単焦点を持っていたとして、どのレンズを選んで出るか?みたいな、レンズ選びのコツがあったら教えて下さい。

和田:
また難しい質問ですね(笑)。一つ考えられるのは、今日はどういう場所に行くか?という前提に立って、長いレンズを持っていくべきか短いレンズの方がいいのか?を決めるという方法がありますね。

例えば、行く場所に20畳のリビングある所と6畳の部屋がある所では、後者の部屋がある場所なら短いレンズを持っていった方がいいでしょうし、20畳くらいの部屋だったら50mmを持っていったほうがいい、というのはありますね。

外の場合で考えてみても、たとえば路地や雑踏を撮りたいのであれば、長いレンズよりも35mmとか28mmのレンズを使ったほうがいいですし、抜けがいい風景が撮れる海とか公園だったらもう少し長いレンズでもいいですしね。

設楽:
調べられるなら、自分が行く場所にどういうものがあるのか?を考えてそこから逆算してレンズをチョイスすることが大切、ということですね。とても参考になりました。

【ポイント】
レンズ選びのために、行く場所に何があるかをリサーチする

コクーンタワー

設楽:
ランドマークつながりで、次は西新宿の象徴的な建造物であるコクーンタワーの撮影についてのお話です。コクーンタワーは、こんなのを撮りました。

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実はですね、私あとから気づいたのですが、ホワイトバランスを間違えて、室内で撮った設定がそのままになっていて、「蛍光灯」のホワイトバランスになっているのを気づかずに、新宿編の途中まで撮影していました(笑)。
なのでこの写真も、なんだか青っぽくなってしまっているんです。

和田:
ホワイトバランスの話は置いといて、この写真は構図的にはとてもいい写真ですね。手前の三角屋根が3つあるのと、その後ろに丸い屋根、そして背後にコクーンタワーという構図にすることで、コクーンタワーに目が向かうようなパースになっているのがgood pointです。

設楽:
確かに、それは全然意識してませんでした(笑)。コクーンタワーって形や模様がすごく特徴的な建築物ですが、こういう被写体を撮る時に意識してることがあったら教えてください。

和田:
こういう特徴的な建物は普通に撮っても他の建築物と差別化できますが、たとえば周囲の建築物を構図に入れないで、単体で入る構図を探すのもいいですね。空抜けで狙ってもいいです。

それでもいいですが、周りの建物と比較して特徴的な建築物なので、周囲のいわゆる普通の建物を入れることで、コクーンタワーの独特さがより強調されます。なので設楽さんのこの写真は特徴を表現できてていいですよ。

設楽:
ありがとうございます。こういう特徴的な建築物を和田さんはどういう風に撮ったんですか?

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和田:
これなんだけど、僕にはコクーンタワーが地面に刺さっているように見えたんですね(笑)。だからこんな写真を撮りました。

設楽:
確かに刺さっているように見えますね。しかも全体が写ってなくても、コクーンタワーってわかります。
私の場合、こういう建物を撮る時にどうしても全体を捉えようとしてしまうんですが、そうしなくても特徴を掴めば全体を入れなくてもその被写体のいい部分って表現できるんですね。
しかしこうやってみると、全然ホワイトバランスが違うな(笑)。

和田:
ホワイトバランスを間違えてしまった話ですが、まずは後からrawデータで補正するという方法があります。ただ日頃からrawで撮影するという習慣をつける必要があります。
あとは、撮ってる時に気づけるように、液晶できちんと確認することですね。基本中の基本ですが(笑)。
写真の良し悪しというのは、明るさ(適正露出)と色で決まります。この2つが写真の質を決める要素なんですね。
私が思うに、さっきの設楽さんの撮ったコクーンタワーは、決して失敗ではないと思いますよ結果的に。こういう青っぽい作品ということにすれば、これはこれでアリだと思います。
多分「ホワイトバランス失敗しました」って言わずに誰かに見せたら、ああ、設楽はこういう色を表現したいんだな、って思うでしょうし(笑)。

設楽:
なるほど、でも私はこの色は意図しておらず単なる失敗なので(笑)、本当は和田さんの撮ったコクーンタワーの色みたいなのを狙っていたんです。これからは色にも意識して撮影しようかな。ホワイトバランスもオートでやっていましたが、これからマニュアルにもチャレンジしようと思います!(続きはこちら

【プロフィール】

和田 剛│フォトグラファー
旅行と温泉が好き。
写真をまなぶ人のオンラインスクール「good! studio」主宰

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設楽幸生/Sachio Shitara
編集者。1975年東京生まれ。週末カメラ片手に飲み歩くのが趣味な、写真の素人。Twitterやってます。

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半蔵門と調布あたりで働く、編集者のおはなし

東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ

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上智大学英文科卒→書籍編集約20年→(株)FOLIO で金融関係の記事編集。フリーの編集&ライター。editorial+programming+financeに明るい編集者になるためRuby、HTML、CSS、JS、SQL、Python、Rを勉強しているプログラミング初心者。