カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜新宿編〜 第2話
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カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜新宿編〜 第2話

この記事は何?

・写真を撮ることが好きな素人が、プロの写真家・和田剛さんと街を歩き、撮った写真を見ながらプロからアドバイスをもらい、カメラの腕を上げてしまおうという連載。


対象読者は?

・写真撮影が上手くなりたい!と思っているカメラ初心者。
・プロは何を考えて写真を撮っているのか興味がある人。


撮影場所の詳細

今回の撮影地は、以下のエリアを中心にお届けします。

1)コクーンタワー、東京都庁周辺(赤いエリア)
2)新宿中央公園エリア(青いエリア)
3)新宿アイランドタワー周辺(黄色のエリア)

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前回は、東京タワーや都庁周辺のエリアで撮った写真の話でしたが、今回は上の地図の青色のエリア、新宿中央公園を散策した話をレポートしたいと思います。

新宿中央公園は、大都会のど真ん中にある憩いの場所という感じで、当日は決して天気が良くなかったのですが、緑を楽しむ人達がたくさんいました。

設楽:
さて、新宿中央公園に来ました。ちゃんと全体を俯瞰したことなかったんですが、意外と大きいんですね。しかも最近リニューアルしたのか、オシャレなカフェなんかもあります。
新宿中央公園って、昔は治安の悪そうなイメージを持っていましたが、家族連れもたくさんいて、爽やかな公園になりました。

スクリーンショット 2021-07-04 7.22.26

新宿中央公園は、色々な花が咲いていて、今回は花をどうやって上手に撮るかという話を中心にお届けします。
ということで、早速僕が撮った一枚なんですが、これはホワイトバランスがおかしい結果、なんか変な色になってしまったんですね。本当はもっとピンクが鮮やかだったんですよこの花は。

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同じ場所じゃないですが、ピンク系の花の写真を撮った和田さんのこの写真と比較すると、全然トーンが違いますよね。

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和田:
確かに全然違いますね(笑)。でもポイントは、比較して見てるから全然ちがうけど、比較しなかったら、言われないとわからないですよこれは。色のトーンは置いといて、写真としては設楽さんの撮ったのはなかなかいいですよ。

いいポイントは、雨のしずくが写っている点ですね。花がテーマの写真もそうですが、しずくが写り込んでいると、写真って活き活きすることが多いんです。

設楽:
それで、このあたりで私はホワイトバランスが間違っていることに気づきまして(笑)、直して撮影をしたんですが、全然花の色が変わったんですよね。

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ここで和田さんに聞きたいんですが、花を撮る時に、こうやって花が沢山まとまっている構図ってよくありますよね。こういう時って、どこにピントを合わせるのがいいんですか?

花って一つ一つの花弁が顔みたいになってますよね。ということは、どこかにピントを合わせなくてはいけないと思うのですが、どこにピントを合わせたらいいのかわからないんですよ。

例えばさっきの和田さんの写真を再び出しますが、これって手前の花にピントが合ってますよね。でもこれって右奥の花でも左上の花にピントを合わせてもいいと思うんですが、なんで手前の花にピントを合わせると決めたんですか?

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和田:
確かにそうですね、たとえば右奥の花にピントを合わせるのであれば、もう2,3歩寄らないと気持ち悪い絵になってしまいますね。もうちょっと寄って、今ピントが合ってる花たちが前ボケで入ってくるような構図にすると、いい絵になるかもしれません。

ピントが合っている場所って、言い換えるとその撮影者が写真を見る人に一番見て欲しい場所ですよね。ピントが合っている場所というのは、そこに視線を誘導させることが目的です。

この写真で、もし右奥の花にピントを合わせるとしたら、そこに目線がいくように、もう少しこの構図の真中あたりに右奥に視線を向かせるような助けが欲しいところですね。もしくは、右奥の花をもう少しセンターに持ってくる構図にしないと、どことなく見る人が不安になるような構図になってしまいますね。

ちょっと話が脱線しましたが、設楽さんのこの写真、今設楽さんは「置きシボ」で撮影していると思うのですが、ちょっと絞りを変えて、たとえばF11ぐらいまで絞って撮影すると、もうちょっと全体的にピントが合った絵になり、それはそれでいいかもしれません。

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もしくはもう少し自分が二、三歩後ろに下がった位置から撮ってみるとまた違った絵になりますよね。
今のままだと、見る側が「どこ見ればいいんだろう」というちょっと不親切な感じになってしまっているのが、惜しいところです。

【ポイント】
同じ構図でも、F値を変えてピントが合う場所を変化させてみる

設楽:
なるほど、絞りってそうやって使うんですね。全然知らなかった(笑)。今度意識して使ってみます。
話は変わりますが、個人的にこのエリアで好きな和田さんの写真はこれなんですが、これは完全に何か物語性を狙って撮りましたよね?

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こういうご時世で、公園に来る人も前より少なくなっているはずなのに、こうやって管理する人は日々花の手入れをしている……。みたいな物語性を強く感じた写真で気に入っています。

和田:
そうですね。これは新宿をずっと撮ってきて、今まで人が入ってこない構図ばかりだったじゃないですか。実際このご時世で人の出も少なかったですし。
そんな中で公園に入ってきて、ちょっと有機的な感じで人を入れた写真を撮りたいなと思って撮った一枚ですね。
あと、この人の作業着が、背中にSTAFFって書かれててどことなくニューヨークの消防団みたいでかっこよくないですか?(笑)彼はこの仕事にプライドを持って取り組んでいるんだなーと感じたりもしていました。

設楽:
一枚の中に色々な物語性が含まれるって、やっぱり写真は面白いですね。

さて、この公園で、一箇所僕と和田さんが似たような構図を撮った箇所があります。まず僕が撮ったのがこちらです。

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そして和田さんが撮ったのがこれ。

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和田さんの写真の方が手前の二人を起点に、コクーンタワーまでの奥行きが出てて迫力がありますよね。

和田:
これ縦位置で撮影したんですが、空抜けが撮りたかったんですよね。あとここって、ちょっと地上より高いところにあって、しかもここから見える景色って、西口の超高層ビル群の中で、遠くのコクーンタワーとか駅前まで抜けてるじゃないですか。
これを見ると、新宿中央公園って西新宿エリアの一丁目一番地的な存在意義があるのかなって思いますよね。

でも設楽さんの写真も、左側にスペースがあって、コクーンタワーまでの奥行き感も出ているので悪くないと思いますよ。残念なのは手前の茶色い柱が入っているところかな。これは無くてもいいですよね。

設楽:
あーたしかに……。この写真って恋人同士だと思われる二人に視線を向かせたいので、手前の茶色い柱は邪魔しちゃってますね。

しかしこの構図はいいですよね。雨の中で二人が1本の傘さして座ってて……。こんな雨だけど、逆にそれが二人の距離を縮めてる感が出ていて映画のワンシーンのような構図だと思いました。


和田:
そうですね、物語性という意味でいうと、設楽さんの構図の方が左側にスペースがあり、この二人の「出口」のように感じるので、これから二人は買い物して帰るのだろうか? ご飯でも食べに行くのだろうか?みたいなことを想像したくなる構図になっていると思いますよ。

設楽:
そういう発想はなかったです(笑)。なるほどーー。写真を撮る時に「余白」を意識して構図を決めることって大切なんですね。

【ポイント】
余白を意識して撮り、主題を立たせてみる

次回は西新宿最終回です!

【プロフィール】

和田 剛 フォトグラファー
旅行と温泉が好き。
写真をまなぶ人のオンラインスクール「good! studio」主宰

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設楽幸生/Sachio Shitara
編集者。1975年東京生まれ。週末カメラ片手に飲み歩くのが趣味な、写真の素人。Twitterやってます。

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半蔵門と調布あたりで働く、編集者のおはなし

東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ

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上智大学英文科卒→書籍編集約20年→(株)FOLIO で金融関係の記事編集。フリーの編集&ライター。editorial+programming+financeに明るい編集者になるためRuby、HTML、CSS、JS、SQL、Python、Rを勉強しているプログラミング初心者。