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「私には関係ないから」と思ってる人ほど、プログラミングを学んだ方がいい理由って?(後編)

誰が課題を発見するのか?

前回の記事で、

「プログラミングを始めようか、どうしようか?」

悶々と悩んでいる中で、量子コンピューターを研究されている、慶應大学大学院の鹿野先生の取材をさせていただく機会があった、というお話があり、そこでメッチャ痺れる話を聞いた、というお話をしました。
(ご興味ある方はこちらをご一読ください!)

さて、それはどういう話だったのか?

私はその鹿野先生にお会いするまでは、世の中ある様々な便利なモノやサービスというのは、基本的にムッチャクチャ頭のいい科学者とか、エンジニアが問題を見つけ、課題化しているもんだと思っていました。

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そして、そんな課題や問題をブレイクスルーするには、どういう技術をつかって、どんな方法で解決するのか?ということも含めて、0から100まで科学者はWEBエンジニアがやってるものだと思っていたんですね。

ところが、鹿野先生は、

「世の中には、『自分は文系人間で、機械のことはよく分からない』という声を発する人がいますよね。でも、私は逆に『理系の人間には、コンピューターが解くべき問題を発見する役目は果たせないのではないか?』と考えているんですよ。

なぜなら、僕みたいな科学者は、何が問題かを発見するより、目の前にある問題を解く方が得意だからなんです

なんてことを言うんですよ。

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さらに鹿野先生は、こんなことも言っていたんです。

「大切なことは、日々生きている中で『この問題は、コンピューターの力を使って解決出来ないだろうか?』という意識を、常に持ち続けることなんです」

と。

これにはでも訓練が必要で、
『物理が苦手』
『私は理系じゃないから』
『数学はちょっと』
『コンピューターは無理』
というバイアスを持って、最初から遠ざけないで欲しい。
そうではなくて、

『こんなことができたら、日々がもっと楽しくなるんじゃないか?』
『よくわからないけど、コンピューターを使ってこういうことができたら面白いのではないか?』


そんな気持ちを持って行動することが大切です、みたいな話をしていたんですね。

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そして最後に、

「ここで大切になってくるのが、多くの一般の人のアイデアと、コンピューターの専門家であるWEBエンジニアや、プログラマーをつなげる人がもっと出てくるようになればいいな、と思っているんです。

技術者には見えないけれど、一般の人には見えている課題というものは、世の中にたくさん転がっていて、それを発掘して、課題を解決すると、もっと面白い世界になるんじゃないでしょうか?

とう話をしてくださったんです。

そこで私は閃きました。

これだ、と。

私はコンテンツの編集を生業として生きています。

編集の仕事というのは、読んで字の如く「編んで、集める」のが仕事です。

何を編んで集めるかというと、それは情報であったり、問題や課題やその解決法であったり、人間の欲望や業や、美しい部分や汚い部分をカタルシスあふれたドラマに仕上げることであったり、色々です。

そんな編集者が、市井の人のアイデアや考えと、科学者やエンジニアの人たちの橋渡しになれば、もっと面白いことができるんじゃないかな、と。

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そのために必要なのは、エンジニアやサイエンティストたちの考えていることを理解して、共通言語を持たないといけない。

そんなことを考えて、ついにプログラミングを学ぶという決意をしました。

でもプログラミングなんて、44年間見たことも聞いたこともありません。

そんな私がまずは何をしたのか?

次はその辺りのお話をしたいと思います。
(続く、今回は真面目すぎた)


東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ