カメラ片手に、プロの写真家と散歩した話〜飯田橋・神楽坂編〜 第1話
この記事は何?
対象読者は?
撮影の概要
撮影場所の詳細
今回の撮影地は、以下のエリアを中心にお届けします。
前回の上野編からちょと時間が経ってしまいました。
今回のカメラ散歩は、再開発が進む飯田橋駅から、路地裏の名店が立ち並ぶ神楽坂を中心にお届けしたいと思います。
坂道や裏路地の多いこのエリアで、どんな写真が撮れるのでしょうか?
設楽:
今回も面白いエリアが沢山ありましたね。神楽坂と言えばの路地裏とか、近代的なデザインの神社とか、魅力的な場所ばかりでした。
飯田橋・神楽坂の第一回は、路地裏中心にお届けいたします。
神楽坂は花街としてとても有名な場所で、今でも料亭などにその名残が残っています。古くから文化人や芸能人などがお忍びで通う名店も数しれず……。そんな風情のある路地裏で色々撮影しました。
和田さんにまず聞きたいのですが、路地裏を撮る際に気をつけていることがあったら教えてください。
和田:
そうですね〜実は僕は路地裏ってあんま好きじゃないんですよ(笑)。でも神楽坂の路地裏って面白いなと思ったのが、床面なんですよね。だから気になって、下を多く入れている構図が多かったです。
設楽:
確かにそうですね。床の石畳を入れている構図が多いですね。こういうある風景の特徴を捉えて、それを活かしてフレームに入れるっていうのは素人にはなかなか難しい判断です。さすがとしか言いようがない……。
私が和田さんの写真でいいなと思ったのが以下のような写真で、路地裏っていいなと思う特徴の1つが、「その先に何があるんだろう?」とワクワクするようなところなんですが、それがとてもよく表れていているなと思うんです。
和田:
そうですね、路地裏って、その先には何があるんだろう?って写真を見てくれている人が考えちゃうような魅力とか面白さがありますよね。
路地裏は狭いので、敢えて横位置でなくて縦位置で撮った構図が多いのですが、この異空間への誘いみたいな感じも縦位置のほうがよくでますよね。
ところで設楽さんはどういうのを撮ったんですか?
設楽:
僕はこういうのなんですが、消火栓を入れて奥行きを出して路地裏の面白さを表現しようとしたのですが、失敗ですねこれは。
和田:
こういう構図は僕も撮ったので、設楽さんのやろうとしていることはよくわかります(笑)。
こういう何かをモチーフにして、それを軸にして構図を考えるというのはとても大事ですね。この場合だと、もう少し消火栓に近づくといい構図になるかもしれないですね。あとはもう少し正面に回り込んで撮ってみても良かったかもしれないですねー。
まあ構図も大切ですが、それよりもこのようなモチーフを入れてみようという着眼点、これがとても大切なので、この視点は忘れないようにしてください。
こういうのを見つけるのって結構瞬発力みたいなものなんですよね。意識して何かを探そうとすると頭の中で計算がはじまるので(笑)、あ、これ気になるなって思った瞬間にカメラを構える訓練は大切だと思います。
設楽:
その文脈で言うと、和田さんが撮った写真でこういうのがあるのですが、これは何が気になって撮影したんですか?
和田:
まあこれは、なんで壁にこんな取っ手みたいなのがついてるんだろう?って思ったんですよね。これを撮った経緯なんですが、まずはじめに気になって全体を撮ったのが以下なんですよ。
それで、これを撮影してから、なんか取っ手にもっと着目したいなと思ってさっきのアングルでもう一枚撮ったんです。
設楽:
なるほど、たしかに後の写真よりも、前の写真の方が取っ手にフォーカスされていますね。プロセスがわかった気がします!
何か気になるモチーフがあったら、その瞬間にまずシャッターを切って、それ以外にどういう角度で面白く見えるのかな?というのを観察しながら撮影をするのって大切なんですね。
和田:
路地裏を撮る上でも「ミクロの視点」と「マクロの視点」を持って、時にはある一点のモチーフに目を向けてみたり、ある時は俯瞰的に路地裏全体を撮るように意識したりすること、これが面白い写真を撮るヒントですね。
設楽さんが撮った以下の2枚みたいに、光と影で路地裏全体の雰囲気を見せるのもいいし、路地裏の細長さを表現するのももちろんいいですね。
色々なレイヤーで路地裏を撮ることで、自分が感じた路地裏のイメージを伝えられるから、さっきお伝えした2つの視点を忘れないでスナップを撮るように意識してみてください。
設楽:
今回も勉強になりました。ありがとうございました。
(つづく)
【プロフィール】
この記事が参加している募集
東京都八王子市高尾山の麓出身。東京在住の編集者&ライター。ホッピー/ホルモン/マティーニ/アナログレコード/読書/DJ