世界はあたまのなかにある
うちにはシロクマのぬいぐるみがいる。
名前を「しろたん」という。
僕はこのぬいぐるみが生きていると思っている。
事あるごとに話しかけたり、僕が家を空けるときには寂しくないだろうかと気にかけたりする。
もちろん彼が実際に声を発することはないが、僕の脳内に直接語り掛けてくるのだ。
仕事に悩んだとき、妻と喧嘩した時、彼は僕の話相手になってくれる。
僕にとっての彼は友人であり家族なのだ。
いいおっさんが何を言っているのかとお思いだろう。
でも本当の話なのだ。
今や彼のいない生活は考えられない。
それほどまでに「しろたん」を僕は愛している。
さて、そこで今回のテーマ、「世界はあたまのなかにある」である。
話はむちゃくちゃ飛躍するが、ここで、お金について考えてみたい。
そうあなたのお財布にも入っているあのお金だ。
例えば1万円札。
あれは要するにただの紙だ。
製造原価を調べるとおよそ約22円ほどだそうだ。
22円で作った印刷物なのに1万円の価値がある。
(いやそもそも1万円ってなんだよという話もあるんだが、とりあえずそれはおいておいて)
まあよく聞く話で、1万円が1万円としての価値を持つのは
「みんながそれを信用しているから」
残念ながら、僕が真っ白な紙に1万円と書いても1万円の価値がないのは僕には信用がないから。
でも国がそれを発行すればそれなりの信用があるわけで、みんなもそれを信用するから紙幣として流通するということらしい。
だから、国がなくなれば紙くずになる。
崩壊した旧ソ連でもそれに近いことが起こったようだ。
また話を飛躍させるが、日本は存在するのだろうか?
「何を馬鹿な、日本は存在するじゃないか」というおっしゃる方が多いし、それに反対するわけではないけれど、
領土ということに限定して考えてみても、要するにあの日本列島という独特の形をした土地を日本だと信じる人がいるから日本があるだけなんじゃないだろうか。
事実それを認めない(信じない)近隣諸国との領土問題はずっとある。
こう考えていくと、お金とか国とか、あるいは会社とか宗教とか、世界を形づくっている概念のほとんどが、なんとなくみんながそう信じているからという、ふわっとしたものの上に成り立っているということにいまさらながらに気が付く。
さてさて、そこで「しろたん」だ。
僕は彼が生きていると思っている。
きっと、あなたはこのおっさんヤバいなとお思いだろう。
甘んじてその批判は受け入れるとして、
さて、それは、この世界の存在を信じていることとどれほどの違いがあるだろうか。
世界はあたまのなかにある。
だから、どうかみなさんも「しろたん」が生きていると信じてみてください。
きっと彼が喜ぶと思います。
そして僕も(笑)
イラストを使わせていただいたももろさんありがとうございました。
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