「書く」のは嫌いだが、しばらく書いてみようと思う
リスペクトする思想家で作家の近藤康太郎さんが言った。
「Lilyの本ならおれが書いてやるよ。もう自分のことしか書かないと決めてるけど、一冊だけ特別。おれが書く」
ほんまかいな、ご冗談を。というわけでもないのである。私たちはいつも、仕事と関係ない話ばかりしてきた。近藤さんはなぜかよく私の考えをおもしろがって、そのたび「それ、ちゃんと書いたほうがいいよ。おれが読みたい」と言うのである。さりげない、しかし、もう何年も続いていることだから助言なのだろう。「それはいややな」なんて言