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書籍:漫画でわかるバイオエタノール


【バイオエタノールの有用性】

「カーボンニュートラル」の達成
原材料:トウモロコシ・サトウキビ・サツマイモ・麦(糖を含む物質)
原料:糖質(ブドウ糖・ショ糖など)・デンプン・セルロース
燃料:バイオエタノール
活用:E10燃料(従来車・HV・PHVで使用可)、E85燃料(インディカー)、フレックス燃料車(FFV)

【原料別バイオエタノール製造工程の違い】

① 糖質
しぼり汁(サトウキビ・サトウダイコン)→発酵(酵母)→蒸留・精製
② デンプン
粉砕等(トウモロコシ・麦・居もなど)→糖化(酵素)→発酵(酵母)→蒸留・精製
③ セルロース
粉砕等(草や木など)→前処理→糖化(酵素又は酸)→発酵(酵母)→蒸留・精製

【温室効果ガス排出削減策の一つ】

ガソリンとバイオエタノールの混合利用

【エタノール及びe-fuel製造】

バイオ合成法と化学合成法をうまく組み合わせて、「石油資源を多く使うものづくり」から「バイオテクノロジーによるものづくり」へと転換させる

【トウモロコシエタノール発酵の生産物】

【バイオプラスチック製品】

・食品容器包装、レジ袋、ごみ収集袋
・衣料繊維
・耐熱食器容器
・プリンタのドラムのカバーなどのOA機器
・自動車の座席シートや自動車部品の一部

【全面的バイオマス原料プラスチック】

ポリ乳酸、変性澱粉など

【部分的バイオマス原料プラスチック】

PPT(ポリプロピレンテレフタレート)、ポリ乳酸の共重合体、酢酸セルロース系

【バイオエタノールの位置づけ】

2020年、世界の燃料用バイオエタノールの生産量合計約1億kℓ
→米国が53%(日本のガソリン消費量に匹敵)、ブラジル30%

原料
米国:飼料用トウモロコシ
ブラジル:サトウキビ

ブラジル
砂糖の国際需要がほぼ一定のため、豊作時には砂糖の値崩れが生じる→需要以上の余剰分とバイオ燃料とし、価格の安定化との相乗効果を達成

【バイオエタノール導入の歴史】

<米国>

米国1990年:Clean Air Act(大気汚染浄化法)
米国2007年:「エネルギーの自立及び安全保障に関する法律」制定
→RFS
→ガソリン消費量の10%相当をバイオエタノールにて代替

<日本>

日本2002年:「バイオマス・ニッポン供給戦略」策定
日本2009年:「エネルギー供給構造高度化法(高度化法)」制定
→原油換算50万kℓ/年のバイオエタノール導入
→2017年達成
50万kℓ/年=ガソリン消費量の1%強
→ほとんど効果がない
日本2021年:「バイオテクノロジーが拓く『第5次産業革命』」
・カーボンニュートラルLNG
・バイオディーゼル燃料
・ゼロカーボン・スチール
・カーボンリサイクル・コンクリート
日本2021年:エネルギー政策の基本的な方向(第6次エネルギー基本計画)
視点
① 気候変動問題への対応
② 日本のエネルギー需給構造の抱える課題の克服
重要
① S+3Eを前提としたエネルギーの安定供給
② 脱炭素燃料の確保
③ 非電力分野の脱炭素化

【用語】

S+3E:安全性(Safety)、安定供給(Energy Security)、安価(Economic Efficiency)、環境保全(Environmental Conservation)
SAF:Sustainable Aviation Fuel
RFS:再生可能燃料基準
カーボンニュートラル:脱炭素。バイオマスを原料にしたバイオエタノールを燃やして二酸化酸素が排出されても、植物の成長過程で既に吸収されている為、空気中の二酸化炭素の量はプラスマイナスゼロになるという考え方。
e-fuel:合成燃料。二酸化炭素(CO2)と水素(H2)を原料として製造する石油代替燃料。
BECCS:Bio-Energy with Carbon Capture and Storage
FT法:フィッシャートロプシュ。茎や葉を原料にした一酸化炭素と水素からエタノールを生産。
バイオ合成法:微生物や植物等を利用した化合物合成
化学合成法:化学工程を用いた化合物製造
バイオマスプラスチック製品:微生物によって分解される生分解性
全面的バイオマス原料プラスチック:バイオマスからつくられた原料だけを使用したプラスチック
FFV:フレックス燃料車。バイオエタノールを15%超混合したガソリンで走る代替燃料車

【参考HP】

①独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構


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