5分で読める 心理学専攻の大学生が話題の新刊要約してみた
こんにちは、エッジです
今回は心理学に直接関係ないですが、
イェール大学助教授の成田悠輔さんの「22世紀の民主主義」について要約してみました。
7月出版なのにもう15万部も売れてるみたいです。
https://www.amazon.co.jp/22世紀の民主主義-選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる-SB新書-成田悠輔/dp/4815615608#aw-udpv3-customer-reviews_feature_div
この本は一言で言えば
っといった感じで、現代の民主主義の限界を指摘た上で、解決策も提示しています。(合計250ページで)
ここからは本の内容について、詳しく書いていきます。
民主主義と資本主義
民主主義は全ての人に平等に政治への参加権を与える仕組みで、いわば弱者のための仕組み、
一方で、資本主義はお金を稼げる人が永遠とお金を稼げるような仕組みで、いわば弱肉強食の仕組み
この二つの仕組みは資本主義で生まれた弱者を民主主義で救うといういい感じのバランスをとっている。
民主主義の故障
とるはずですが、ここ20年でバランスが崩壊してきている。
右に行くほど民主主義の度合いが強く、
上に行くほど経済成長が大きい
円の大きさはコロナの被害の大きさを表しています。
このグラフを見ると民主国家ほど経済成長が低迷していることが明らかである。
これらの原因は、民主国家の経済がインターネットやSNSによって閉鎖的で近視眼的になってしまっている。
良くも悪くも注目を集めるような政治家が当選するようになり、長期的な効果ではなく、ぱっと見で目立ち、そこまで問題視されないような政策ばかりが行われる。
民主主義への処方箋
闘争
政治家
メディア
選挙制度
投票制度
これらの4つの要素を「いじる」ことを提示している。
具体的にはこんな感じ
政治家への長期成果報酬を導入
SNSの軽い規制
政治家の年齢上限
論点ごとの民主主義
票のシェア
電子投票
しかし、
既存の選挙制度で地位がある政治家がこれらの改革をするとは思えないですよね。
必要なのは選挙の再開発ではなく、選挙が必要であるという固定観念を忘れること
逃走
デモクラシー・ヘイブンとしての独立国家の可能性について議論する。
独立国家のレシピは
公海上にゼロから作る
小規模な自治体をジャックする
がある。
独立国家は資本が全ての超民主主義になる事が想定され、超お金持ちが専制をする可能性があるが、今の国家と違い、離脱が容易な仕組みにすれば、大きな問題にはならない。
しかし、既存の民主国家に貧者が取り残されるだけで、問題は解決しないよね。
構想
選挙なしの民主主義を作ろう!
無意識データ民主主義
三つの段階で無意識データ民主主義的な意思決定ができる。
日々の生活から民意データを収集し、
アルゴリズムで政策領域・論点ごとで大切だと思われている指標を見つける
アルゴリズムで政策決定する
メリット
論点・イシューごとで、多数派、少数派が逆転するため民意を反映しやすい
政策決定がリアルタイムで変更される
選挙では、政党の2択になる事が多いが、アルゴリズムを使って論点・イシューごとに政策決定をすれば、これまで埋もれていた民意を政策に反映できる。
アルゴリズムは昼夜に関わらず、動いているので、常に民意データから最適な政策決定を見つけ出し、政策変更・実行が可能になる。
デメリット
民意データという個人情報の取り扱いの問題
差別・偏見がアルゴリズムで増幅する可能性がある
民意データはさまざまな個人情報を含んでいるため、取り扱いに気をつける必要がある。
アルゴリズムの透明性を担保するために、アルゴリズムを公開する必要があるがその時に、個人情報が特定できないようにする必要がある。
人々の無意識的な差別や偏見が、アルゴリズムで集計されることによって、顕在化し、政策に反映されてしまう可能性がある。
政治家はネコになる
現在の政治家の役割は
調整者・実行者
マスコット・サンドバック
であり、無意識民主主義で調整・実行は、する必要がなくなるので、政治家はネコでも良くなる!?
責任は誰がとるのかという話になるが、そもそも今の政治家は責任取ってない。
まとめ・感想
要約していて思ったのですが、すでにこの本自体が要約みたいなものなので、かなり要素が詰め込まれていて、要約するのが大変でした。
Amazonのレビューで内容は東浩紀の「一般意志2.0」のパクリみたいだと書いていました。
この本は学術的というよりは、ポエムみたいなもので、なんとなく思ったことを書いたみたいな感じがしましたので、一般の人が民主主義について考えるいいきっかけになると言う点では、多少パクっていてもいいのかなと思いました。
この本で革新的なのは、データサイエンティストが直接、社会課題(民主主義)を考えて、解決策を提案していることだと思います。
これまでは、データサイエンティストは式をいじって、データ分析をするだけで、分析対象について深く考えることは少なかった印象ですが、
この本では、民主主義の問題点にも言及しつつ、具体的な解決策まで提案している(250ページで)と言う点では、すごく良くまとまっている本だと言えます。
大衆向けの本で、誰にでもわかりやすく書いた本なので、細かいところに突っ込みを入れるのは野暮な感じがするし、的外れ感があります。
自分的にはもう少し学術的な日本語の本を出してくれたら喜んで読むのにな〜って思いました。
成田チルドレンの方がたら仲良くなれるかもしれないです。
ではまた、
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?