カンケーを楽しむ、カンケーから育つ⑤

前コラムから、
「関係性」について思うところや、
自分が実践していることを
シェアしています。

「関係性」は人間が育つ「土」のようなもの。
よく肥えた栄養たっぷりの土壌であれば、
作物は自らすくすくと健康的に育ちます。

そんな「土」づくり、
「土」の手入れに
意識を向けることで
教師は直接教えることよりも
はるかに効果的に、
時間や労力をかけずに、
人を育てることができます、
そんなお話でした。

今回、重点的に話したいのは
「本音の交流」「自己開示」です。

関係性づくりは、まず
チームの「目的」や「ルール」を
約束事として決めることがスタートです。
ここに手間暇と時間を大いにかけましょう。

そして対話と議論の末に、
みんなで目指すべき
一つのゴールが定まったら、
そこからが本番!!
衝突と葛藤の日々が訪れます(苦笑)

だって、やっぱり
約束を守れないことはあるし、
目的を見失うことはある。
すれ違いや誤解、
チームメンバー一人ひとりの
個人的に抱える課題だってありますからね。
そんなに順風満帆になんていきません。
いくわけがない。

でも、
明文化した集団の約束事があると、
その摩擦やズレの修復が早くなります。

違和感が出てきたら
「あれ、おかしいぞ?」と
互いに確認し合うのです。

そのために大切なことは、
朝なり、練習開始なり、
その集団が活動を始めるタイミングで、
「目的」を確認し合うことです。

そして、「チェックイン」といって、
一人30秒〜1分の短い時間でいいから、
自由に発言させることを
僕はメンターから習い、
実践し、その効果を感じています。

「チェックイン」

これはチームビルディングの領域では
よく使われる言葉ですね。
僕は生徒に「雑談タイム」と説明しています。

雑談だったら、休み時間にできる!
・・・というわけでもありません。
たとえば、
クラスで隣同士の席に座っている子が
休み時間に話すかというと、
そんなことはないのです。

僕は集団全体の関係性を常に考えているので、
かなりの頻度で席替えを実施しています。
そうですね、2週間に1回くらい。
すると、
常に隣同士が
シャッフルされるので、
「チェックイン」の時間は、
普段あまり喋らない人とも
雑談する機会になります。

「チェックイン」での発言は
自由にさせています。
なにを話してもいい。
お腹すいた、眠いよー。
それも本音でしょう。
認めています。

つねにそういう自由に
おしゃべりする時間を、
はじめに設けて、
それを半年、1年と続けていくのです。

すると、どうなるか?
当たり前ですけど、
みんながお互いのことを
よく知るようになります。

その人のキャラクターや考え方、感じ方。
どんなことに喜ぶのか?
などなど。
そして、ここが一番のキモだと思っているのが、
「気持ち」を話しやすくなること。
すなわち、
本音の交流がスムーズになっていきます。

何を話してもいい、という
リラックスした空間は、
人がパフォーマンスを
最も発揮しやすい場です。

そういう雰囲気を
毎回の「チェックイン」によって、
醸成していくのです。

「約束」という「土壌」に、
毎日、毎日、その人達の「感情」を入れて
耕していくイメージでしょうか。

「チェックイン」は短くていい。
だけど、長く続けることが大切です。
最低でも半年は継続してください。
実施はラクです。
「はい、チェックインしてね。1分間!」
とタイマーで時間をはかるだけ。
ときには、盛り上がらない日もあります。
まあ、そんな日もありますよね。
それでも続けてください。
必ず集団の雰囲気が変わっていきますから。
全体のムードが柔らかく、リラックスしたものに
なっていったら、かなりいい感じです。

チームが目的に向かって活動していく過程では、
必ず衝突と葛藤がおとずれます。

でも、関係性が良好な集団内では、
その衝突と葛藤は、
苦しくありません。
不安じゃないし、
怒りも湧いてこなければ、
むしろ楽しいんです!
関係性さえできていれば、
うまく行かないことに対しても,
じゃあどうする?
こうしてみようか?
俺は◯◯だと思う。
いや、それはおかしいだろう、
そうかなあ、じゃあ、□□は??
などと、本音で、
なんでも話せるようになっている。

チームそのものが
建設的で創造的な集団に変化していくのです。

この感覚!!
この感覚が生まれてくるような
関係性を築けたら、
人はぐんぐんと成長していきます。

そのためには、
毎回スタートアップで「チェックイン」です。
これをお読みになっているあなたに
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!!

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