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田舎以上都会未満

大学進学を機に、地元を離れ一人暮らしを始め、
社会人になった今でも他府県に住む私だが、
地元を離れてから、地元の良し悪しが見えてきた。灯台下暗し的な感じだろうか。ちょっと違うか。

私の故郷は、田舎の都会である。
県名を言うと田舎だが、腐っても県庁所在地、県内では栄えているといった所だ。

地元に居ると、「目立つから、そんな奇抜な服はやめなさい」だの「メイク、派手なんじゃないの?」だの、よく言われた。
その度に純粋に「何がダメなんだろう?」と思いながら、服を変えメイクを落としたものである。
協調性の名の下、没個性が良いとされる環境がどうにもむず痒く、世間体を気にしなければならない事が、私はうんざりだった。

地元を離れ、都会に住んでみて思った事は、匿名性が心地よいという事だった。そりゃ県民府民の母数が違うのだから当たり前の話なのだが。
すれ違う人から、じっと顔を見られる事もなく(恐らく、知り合いかも?という既視感からの行動だと予測する)、自分の思い思いのメイク服装を、誰の目も気にせず楽しむことができる。
今はまだ、その匿名性に浸かっていたいなと思う。

地元が大好きな同級生も多い。きっと良い街なのだろう。私も嫌いではない。住みやすい街だと思う。とても。
毎日美味しいジュースを飲んでいると、ふと水が飲みたくなる事がある。私にとっての水が、ふるさとなのかなと思う。

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