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春の訪れと共に去りぬ


可もなく不可もない、思いの丈をつらつらと
センチメンタルに綴るだけになろうかと思います。オチのない話ですので、予めご了承下さいませ。

柄にもなく、恋愛などと言った話を始めようとしています。

就職を機に移り住んだ新天地にて、なかなか出会いのない日々の中で、1人の方と出会いました。
顔立ちが若く、勝手に歳が近いと思い込んでいましたが、実は自分よりひと回り近く年上だったAさん。
ぶっちゃけ、ファーストコンタクトでの第一印象はあまり良くなく、「チャラめの無気力系」という言葉がピッタリ。

初めて出会った時は、随分な年下にも関わらずズケズケと話しかけてしまいましたが、共通の趣味がきっかけで、その後、何度か会ううちに打ち解けて、プライベートでも2人で何度か遊ぶようになりました。
自分が元々後輩気質な事もあり、リードしてくれるAさんとはとにかく一緒にいて居心地が良く、年の差を感じさせないAさんと過ごす時間は非常に幸せでした。(なにより、Aさんの声が個人的にとてもどストライクでした)

ただ、やはりひと回り近くも離れていると、相手の知らない部分がかなり見え隠れしてしまうもので。
仕事・生活リズム・経験値などにおいて、自分との境遇や立場の違いなどを感じる事が増えてきました。
加えて、Aさんがあまり私的なことを話そうとしなかった事も、気になっていました。

電話でたわいもない話をしながら、寝落ちを見守ったり、普段無気力なAさんからは見られない笑顔が見られる事がなんだか幸せで、「この人とお付き合いしたいなあ」と思うのは自然な流れでした。


それまで細々と毎日とっていた連絡が突然途絶えたのは、つい最近のこと。
頻繁に来ていた電話もパタっと来なくなり
「自分、何かしたかな?」とぐるぐると思考を巡らせましたが、思い当たる節は全くなし。
強いて言えば、自分の転勤が決まった事くらい。

恐らく、自分の転勤を機に物理的に離れる事で、「このまま親睦を深めても先が見えない」と見切ったのだろう。
それにしたって、最後の言葉くらい言わせて貰ってもいいじゃないか。フェードアウトにも程がある。
と、半ば苛立ちを隠せないのは、自分がまだまだ子供だからなのだろう。

きっと向こうは、振り返る事もなく次に向かって進んでいるのだ。仕方ないと思う他ないけれども、白黒ハッキリつけたい性分の自分にとっては、なんとも後味の悪いお別れになった。

今日は年度末。明日からは真新しいスーツに身を包んだ、フレッシュな新入社員たちや、転勤を機に新たな地で生活をスタートさせる社会人の期待と不安が、街を埋め尽くすのだろう。

春は出会いと別れの季節とは、誰が言ったのか。なんだか、あっけない最後だったなあと。
自分の淡い恋心は、春の喧騒に掻き消されてしまった。

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