みなさんこんにちは。摂食障害オンライン相談室を運営する、元摂食障害の心理士、渡邉茜(わたなべ・あかね)です。
この企画は、当カウンセリングの卒業後を追う企画。
今回ご紹介する卒業生は、拒食から自力で回復された一方で、心にずっと不安を抱えたまま過ごされていたマキさん(仮名)。
2022年に一度カウンセリングさせていただき、たった一度でメンタルの改善が大きく見られたので、お話を聞かせていただきました。
課題/回復のアプローチ
■回復したのに、不安だけが残ってしまった
今回のマキさんは、「自力で拒食から回復したものの、心と体の不調を感じている」という相談でした。
まずは、今抱えている不安は「自信のなさ」からくるものであるように感じ、「今できていること」に注目することが大切だと考えました。
また、よくよく話を聞いてみると、ご家族の問題も抱えていたため、それに対する解釈も、いったん見直してみる必要性を感じました。
卒業1年後のインタビュー
【1】カウンセリングをうけようと思った理由
まず、YouTubeを見ただけで、これほどまでに回復できるものなのか!と、私はすごく驚きました。きっと自分に必要な情報を適切に解釈し、行動に落とし込むことができる賢い方なんだと思います。ただ、心のケアまでは、動画だけだとできないんですよね。勇気を持ってカウンセリングを受けていただいて本当によかったです。
【2】実際に受けてみて、カウンセラーあかねの感想
わ〜ありがとう!!!
【3】実際に受けてみて、症状・生活・価値観の変化
そうですね、最近よく私は強調していうようにしていますが「症状ゼロ」にこだわらなくていいということ。例えば、マキさんの場合は、きちんと毎日出社し、健康を維持できる食事を食べることができています。そこに、多少運動強迫があったり、食事のこだわりがあっても、「生活するのに困らない程度」まで回復したのであれば、まずは現時点の自分にハナマルをあげてもいいのではないかと思いました。
ご自身も書かれていますが、考え方が極端になりやすいので、どうしても自己否定的な考えになりやすいんですよね。でも、お話を聞いてみると、新卒で入った会社が合わないと感じてきちんと転職したり、今の職場の人間関係も良好だし、心から信頼できる友達もいる。意外とできていることはたくさんあったんですよね。だから、「今できていること」をきちんと認めることが心の安定につながると思いました^^
【4】実際に受けてみて、苦しかったこと
きゃ〜ありがとう!
【5】卒業を決めた理由(1回限りで満足した理由)
うんうん、自分の中で「これは病的な考えだな」というのをきちんと自覚できているからこそ、「今の自分は、病的な考えがない」ということに気づけるのだと思います。これはカウンセリング一回で気付ける気持ちではないので、私に出会う前からものすごく自分と向き合ってきたんだろうなという印象をうけました。
【6】卒業後の症状、体重、生活など
卒業後に、「生理が回復しました!」と連絡が来た時には、も〜うれしかったです!生理は一つの「健康」の証だから、自信持ってくださいね。
【7】カウンセリングを受けようと迷っている方に一言
彼女とお話しして、確かに摂食障害は食べることが怖い・食べられないという表面上の症状だけではないから苦しいんだということを改めて思い直しました。家族や社会に対し、過剰適応的に生きてきた結果、「自分の感情がわからない、自分の存在価値がわからない」という問題を抱え、それらが摂食障害の症状として現れただけなんですよね。だから、本当の意味での克服とは、自分の感情を取り戻し、自分の価値を感じながら生きられるようになることなんじゃないかと、彼女を見ていてそう思いました。
今回は、たった一回なのに、ここまで丁寧にお話を聞かせてくれてありがとう。また嬉しい報告でも、季節の挨拶でも、お待ちしています!これからもマキさんを心から応援しています。
■摂食障害オンライン相談室公式HP
■毎週月水金17:00〜YouTube
■著書「摂食障害のしおり〜ダイエット依存を卒業する5ステップ〜」
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