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学歴、友達、痩せた体。すべてを失ったからこそ、自分の人生を歩もうと思えた話

私は、心のままに生きられるになりました。

そう思えるようになったのは、回復の過程で「直感」を鍛えていったからだと推測しています。

以前いただいた、このマシュマロさんの問い。摂食障害克服のために必要な「本質的な問い」のように感じたので、前回から私の生き方についてお話しさせていただくことにしました。

自分に合う環境選びや環境づくりのお話をする上で一番大切なのは、「何が自分に合っているか」を知ることにあると思います。

そして、自分に合う環境を選んでいくためには「直感力」が必要です。

なぜ自分が大切だと思ったのかを、自分の経験からお話しさせてください。

何が自分に合っているかを知る

「何が自分にあっているかわからない」と思う人が大半だと思います。
私もそうでした。その原因を考えてみたら二つあるように思います。

原因1:他人の物差しで生きてきた

私は周りから「すごいね!」と言われたいがために、勉強も部活も人並み以上に頑張る人でした。
絵や文章を書くことも得意だったけれど、得意なだけで、好きかどうかはわからなかった。だから、すべてにおいて「ほめられるために、できるからやる」という感覚でずっと生きてきました。

それが拒食にのめり込むと、もっと悪化しました。
常に「カロリー、食事、運動」ばかりにとらわれて、それらのマイルールに従って生活しました。自然が美しいとか、太陽があったかいとか、お花の香りがするとか、そういう感覚さえも失っていきました。

原因2:自分で人生の選択をしづらかった

私の父親はケチでした。お金はあるのに、お小遣いをくれませんでした。だから、お小遣いを初めてもらったのは高校生になってから。だから、それまではおばあちゃんが時々くれるお小遣いをどうしてもの時に使っていました。それ以外は、欲しいものがあれば親に言わないと買えませんでした。

そして、洋服も自分で選んだことがありませんでした。いつも姉のおさがりや、母親の手作りの服で(今思えばすごくありがたいんだけど、この時はダサくて着たくなかった。。)

つまり、私は「自分の直感に従って、何かを選ぶ」という経験が非常に乏しかったんですよね。だからこそ、他者の物差しで生きるほうがらくだったんです。

そんなこともあり、みんなが始めたから水泳教室に通い、姉が吹奏楽部だったから自分も吹奏楽部に入り、と。水泳教室も吹奏楽部も、本当はあまり得意ではなかったのに、やめる選択もできずにずるずる続けていました。

摂食障害の回復の道のりは、
何が自分に合っているのかを知る過程にある

そんな私は摂食障害になり、学校に行けなくなり、引きこもりになりました。そして、学校に行かないと言うことは、自分で1日の予定を決めていかなければいけません。それがものすごく苦しいことでした。

だから、毎日朝起きたら絶望。今日も何も予定がない。その上、お味噌汁の出汁の香りを感じたら、「またお母さんが私を太らせようとする」と感じて、朝が一番嫌いな時間でした。

でもある日「学校に行く方が楽だよね。だって、とりあえず行っていれば1日がそれなりにすぎていくんだもの。だから、自分の人生を毎日考えているあなたは、とってもすごいことをしているのよ」とお母さんが言ってくれました。

その言葉で目が覚めて、私は「自分で、自分の人生の舵を切っていかなければ」と思いました。

私は良くも悪くも、家族以外のつながりをすべてたっていました。高校の友達も、中学までの友達も、一切連絡を取らずにいました。(20歳以降に、数人と再び再会することになります)。

学歴も、友達も、過食の日々で失った痩せ体型も。自分の大切だったものをすべて手放したからこそ、私はふっきれていました。私には失うものがありませんでした。

他者の物差しで生きていこうとすると、相当な努力をしなければならないことが目に見えていたので、それは無理だと思いました。それを思うと死にたくなりました。

だからこそ、もう自分に残された道は、自分の物差しで生きていくしかない。そんな「いい、あきらめ」が芽生えました。

だから、とにかく自分の人生を歩むために、自分の直感に従って生きることにしたのです。

自分には何が合うか合わないかわからないけど、自分に合うものを探して「今、楽しいと思えること」を選ぶ生き方を練習していきました。

直感力を鍛える

「何が自分に合っているかわからない」
「自分の好きがわからない」
というクライアントさんからの相談は本当に多いです。

私自身もそんな状態でした。でも、いきなり「好きなもの」に出会える人はいません。なぜなら、好きなものは「行動しながら見つけていくもの」だからです。

ということで、私自身が思う、「直感を鍛えるコツ」を3つ紹介します。

コツ1:少しでも「好き」と感じたら、身を任せる

私は自分はこれが好き!というものはありませんでしたが、違和感は感じる人でした。例えば、ジブリやホラーが苦手だったり。そんなささいな違和感は感じることができました。

だから、違和感の感じない「何となく、心地いと思えること」をてがかりに好きなものを見つけていきました。

例えば、「美術館」「温泉」「ベーグル」は何となく好きだったので、美術館目当てにその街まで電車に乗っていき、街を歩きながらパン屋巡りをしたり。なんてことを週1回はしていました。

そうすると、次第に「建築」「現代アート」「写真を撮ること」「ベーグル作り」などに興味が移っていきました。

そして、その延長で直感でパン屋で働き、直感でチョークアート教室に通い始め、直感で大学に行きたいと思えるようになっていきました(これは前回のお話を読んでね!)

コツ2:人目に鈍感になる

前にお話ししましたが、私はいい意味で他人の物差しで生きられないと諦められたので、人目をきにしなくなっていきました。

だから、街歩きもスーツの人でいっぱいの六本木を高校生が一人で歩いていたし、美術館にも行ったし、一人でサラリーマンだらけの定食屋さんにも行きました。

人目を気にしすぎると、他人からどう思われるかを気にして、直感に従った判断がぶれてしまいます。
人に迷惑をかけない程度に、周りの目に鈍感になることが、直感力を鍛えるためには大切だな〜と思います。

コツ3:時間をかけずに選ぶ

直感を邪魔するのは「意思」や「思考」です。私がよく言う「健在意識」というやつです。

摂食障害さんの食事や買い物を想像していただければ分かると思いますが、レストランに行っても「何を食べるか決めるのに時間がかかる(カロリーや価格などの指標と睨めっこしてしまい、本当に食べたい欲求を抑えつけている)」という特徴がありますよね。

直感力を鍛えるために、買い物に行って「直感で欲しいものを選んでみる」という練習から始めてみるといいかもしれません。(買うか買わないかは別として!)

コツ4:手仕事

直感力を鍛えるためには「手仕事」が一番いい。見て、触って、香りを感じて。そんな五感を鍛えるには、手仕事が一番だ。

そんな一文を、どこかのエッセイで読みました。うーんと、誰だったか思い出せないのが心苦しいのですが。

私は手仕事を意識していたわけではありませんが、振り返ってみるといつも手仕事をしていました。

例えば、手でグラデーションをつくるチョークアート、パン職人なんかは五感をつかう仕事ですよね。そういえば、編み物やフェルト細工なども趣味の一つでしたね。

どんなことでもいいと思います。料理や、絵を描くこと、ガーデニング、掃除。手を使って何かをするって、いろんな感覚が養われます。

コツ5:行動量

直感は今までの経験や知識の情報の中から、無意識に選び抜く力です。
つまり、経験と知識が多ければ多いほど、直感の精度があがります。

例えば、海外旅行に1回しか行ったことない人と、10回行ったことある人では、10回行ったことがある人の方が直感で電車をのりついだりできますよね。

そして、案外「失敗経験」が直感には大切だったりします。例えば、直感で洋服を選んで、実際に着てみたら似合わなかったことってありませんか?すると、次回からもっと自分に似合うデザインの服が選べるようになる。そういうことです。

だからこそ、少しでもやってみたいと思ったらやってみる。そして、しっぱいしたら「またひとつ学べた」と思う積み重ねが、直感力を鍛えることにつながるのだと思ってます。

行動量で言うと、私は「生き急いでいる人」と友人に言われるほど、たぶん多い人です。バイトはフルで入ったし、大学の単位も必要以上にとったし、海外旅行も行きまくり60都市をまわりました。

ということで、次回は海外旅行からの学びをお話ししようかな。

直感に従いやすくするためにも、自己理解が大切

私がよく「回復するためには自己理解が大切」というお話をします。

自己理解とは、自分の気質、性格、価値観、考え方、行動パターンなどを深く知って、「自分自身が納得して受け止めている」状態です。

自分の特性を知ることによって、自分に合った環境を選んだり、進路を選択できるようになります。

つまり、自己理解が深まると、直感の精度も高まり、自分らしく生きいけるんだよね。

自分のことって自分ではよくわからない。それがカウンセリングなどで無意識をさぐっていくと、どんどん自分の好きなことが見えてきたりします。

その過程が、実は摂食障害の治療だったりしますよね。

直感に従って生きるために、まずは自分を知る。これが自分らしく生きるための基本なのではないかと思います。

次回は自分に合う環境選びをするために「自分の当たり前を壊す」と言う観点で、旅のお話をしたいと思います。

▼Noteでは私の生き方、日々の記録をお話しします。
症状についてはYouTubeやHPに載せているので、まずはそこを読んでみてください。

▼私への生き方の質問はここから
https://marshmallow-qa.com/ed_counseling?utm_medium=url_text&utm_source=promotion
※症状についての相談には、基本的にお答えしません(私自身の経験であれば取り上げるかも〜)

これから話そうと思うテーマ
・自分に合う環境選びや環境づくり
・あかねさんは色んな国を旅されて、どこがよかったですか?
・摂食障害だった頃マイルールと、今でも続けているものがあれば教えてほしいです!

■毎週月水金17:00〜YouTube

摂食障害オンライン相談室公式HP

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