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コミュニティラウンドとは?ファンの熱量がスタートアップ成長の原動力、米・株式投資型CF Wefunderに学ぶ

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昨今、サービスやブランドがユーザーや顧客と「コミュニティ」を築くことによって、顧客ロイヤリティや信頼性の向上を狙ったり、顧客インサイトの理解などを深めたりするなどして自社のマーケティング活動に活かす企業が増えてきています。

米国・英国では、マーケティングのみならず資金調達の場面でも「コミュニティ」に着目する企業が増え、ユーザーやファンの基盤を活かしやすい資金調達手法である株式投資型クラウドファンディング(以下、株式型CF)の利用が一つのムーブメントになっています。

自社のコミュニティから株式型CFを用いて行う資金調達を『コミュニティラウンド(Community Round)』と名付け、米国におけるスタートアップ投資の民主化を実現させたのが、米・株式型CFプラットフォーム大手のWefunderです。

Wefunder自身もコミュニティの力を信じ、自らも株式型CFを使った調達を繰り返しながらコミュニティと共に成長してきました。

今回の記事では、コミュニティラウンドの元祖である「Wefunder」の歩みを辿りながら、コミュニティラウンドの魅力をお伝えしたいと思います!


コミュニティラウンドとは

Wefunderが新しい資金調達として提唱する「コミュニティラウンド」の主なメリットは以下のとおりです。

  • 既存のユーザーや関係者を株主として巻き込むことができる

  • ユーザー株主とサービスや事業の成長を共通のゴールとして一緒に目指すことができる

  • ユーザー株主は強力な自社のサポーターとなり高いエンゲージメントを期待できる

こういったメリットに注目し、ユニコーンとなったスタートアップやTop Tierのベンチャーキャピタルの投資先などでもコミュニティラウンドを利用するスタートアップが生まれてきています。

実際にコミュニティラウンドを実施して多くの仲間(株主)を集めることに成功したスタートアップの例については、過去の記事をご覧ください。

Wefunderとは

Wefunderは株式型CFのプラットフォームでありながら、自身も2012年の創業から現在に至るまで複数回の株式型CFを実施することで、累計6,000人以上の投資家から2,000万ドルを調達し、多くの株主とともに成長してきたスタートアップです。

※日本においてはプラットフォームが自社の株式型CFを用いて自己募集する行為は認められていません

これまで、アメリカ国内で食べ物からテクノロジーまで幅広い分野のスタートアップがWefunderで調達に成功しています。

Wefunderの実績
(画像はWefunder公式ホームページより引用)

※記事の中では、1米ドル=130円で換算しています。

米国の株式型CF調達上限6.5億円を調達したスタートアップの事例
(画像はWefunder公式ホームページより引用)


2023年からは正式な承認を得て、ヨーロッパ圏への進出も進めており更なる盛り上がりが期待されています。

Wefunder:コミュニティラウンドの軌跡

Wefunderは、現在も代表を務めるニック・トンマレロにより2012年に創業されています。当時トンマレロが働いていたコワーキングスペースでのある出会いをきっかけに、Wefunderを創設することになります。

とある投資家との出会い

その出会いについてトンマレロはこう振り返っています。

当時私が働いていたコワーキングスペースで、投資家のビル・ワーナーが私の隣に座っていた。彼は私に、Wefunderを設立するための25,000ドルの小切手を書いてくれたのだ。彼はすでに人生において十分なお金を稼いでいたが、創業者を支援することが彼にとって充実感を得る方法だった。

これが、投資家と創業初期の創業者との関係に興味をそそられるきっかけになった。

おそらく多くの人が彼と同じように、実質的な利益を得ること以上の理由で、リスクの高いものに少額のお金を投資したいと思うに違いないと考えた。

CASE STUDY A Decade of Community Rounds/communityround.com by Wefunder

それから、Wefunderは自身のプラットフォームで多くの株主を募りながら成長し、「コミュニティラウンド」を確立していきます。

2012年
wefunder.comの開設
・一般の人々が中小企業に投資をすることを可能にする法改正に党派の支持が高まる
・wefunder.comの開設から1時間以内で法改正を求める嘆願書に2,000人以上から500万ドル以上の寄付が集まる
・ワシントンDCにて、ローズガーデンでオバマ大統領がJOBS法に署名、認定投資家によるクラウドファンディングが承認される

wefunder.com(嘆願書)キャンペーンの概要
(画像はWefunder公式ホームページより引用)

2016年5月
一般の個人投資家も参加できる株式型CFが認められる
※その他情報開示や所得基準などの規制は別途設定されました

2021年3月
株式型CFによる資金調達額が1社あたり年間約1.4億円から6.5億円まで引き上げられる

Wefunderと株式型CFの歩み

Wefunderのコミュニティラウンド調達

Wefunderは、2012年の嘆願書キャンペーンをきっかけに年1~2回のクラウドファンディングを現在まで実施しています。はじめは法改正が主な目的でしたが、その後はビジネスの成長と共感の拡大を目的に、創業から現在に至るまで複数回のクラウドファンディングにより累計6,000人以上の投資家から2,000万ドルを調達しました。

Wefunderのコミュニティラウンド調達
(画像はWefunder公式ホームページより引用)

スタートアップ投資の民主化、挑戦する起業家の資金の選択肢を広げる、そういった世界観に共感するファンを巻き込みながら、Wefunderは現在米国最大手の株式型CFに成長しました。

ユーザーの声
(画像はWefunder公式ホームページより引用)

コミュニティラウンドは企業成長の原動力

Wefunderの創業者であるトンマレロはコミュニティラウンドについてこう述べています。

創業者にとって、コミュニティラウンドを成功させることは、一つの成功を示す最も強力な指標の1つであり、これは市場からの最高の評価である。

投資家にとって、コミュニティラウンドを支援することは、創業者が挑戦するのに役立ちます。そこには決して過小評価できない力があります。

CASE STUDY A Decade of Community Rounds/communityround.com by Wefunder

コミュニティラウンドの成功は、その企業がどれだけのファンに愛され、応援されているかを可視化する最も分かりやすく信頼できる指標になります。そして、それ自体が会社の価値を上げ、成長を後押しするきっかけになります。

Wefunderが自ら証明してきたように、コミュニティには大きな力があります。大好きなアーティストのライブやスポーツに多くのファンが熱狂するように、企業にもそのビジョンや事業に熱狂するファンが一人でも多くいれば、それが力になり企業成長の大きな原動力になります。

実際に、多くのベンチャー企業がWefunderを通じた資金調達後に社会に大きなインパクトを与え続けています。

Wefunderがもたらした社会的インパクトの一例

これからの企業成長に「コミュニティラウンド」という選択肢

イークラウドでは、株式型CFで資金調達をするメリットの一つに「会社やサービスのコミュニティ形成」があると考えています。

スタートアップにとって資金集めは非常に重要です。どんなに良いサービス・良い企業であっても、資金が足りなければ事業を続けることができません。

しかし、会社や事業を応援してくれるファンの存在はお金では測れない価値があると思いませんか?

もし、世の中や社会を変えたいという会社の想いに共感し、熱狂してくれるファンがたくさんいたら、そしてそのファンが株主として事業を応援してくれたら...

そのコミュニティは、決して他社には真似できない競争力の源泉になるかもしませんし、会社が描いているビジョンやミッションがより早いスピードで実現するかもしれません。

コミュニティラウンドは、起業家の思いとそれを応援したいと考えるファンやユーザーをつなぐこれからの新しい手段だと思っています。

株式型CFを活用した資金調達についてもっと詳しく聞いてみたい起業家(起業準備中)の方は、こちらのフォームからイークラウドの代表・波多江とのお打ち合わせを気軽にご設定くださいませ。

「ひとりひとりの想いをつなぎ、挑戦に力を」


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