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スタートアップの関係者人口を増やして、挑戦の輪を広げたい。 XTech Ventures 安岡・古川流の起業家支援とは?| 投資家の素顔 #01

スタートアップ起業家の誰もが通る、資金調達。

起業家も個性的ですが、ベンチャーキャピタリストもまた個性的でいろいろな経験を経て投資家となり、個性を生かして起業家を支援している方も多数いらっしゃいます。

この記事ではベンチャーキャピタリスト個人に着目して人物を深掘りすることで、起業家が会いたいと感じるキャピタリストと出会うことができる機会を創出します。

第1回はXTech Ventures株式会社(以下、XTech Ventures)の安岡さん、古川さんにお話を伺います。聞き手はイークラウド代表の波多江です。

◆安岡 浩太(写真左)
2011年、エキサイト株式会社に入社し、広告営業部門に配属。2015年からアライアンス及び投資・M&A部門の立ち上げを経験し、2016年に同部門のマネージャーに就任。2017年より大阪事務所長を兼任。2018年には同部門の部長に就任。2019年3月、XTech Venturesにシニアアソシエイトとして参画。

◆古川 慧(写真中央)
1989年福岡生まれ。上智大学経済学部卒業後、エキサイト株式会社に入社。広告、メディア事業に従事。 その後、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ(ITV)へ出向。2020年4月、XTechVenturesにアソシエイトとして参画。

広告営業からスタートアップ投資の世界へ

安岡:
XTech Venturesには2019年からジョインして丸3年になります。投資業務だけでなく、LPとのコミュニケーション全般にも関わっています。

前職はエキサイトという、メディアや課金事業、ブロードバンドの事業を行っている会社の中で、入社後しばらく広告営業をやっていました。途中から投資やM&Aを行う部署に立ち上げから携わり、ベンチャー投資の世界に。

エキサイトが買収を経てXTechグループになった後に、XTech Venturesでやってみないか?というお声がけをいただいて、今に至ります。

波多江:
エキサイトで事業会社としての出資に関わり始めた所で、XTechグループに買収されたのがきっかけでVenturesに入ったという流れですね。

安岡:
そうですね。新卒からしばらくずっと広告営業でしたから、本当に貴重なきっかけをいただいたと思います。

古川:
古川と申します。私も同じく、出身はエキサイトです。2014年に新卒入社し、運用型広告のマネジメントチームにおりました。

メディアでの仕事や出向なども経て、2018年から2年間伊藤忠テクノロジーベンチャーズに希望して出向し、XTechグループによるエキサイトの買収を経て、XTech Venturesにジョインしています。

波多江:
お二人とも投資業務はある意味2社目、かつ前職ではIT経験、営業やディレクションなどの事業経験も豊富なんですね。

同じウォーターサーバーの水を飲んだシェアオフィス仲間に出資

波多江:
思い出深い投資や、深く関わった投資先はありますか?

安岡:
XTech Venturesで出資したゲシピは思い出深いです。

◆ゲシピ株式会社
eスポーツで一人ひとりの可能性が広がる教育機会を』をミッションに、eスポーツ教育サービスを提供している。
ゲーム時間で英会話を学ぶオンラインプログラム「eスポーツ英会話」や、eスポーツのテクニックや戦術をトレーニングできる「eスポーツジム」などを展開。

波多江:
出会いは、当初 XTech Venturesも入居していた「xBridge(シェアオフィス)」ですよね。

シェアオフィス「xBridge」

安岡:
はい。ゲシピは同じシェアオフィスにいた頃から、「ちょっと話聞いてもらえますか?」と軽い感じでよく相談いただいていて、関係値を作りやすかった企業ですね。

波多江:
僕も同じオフィスにいたので分かりますけど、ゲシピさんは熱量が特に高くて印象的でしたよね。ゲーミングPCをたくさん置いていて。

安岡:
熱量すごかったですね。事業もそうですが、人としても尊敬してたし、今も大好きな起業家です。

シェアオフィス全体の事も考えていて、率先してゴミ拾いとかやるし、ウォーターサーバーの水も率先して替えますし。やっぱり一緒に働いていると、人柄がにじみ出ますね。

波多江:
会議室でその場限りのプレゼンを聞くだけじゃなく、普段の素顔が見れたからこその信頼感ですかね。

安岡:
そうですね。それは大きいと思います。

波多江:
投資家の方に定期的に相談というと、重そうとか、相談しづらいと思う方もいると思うんですが、安岡さんは「忙しいからヤダ」とか言わずに受けてくださるんでしょうか?

安岡:
いやいや、むしろありがたいです。気軽に相談してもらえる存在でありたいと思っています。

シェアオフィス「xBridge」時代の波多江と安岡さん(写真左)

紹介するからには責任を持って。出資先への愛がなせる次回ラウンドへのアツい伴走

波多江:
安岡さんはファイナンスの伴走がすごいとの噂を聞きました。具体的にはどういう形で支援してらっしゃるんでしょう?

安岡:
基本的なところでは資本政策や事業計画とか、プレゼン資料をどう見せていくかを一緒に考えたり。投資家の次のラウンドの投資家の方をご紹介してフォローして調達まで至るみたいなところですかね。

波多江:
特に気を付けてる事とか意識してる事はありますか?

安岡:
起業家の方にも、次回ラウンドでの出資を検討して下さる投資家の方にも、できる限りフェアで客観的なインプットやフォローをしたいと思っています。

とくに投資家の方は、既存投資家である僕に話を聞きたいというのは当然だと思うので、求められたら応じるのはもちろん、こちらから提案する時もあります。

波多江:
確かに投資家の立場だと、既存株主には若干聞きづらいこともありますね。

安岡:
むしろ、「こちらからお話します!お時間作らせていただきたいです!」というスタンスだと、「じゃあお願いします」ってなるケースも多いです。ご紹介する以上、自分から投資家の方にもお声掛けさせていただくのは意識しています。

波多江:
そういう所も泥臭くやりきる姿勢は、投資先への愛があるからこそですね。

名刺はないけど、もはや社員。ユニークなビジネスモデルにスピード投資実行

波多江:
古川さんの思い出深い投資先はありますか?

古川:
XTech Venturesから出資した、ジオマーケティング社ですかね。

◆ジオマーケティング株式会社
商業施設とテナント事業者のマッチングをコアとした店舗開発・リーシングDXプラットフォーム「gleasin」を提供。属人的なリーシング業務の効率化と、リコメンド機能により幅広いブランドに対して出店機会を提供。またデータに裏付けられた最適なテナントミックスで売上の最大化をサポートする。

波多江:
こちらの出会いのきっかけは?

古川:
代表パートナーの西條から「おもろい会社があるよ」とパスをもらったのがきっかけです。紹介いただいたときにはすでに、株式投資型クラウドファンディングで資金調達していたんですよね。

ビジネスモデルも面白いし、プロダクトもできあがっているし。それでも恐る恐る投資会議に上げましたら、最終的には2021年の10月頭に出資することになりました。

安岡:
古川にとってXTechで第1案件ですし、投資後も密にコミュニケーションしてる印象があります。

波多江:
「投資後も密にやりとり」とは、具体的にはどういうことを?

古川:
コロナ期間中は控えてますけど、以前は週1回、渋谷のオフィスで定例に参加させていただいてました。

波多江:
名刺こそ持たないけど、社員のような関わり方をされているんですね。

古川:
はい。実際、体を動かして投資先支援にあたると、少し違う感じで関われるなと実感してます。なかなか得られないようなナマの情報とかも、進んで出していただけたりして。

波多江:
ジオマーケティング社はどれくらいの期間で投資実行に至ったんでしょう?

古川:
初回接点から着金までに2ヶ月以内くらいですかね。

波多江:
なるほど。先程のゲシピのように、中長期でコミュニケーションを重ねるパターンもあれば、ジオマーケティングのように「これは」と思ったところにガーッと行って、スピーディーに投資実行するケースもあるということですね。

「形から入る」でいいんです。投資先の商品を使えば気分も上がる

波多江:
キャピタリストとして、起業家にアピールしたいポイントはありますか?XTech Ventures代表陣にも負けないポイントがあれば教えていただきたいです。

安岡:
そうですね。投資先への愛は、経験豊富な西條・手嶋の二人と比べても負けていないかと。営業経験が長かったので、機動力とか密なコミュニケーション、自分なりの人脈には、今まで積み上げてきたものがあると思っています。

波多江:
僕が個人的に印象的なのは、安岡さんの洋服芸。いつも投資先のTシャツを着てますよね。

安岡:
洋服芸か。そうですね(笑)
基本的に毎日、投資先のTシャツかXTechのTシャツを着るようにしています。ベタではありますが、形から入ったり気持ちを伝えるっていうのは結構大事だと思っていて。

Tシャツやグッズがずらり。本日のインナーも投資先のTシャツです

安岡:
投資先のTシャツを着て定例やミーティングに出たりすると純粋に喜んでいただけるし、イベントに行ったりすると投資先のPRにもなりますし。「使える物は使おう」という気持ちです。

波多江:
アソシエイトの鈴木さんからは、投資先の女子向けファッションメディア「RiLi」のポップアップショップに安岡さんが現れて、カードホルダーを颯爽とお買い上げされたり、オンラインでパソコンケースを注文されたりと定期的に購入されている姿に、投資先の方々が盛り上がったと伺っています。

安岡:
口先だけじゃなく「投資先と同じチームになる」のを実践したいという1つの現れかもしれないです。

社長だけでなく現場の方からも、「出資元のヒト」として距離を置いて見られないために、できることは1個でも積み重ねていけたら。本業の資金調達支援での貢献はもちろんですけど。

そんな安岡さんの昼食はもちろん投資先の「BASE BREAD」

それに投資先の商品を買ったり使ったりするのって、自分も気分が上がるんですよ。たとえ投資先のメンバーの人が(Tシャツを)着てなくても僕は着るぞ!くらいの勢いで思っています。

波多江:
ありがとうございます。イークラウドTシャツも渡さねばと思いました。

安岡:
すり切れるまで着ます。

朝4時から長崎へ。投資先の経営合宿にGO

波多江:
古川さんはどうですか? 「ここはパートナーの西條さんや手嶋さんにも負けないぞ」というポイントはありますか。

古川:
「なじむ力」は、いい線いけるかなと思います。投資家 VS 起業家的な構図になっちゃうとハードルが高い感じになると思うので、いかになじむか。

「投資家です!」というオーラを消すという方向の社交性もあると思うんですよ。

波多江:
投資家オーラを消す(笑)

ツボに入る波多江

古川:
西條・手嶋の二人は、VC業界の中でも重鎮でベテランで、少し近付きがたいという起業家もいると思うので。そういう方でも「XTechの中でも、まずは古川だったら話せる」という親しみやすさを強みにしていきたいと思っています。

波多江:
僕が印象的なのは、足を運ぶエピソード。XTech Venturesに入る直前のエピソードが印象的です。

古川:
ああ、ITV時代に投資した企業の経営合宿ですね。XTech Venturesの合宿で千葉にいたのですが、長崎で経営合宿があるということで。朝の4時くらいに始発前に歩いて駅に向かい、数時間かけて移動して参加しました。

波多江:
地方の案件も含めてフットワーク軽く行きますというのも、古川さんの強みですかね。

古川:
そうですね。最近はANOBAKAさんがやってる名古屋のイベントにも定期的に参加させていただいてます。名古屋のみならず、呼んでいただければどこでも馳せ参じます!という気概でおります。

スタートアップの関係者人口を増やして、挑戦の輪を広げたい

波多江:
普段からお二人が意識している未来や、「もっとこういう世界にしていきたい」と考えていることがあれば教えてください。

安岡:
そうですね。もちろんXTech Venturesとしては、投資実行してリターンをLPさんに返して…というのは使命ではあるんですが。

その先ですと起業家とか投資家とかそれ以外でも、もっとスタートアップに気軽にチャレンジしたり携わる人が増えるような世界になるといいなと思っています。

そのために、自分自身も頑張って仲間をどんどん広げていく必要がある。

以前に比べれば日本でも資金調達するベンチャーは増えていますし、大型化しています。大企業から転職してチャレンジする方もいれば、学生でも就職せず起業を選択する方も増えてきてます。お金も情報も仲間も、周りに増えてるから挑戦する人達が増えてるということだと思ってまして、もっともっとそういう世界にしたいですね。

波多江:
スタートアップの輪を広げていきたいという思想ですね。

安岡:
まさに。投資家だけ起業家だけの閉じた輪の中で話すのではなく、この界隈に携わってる色んな人達と議論していって、輪を広げていきたいみたいな思いはありますね。

社会にストレスを感じる起業家よ、僕と話をしないか

波多江:
古川さんはいかがでしょう。

古川:
そうですね。自分はけっこう、世の中に対して「もっとこうなればいいのに」と思う所があるので、そういうストレスとか課題の解決に挑戦する人達が増えてほしいとは、いつも思っているんです。

実際、我々の今までの投資先も、そこを解決していく起業家がチャレンジしている構図になってると思っています。

波多江:
世の中にうっぷんとか不満がある方は古川さんに連絡すれば、解決方法を一緒に考えて下さる感じですか?

古川:
もう「愚痴があったら聞く」くらいの勢いでお待ちしています。愚痴がある人は僕のところに来て下さい。

愚痴があったら聞きます!

波多江:
そんなことを言うと、ひねくれた方が来るかもしれないですけど(笑)

古川:
いいんです。一緒に世の中のヘイトを解決しましょうという風に、ポジティブに転換しますので。

波多江:
なるほど、分かりました。ちなみに僕の最近のストレスは花粉症です。

古川:
そういえば花粉症ベンチャーっていないですね。探します。

「株式投資型クラウドファンディングは知られてなさすぎる」

波多江:
ちなみに、先程話題に挙がったジオマーケティング社しかり、株式投資型クラウドファンディングを行ったベンチャーに投資実行する場面も今後増えてくるものと思われますが。

株式投資型クラウドファンディングについて、お二人が課題に思ってるところはありますか?

安岡:
事例や情報がまだまだ足りないという印象ですね。

例えば1年前と比べれば情報量は増えてますけど、そうはいってもクラウドファンディングはそもそもどういうものだとか、事例を知る機会とかがやっぱり少なくて。話題に上がる事も少ないです。

株式投資型クラウドファンディングは「まだまだ情報が少ない」と安岡さん

波多江:
それは投資家から見ての印象でしょうか。起業家から見てもそういう感じ?

安岡:
両方ともそうだと思います。自分自身もそう感じますし、投資先の代表と話してても、あまり株式投資型クラウドファンディングについて知らないんですね。

波多江:
今回のような記事が届いていく事で、より知ってほしいというのは切に願っています。

安岡:
起業家にとって、資金調達の選択肢が増えるのは純粋に、間違いなくいい事だと思います。そもそも「手段として知らない」ということが少なくなると、だいぶ変わってくるんじゃないかなという気がしております。

【朗報】安岡さん・古川さんのDM返信率は100%

波多江:
安岡さん、古川さんの魅力が伝わったところで、お二人にぜひ相談したい起業家の方もいらっしゃると思うのですが、どうコンタクトするといいですか?

安岡:
TwitterでもFacebookでも直接メッセージいただけたら嬉しいです。

波多江:
投資家の人にいきなり連絡して、無視されちゃうんじゃない?と勇気が出ない起業家の方もいらっしゃると思うんですけど。

古川:
そこはほら、Meetyがありますので。

◆株式会社Meety
カジュアル面談プラットフォーム「Meety」の開発・運営。
「カジュアル面談を"もっとカジュアル"に」というコンセプトのもと、どこよりも気軽に企業とつながり、どこよりも安心してカジュアル面談ができるサービスを提供。

波多江:
おお、XTech Venturesの投資先。

安岡:
僕はツイッターのDMもですけど、Meetyで連絡をいただいて、会わなかったことは一回もないです。全件100%、返信しています。

波多江:
それでは投資先を盛り上げるという意味でも、ぜひともMeetyで連絡していただきたいですね。

古川:
Meetyもツイッターもフェイスブックも、全部いつでも返事しますので、ご連絡いただければと思います。

返信率は100%です!

安岡:
直接DMでお問い合わせいただいてるものは、Meetyも含めて基本お会いしてますので。

「現場の営業の兄ちゃん」くらいの感覚で、気軽に話しかけてもらえると非常に嬉しいです。

波多江:
古川さん、安岡さん、ありがとうございました!

取材後、イークラウドのTシャツも安岡さんにお渡ししました!

▼安岡さんと古川さんのmeetyはこちら

▼イークラウド波多江のmeetyもどうぞ

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