あなたは薬物について本当に理解してますか？？

みなさんこんにちは！

薬物と聞くとすごく危険なイメージがありますよね！実際、テレビやYouTubeでも薬物使用者の悲惨な末路なんかが取りあげられてて、薬物=危険は常識になっています。

でも、こんなふうに疑問を持ったことがある人もいるかと思います。


「薬物が禁止なのはわかるけど、酒とタバコはなんでセーフなんだろう？アル中やニコ中も危ないし、迷惑かけてるじゃん！」

「なんで国や地域によってマリファナが合法だったり違法だったりするんだろう？」

この記事では薬物取締の歴史を説明する中でみなさんの疑問に答えていきます。

薬物取締の歴史

実は薬物の取り締まりが始まったのは100年ほど前と以外にも最近なんですよね。しかも、始まりは1人のトラウマから始まったんですよ。

ハリー・アンスリンガーというアメリカ麻薬取締局の初代局長さんがいたんですが、その人は幼少期に薬物でラリった人を見たことで薬物に対して異常な恐怖心を持ったんですね。それに加えて当時の人種差別的な考えから、薬物は黒人やメキシコ移民が使うヤバいもので、そいつらが俺たち白人を危ない目にあわせようとしてるっていうふうに考えちゃいます。それで麻薬を取り締まる組織を立ち上げたんですね。

アンスリンガーは取り憑かれたかのように薬物をどんどん禁止して、その活動は外国にも及ぶようになります。アメリカの国力を利用して外国にも薬物の取り締まりを強制するようになりました。その結果世界中で「薬物＝危険」っていう考えが浸透して、この日本でももちろん所持禁止になってますよね。

つまり、酒やタバコよりも薬物が極端に恐れられている理由はアンスリンガーの活動によるものと言えます。

取り締まりの弊害

でも、ここで一つ問題が生まれます。薬物を違法にはしたんですが、実際には薬物使用者の数は減らなかったんですね。それどころか薬物に関わる死者が増えたりもしました。それはなぜでしょう？

理由は簡単。
禁止になったところでみんな使いたかったから。そしてそれを理解したマフィアが薬物を売り始めたから。

僕らが飲まないとやってられないのと同じで、薬物を使ってきた人たちは薬がないとやってられませんでした。
でも、禁止されたことでヘロインなどのよりキツい(酒でいうと度数の濃い)薬物が持ち込まれるようになりました。薄めればより多くの客に売れるため、輸入するときに都合がよかったからです。
そしてマフィアたちは使用者に薬物を高値で売り、使用者は半分は自分で使用し、残りの半分をセメントやベビーパウダーなんかでカサ増ししたものを他の使用者に売っていました。そんなものが血管に注入されると考えると恐ろしくなりますね。

また、薬物使用者たちは高価な薬物を手に入れるために犯罪にも手を染めるようになります。強盗や殺人なんかも頻発するようになりました。それに加えてマフィアの縄張り争いによる犠牲者も多く出ました。

薬物ってほんとに取り締まるべきなの？

薬物の取り締まりが始まったのはおよそ100年前ですが、薬物自体はかなり昔から存在していて、多くの人たちが使用してきました。古代ギリシャの賢い人たちも使っていたという記録もあるみたいです。それでも人間社会は崩壊せずにきました。それに上に書いたとおり、禁止してからの方が実は被害が大きくなっています。では薬物は本当に禁止にするべきなのでしょうか？

成分がちゃんと調整された薬物を使用した場合、薬物依存症になる確率は使用者のうち10%以下と言われています。思ったより少なくないですか？ですがこれは事実です。医療目的での麻薬で依存症になる人はほとんどいませんし、身体的に大きな悪影響の出ません。また、薬物ではありませんが、日常的にお酒を飲む人でアルコール依存症になる人もほとんどいませんし、ほとんどが健常者です。これは何を意味するのでしょうか？

一つは、違法であることで薬物自体の危険性が上がっているということです。濃度が高すぎたり、成分が不明だったりするためです。

もう一つは、依存症になる究極の要因は薬物ではないかもしれないということです。生活環境や精神的な衰弱が影響しているかもしれないのです。

スイスなどでは政府が合法的に薬物使用を認めて処方している施設があるのですが、そこでは元々依存者だった人も使用量が少なくなり最終的には辞めるといったことが起こっています。そこでは薬物の処方だけでなくメンタルヘルスケアや生活改善のサポートも行われています。患者達の精神的な支えになることが改善に繋がると信じ、実際にそうなっています。また、カナダなどの国々ではマリファナが合法になっています。それも禁止にするより合法化した方が良いとの判断からです。

まとめ

僕たちは薬物はほんとに危険なものだと刷り込まれてきたかと思います。実際日本で手に入る非合法の薬物は危険なのは間違いありません。しかし、薬物の危険性を生んでいるのは薬物の取締そのものの可能性があるということは知っておいても良いかもしれません。