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文化人類学の実を食べた人たち

先月はなかなか怒涛の日々でした。
そんな中で、船出を果たした”井戸端人類学F2キッチン”。
キックオフのイベントをするにあたって、何をするのか内容を色々と話して実施したのは「文化人類学を経た人はどんな道を進んでいるのか?」でした。

わたしの場合。今も一般的に知られているかどうかは判断に苦しむところですが「文化人類学」という言葉が今よりも一般的では無かった頃。
新設大学であるのと超氷河期と呼ばれた世相も相まって就職活動ではどこに行っても厳しい反応で、「何それ?役に立つの?」「そんな大学も学問も聞いたことないなぁ」と言われ凹むこと多数でした。研究をさらにするのも悪くないと思ったこともあります。それでもなんとか就職したわたし。紆余曲折を経て今があります。

同級生や後輩たちのある人は研究へ。またある人はそのまま旅人に。

そんなこんなで、しぶとく?なんとか社会の中で生きる人たちの人生はさまざまですが、実は卒業生同士でもあまり聴く機会が無いしシリーズにしたら面白そうだね、と決まったのが「文化人類学の実を食べた人たち」というタイトルでした。

今回は中でも文化人類学科に例年一定数いたアフリカをフィールドにする人たちの中から二人に登場してもらいました。
学生時代にアフリカの魅力を知り仕事でも関わった二人。
今は直接的にアフリカには関わっていないのですが、そこに至る道も興味深い話でした。

実は今回チラシに使った写真は話し手になってもらった二人がそれぞれ撮っていた写真からお借りしたものでもあります。

アフリカには「アフリカの水を飲んだ者は、再び帰ってくる」という諺があるそうですが、どこで帰ることになるのか続きも楽しみな話。
まだまだ続く。
今後もこのシリーズは時々やりたいと思うので、ぜひチェックしていてください。

一応わたしも「文化人類学の実を食べた人たち」の一人。自分のここまでの道のりを思い出しながら話を聞いていました。
文化人類学の実の味は人によって異なるようですがどの人も複雑な味わいを経ているのは共通しているのだなということ。

ちなみに。
最近では「文化人類学は役に立つ」という言葉も聞こえてきて、にわかに注目されているのも感じます。
どんなところが注目をされているのか、とある方に聞いてみると人類学で行われてきた「観察と対話」が昨今注目されているデザインのプロセスとの親和性の高いところではないか、とのこと。
その言葉を聞いて、わたし自身が過去に仕事で定性調査に関わっていたことを思い出しました。
なんとなくやってきた当事者としては言語化してこなかったことです。

次回は8月の予定です。
「私が見てきた介護保険制度――22年のフィールドワーク」(仮) 
職業としても介護に関わる研究者のお話です。
自分語りの要素もあるとのことで、これまた運営側としても楽しみにしています。


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