東大経済学部ブログ

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日々の学びをnoteに記録しています! 記事の内容に間違いがあれば、ご連絡ください。よろしくお願いします。

最近の記事

2次元正規分布の密度関数

$${X,Y}$$が以下のような密度関数を持つとき、「$${X,Y}$$は2次元正規分布に従う」ということができる。 $${f(x, y) = \frac{1}{2\pi\sigma_x \sigma_y \sqrt{1 - \rho^2}} \exp\left(-\frac{1}{2(1-\rho^2)} \left[ \frac{(x - \mu_x)^2}{\sigma_x^2} + \frac{(y - \mu_y)^2}{\sigma_y^2} - \frac{2

    • 単利と複利について

      本日の内容!経済学や数学では、単利や複利という言葉をよく目にすると思います。本日は、この単利と複利についてわかりやすく解説していきたいと思います。 本日は以下の例題を通じて、単利・複利についての理解を深めていきましょう。 現在の債券の価格を $${P}$$ とし、1年ごとに $${C}$$円の利息が支払われ、$${T}$$ 年後に債券が価格$${F}$$で償還されるケースを考えてみましょう。 単利 $${単利 = \frac{(C \times T + F - P)}

      • 資産負債アプローチ・収益費用アプローチ

        本日のテーマ 会計の勉強をしていると、「資産負債アプローチ」や「収益費用アプローチ」といった言葉を目にすることがあります。本日は、これらのアプローチがどのような背景で生まれたかを説明したいと思います。 資産負債アプローチの起源 まず、資産負債アプローチが登場する以前は、収益費用アプローチの概念しか存在していませんでした。このアプローチでは、収益と費用を対応させることを重視しており、資産は将来の費用をプールしておくものというイメージがありました。しかし、この方法では将来の

        • 「実現主義」vs「投資のリスクからの解放」

          事業投資・金融投資の定義 事業投資:事業への投資 金融投資:余剰資金の運用手段であり、事業投資で資金が必要になった際に直ちに換金できるもの。以下の議論では「換金可能性(流動性と同義)」という考え方が重要になってきます。 金融商品会計 1999年以前、有価証券を時価評価せず、売却時にのみ損益を認識する方法を取っていました。その当時は市場が現在ほど流動的ではなく、時価で有価証券を売却できる保証がなかったため、このような会計処理が行われていました。しかしその後、市場の流動性が

        2次元正規分布の密度関数

          モンテカルロ積分

          問題 $${\int_{-\infty}^{\infty} x^2 \cdot \frac{e^{-x^2 / 2}}{\sqrt{2 \pi}} dx}$$ この積分をモンテカルロ積分(乱数を発生されることにより、積分値を求める方法のこと)により求めてみましょう。 解答 $${X}$$は$${\mathcal{N}(0, 1)}$$に従い、$${X_1,X_2,X_3…X_n}$$は独立に$${\mathcal{N}(0, 1)}$$に従い、$${n}$$は十分大きい

          資金調達コスト

          本日は資金調達方法と資金調達コストについて議論したいと思います。 参考文献:金融論(福田慎一) モジリアーニ・ミラーの定理 <定義> 理想的な資本市場では、資金調達コストはすべての方法(自己資金・銀行借入・債券・株式)で同じである。理想的資本市場とは以下の条件を満たす市場です。 <取引費用(倒産コストなど)が存在しない> 企業が倒産した場合、破産手続きのための弁護士費用などの費用が追加で発生するので、倒産にはコストがかかります。借入を行わない限り、会社が倒産することはな

          金融商品会計

          本日は金融商品(株や債券)の会計処理について、授業で学んだことをnoteに書こうと思います。 金融資産債券の会計処理 債券についてはIFRS・US GAAP・日本基準で基本的に同じ処理です。また、OCI処理する際には、リサイクリングが必須です。 株式の会計処理 IFRS・USGAAP・日本基準の全てにおいて、子会社株式・関連会社株式は簿価評価となります。以下では子会社株式・関連会社株式以外の株式の会計処理を考えていきます。 ①日本基準 売買目的有価証券:損益処理。 そ

          モンティホール問題を東大生が解説!

          モンティホール問題とは? 解法 ここでは、ドアをドア1・ドア2・ドア3と呼ぶことにする。プレーヤーがドア1を選んだと考えても一般性を失わない。そこで以下のように場合分けをして考える。 上記のような表を作り、計算することができる。そこで、モンティがドア2を選んだ時、1があたりの条件付き確率は1/3、3があたりの条件付き確率は2/3になるので、ドア3を選択するべきである。モンティがドア3を選択した時も同様に、ドア2を選ぶべきである。 以上より、プレーヤーは最初に選んだドアで

          モンティホール問題を東大生が解説!

          帰属家賃(GDP統計)

          GDP統計の概念として、帰属計算というものがあります。家を借りるのではなく、所有している場合、家賃を支払う必要はないのですが、GDP統計上は持ち家の家賃もGDPに含めることになっています。そう言われてもよくわからないと思うので、ここでは具体例を用いて帰属家賃の理解を深めていきましょう。 ここでは2つの家について考えます。 2021年に大工さんが同じ場所に同一の家を2つ建てたとしましょう。 家①:2021年12月に大家さんが大工さんから2000万円で家①を購入しました。 20

          帰属家賃(GDP統計)