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湿度 その後

「あなたを愛しているわ」

彼女は言った。

僕はいつも宇宙の話をした。

僕はいつも陰謀の話をした。

彼女は、笑った。

僕は、彼女の内側に入りたくて、入りたくて、

いっそのこと、彼女になりたかった。

「かまわないわ。今日は詩人が旅の途中で死んだ日だもの」

彼女は壊れていたのに、

僕の入る隙間はいつもひとつしかなかった。

そこはただの入り口にすぎず、

僕は永遠に、彼女になることは出来ないのだ。

相変わらず、僕の汗にまみれた彼女は言うのだ。

「ねえ、あたしはあなたを愛しているわ」

「神がそうするように、あたしは愛しているわ」

僕は、彼女の細い首に、手をかけた。

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