「健康的な食事には何が必要？」カンボジアのコオロギ農家さんに向けた栄養ワークショップを行いました
今年10月、タケオ州にある当社のコオロギ契約農家さんに向けて、栄養をテーマにしたワークショップを開催しました。今回はその様子をレポートします！
ぜひ、最後までお読みください😄
カンボジアの食事情
ワークショップを開催するにあたり、コオロギ農家さんに日々の食生活に関するアンケートを実施しました。解答には「お米と焼き豚」「お米と卵」など、お米+おかず一品という食事が多く、まだまだ健康を意識した栄養バランスに関する知識が薄いことが分かりました。特に子どもの栄養不足は、現在もカンボジアにおける深刻な社会問題の一つであり、5歳児未満の子どもの栄養失調率は、東南アジアの平均と比べても大きく下回っています。
出典：FIDR 「東南アジア・南アジアの栄養」https://www.fidr.or.jp/issue/nutrition.html
コオロギ農家さんには、小さいお子さんがいらっしゃるご家庭も多いです。お子さんの健康のために、食事の栄養について知りたいというニーズもたくさんあります。
少しでも現地の栄養課題を改善するお手伝いが何かできないかと思い、今回健康や栄養をテーマにワークショップを開催しました。
皆さんは「カンボジア（クメール）料理」と聞いて、何か思いつく料理はありますか？実は、日本と同じく米食文化のためお米に合うお料理が多く、また他の東南アジア料理ほど辛さや香辛料の独特の味がないため、日本人の口に合うお料理が多いのがカンボジア料理の特徴です！
そんな美食に溢れたカンボジアですが、健康を維持するための栄養バランスに関する知識はまだ薄く、空腹を満たすことだけを意識した食事や、安価に手に入る炭水化物や脂肪分の多い食品を多く使った食事が多いのが現状です。
ワークショップの概要・様子
このようなカンボジアのローカルの方々に向けたワークショップの実施は、エコロギーにとっても初めての試みということで、今回はエコロギーの契約農家さんを対象に行い、計7名の農家さんが参加してくださいました！
ワークショップでは、以下のコンテンツを行いました。
コオロギ生産における課題の共有
「五大栄養素」についてのレクチャーとクイズ
コオロギスープの試飲
1．コオロギ生産における課題の共有
はじめに、アイスブレイクも兼ねて、農家さん方が普段コオロギを生産する上で抱えている課題・困難を話し合いながら、出してもらいました。
「時期によって、バイヤーによる買取価格が安値になる」「飼料価格が高騰しており、生産にコストがかさんでいる」など、次々に意見が出てきまいした。日頃から農家さんとはコミュニケーションをとりながら生産・加工を行っていますが、このような場でじっくり課題を聞くことができて当社としても大変有意義な時間となりました。
2. 「五大栄養素」についてのレクチャーとクイズ
続いて、「健康的な食事には何が必要か？」というテーマでのワークショップを行いました。具体的には、「五大要素とは何か？」「それらが私たちの身体にどのような効果をもたらすのか？」について、当社のインターン生が作成したオリジナルポスターを使って、農家さんへ分かりやすくレクチャーをさせていただきました。
レクチャーの後は、実際にそれらを普段の農家さん方の食事に当てはめて、「この栄養素はどの食材に多く含まれているか？」「何が不足しているか？」のクイズを行いました！
自分たちが普段実際に食べている食事が、大きな写真に印刷されていることに、まずひと笑い起こり、クイズについても、解答にはメインの食材しか記載していなかったのですが、付属のピクルスや飲み物などまで、写真から拾って答えてくださいました😂
予想以上に盛り上がり、農家さん方も楽しんでくれているのが伝わりとても嬉しかったです！
3. コオロギスープの試飲
最後に、エコロギーパウダーで作ったコオロギスープの試飲会を行いました！
カンボジアにはもともと昆虫食文化があり、コオロギは普段からよく食べられている食材です。一方、食べ方としては素揚げが多く、パウダーにして食べることはないようで少し困惑している様子も見られました😂
しかし、実際飲んでみると「美味しい！」「コオロギの味もしっかりするね！」ポジティブな声がたくさんあがり、全員が飲み干してくれました！また、皆さんが大切に育ててくれたコオロギが、このようにパウダー状に加工され、日本で健康食品として食べられているということを、コオロギ農家の皆さんに知ってもらえる機会になったのも非常に良かったなと思います。
コオロギはタンパク質とミネラル（鉄分や亜鉛）を豊富に含み、健康的価値のある食材だと、しっかりと発信していきたいです！
コオロギの栄養価については、こちらの記事を▼
終わりに
普段の業務提携とは別に、こういった形で農家さんとコミュニケーションをし、より親密になれたことは、このワークショップを開催した大きな意義になったのではないかと思います。
たった一回のワークショップで、彼らの生活に大きな変化や改善をもたらすことは難しいかもしれませんが、農家さん方が、今回のワークショップで知ったことを思い出して、少しでも日常の食生活で意識してくれたらうれしいです。
エコロギーは、コオロギを起点に、温かみのある持続的な食料生産、そして地球と生命にとって健やかな生態系作りを目指しています。
今回のワークショップもその一端を担えていたら良いなと思うと同時に、今後もビジョンの実現に向けて、様々な機会を通じて発信していきたいと思います！
最後まで読んでくださり、ありがとうございました！次回もお楽しみに🌱
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