遠隔授業とアンケート

 本校もコロナウィルスの休校期間が4月から5月の上旬までありました。

その間学校として GoogleのGSuite機能を利用したクラスルームやミートを使った遠隔授業を行ってきました。これらの活動の振り返りとして、先日教員と保護者それぞれなアンケートが行われました。今日はその結果を見て感じたことを書こうと思います。
 まずはじめに感じた事はICT機器の利用に関する保護者の意識の違いです。意見や要望など様々な内容について返答して下さって、大変貴重な意見を頂戴しました。その中では、肯定的な意見、どんどん進めてほしいと言う意見もたくさんいただいて大変励みになっています。今後もこのような休校期間が訪れたり、通常の授業が続いたとしても、これらのICTの利用と言うのは教育には必要なものなので、どんどん活用していく必要があると考えています。
しかし、アンケートの中には、ICT関係に全く疎いと言う方もやはりいらっしゃるようで、それは全然悪くはないんですけれども、テレビ等で騒がれているような在宅ワーク等の情報と授業をごちゃ混ぜにして感想を述べていらっしゃるような形もういるのは事実です。具体的に1つ例を挙げると、zoomを使って授業をしてほしいと言う意見要望がありました。私たちはGoogleのサービスのmeetを使って生徒たちと対面でビデオ通話での授業を取り入れていました。zoomとmeetの機能はほとんど同じで、私たちができる範囲で考えうる活動っていうのはmeetでできたと感じています。厳密には微妙な違いがあるので、そこら辺に詳しい方で、やっぱり遠隔授業する際にはmeetよりもzoomの方が有効だというふうに考えていらっしゃる方であれば、なぜzoomの方が良いのか便利なのかと言うのを示していただきたかったですし、もしテレビやテレビ等で流れている遠隔のコミニュケーションツールとしてzoomが取り上げられているからと言う理由だけで使ってほしいと言う意見であれば、そんなに気にする必要のないご意見だと考えられます。そこで気にしているのが、それらの言葉を鵜呑みにしたICTに詳しくない管理職が、保護者が言うからzoomにしようと言い出すのではないかということです。想像するだけでコワイ...
アンケートの回答見る際には、その書かれた方がどのような思いでその大文章を書いたかと言うことを十分に考える必要があるのが当然だと思うのですが、改めてそうあるべきだよなと思ったのです。

 もう少し広げて見ると、記入された内容が疑問に思うことだったから私が今引っかかっただけなのですが、肯定的な意見の中にももしかするとそう言った、もう一度考え直してみるべき意見があるのかもしれません。実際にその保護者に会ってお話ししてみないとわからないと言うところも多あるのですが、やっぱり注意深くアンケート結果を見ていく必要があると感じました。
 次に感じたことをもう1つ書きます。それは遠隔授業の評価そのものが通常の教室での授業との比較で善し悪しを図っている人がほとんどだと言うことです。
 つまり、遠隔授業でどれだけ通常授業に近づけることができたか?場合通常の授業で得られる教育効果と同じくりクオリティーのものを得られたか?と言う点で評価する方が多いと言う印象受けました。
そのような視点で評価をすれば、当然ですが通常授業と異なる授業形態ですので不足があると言う意見が出て完璧ではないとなってしまいます。しかし、そもそも根本的な授業の狙いと言うものを考えたときに通常授業ではできないことがオンライン授業ではできるようになった、もしくはオンライン授業でなければこのような教育効果は得られなかった、授業で目指すべき目標の理想像がこのようにあって、そこに近づくためにこういうことが必要だったと言った意見があるべきだったのではないでしょうか。
 通常の授業じゃなければ理想の授業に近づけない、理想の授業を行えないと言う思い込みを外す必要があるのではないかと考えます。
 理想の授業とは、理想的な学習効果を得られる時間という事だと私は考えています。授業の形態そのものを見直し、その形態で最も学習効果を上げられるように教師は授業をデザインすることが必要だと考えます。これまでの固定観念を外してみるということが必要なのではないでしょうか。
 同時に、生徒のアンケートを見てみるとやはり生徒も通常の授業を求めていることがわかります。通常の授業にどれくらい近づけたかと言う評価も生徒にとっても先生方同様当然だと思うのですが、これまでの人生で授業と言うものは教室で机に座って先生の話を聞いたり、周りの友人と協力して活動したりする、ということを授業で行ってきたわけなので、当然ですのでその姿を追い求めるのは自然なことかもしれません。しかし授業本来の目的を果たすための活動と言う点に着目してみると、教室の中で行う活動これまでの活動のが理想であったと言う保証確証は無いのではないかと考えます。これらの生徒が理想的な授業だと考えるものは、これまでの教師が作り上げてきた授業像を生徒が背負わされたものであると私は思います。授業になれば教室にきちっと座って静かに先生の話を聞いたり、活発に手を挙げて発言したり、周囲の友達とグループワークを活発に行ったりすること、それが理想だと言う風な評価をしてきた結果であると考えられます。高校生を相手にしている私としては、もう一度その根本的なところから彼らを揺るがすことができるのではないかと思っています。なぜ授業を受けるのか、なぜその教科の学習をするのかどんな力をつけなければいけないのか、それを生徒自らが考えそれを得るための時間を授業と捉えられるようになれればと思っています。これまでの授業のスタイルわそ一度をぶっ壊す良い機会になったのではないかと考えます。
 同時にもう一つ逆のことを考えることも思い想い浮かびました。それは人間は与えられた環境でじゃないとできないと言う側面があることです。
 つまり生徒にとって勉強すると言う事は、間違いなく大変難しいことです。自分でハードルを乗り越える、勉強するというハードルを乗り越える事は難しいことだということです。オンライン授業になった時、家で1人で勉強しましょうと言われた時、どれくらいの人が我々教員が求め質や本人が望んでいる理想の勉強時間を確保し、集中して学習することができたのでしょうか?きっとうまくいかなかった子の方が多いはずです。私も実際、そのように集中できなかったと言っている生徒も数多く聞いています。これまでの授業と言う形に無理矢理自分を押し込めることによって勉強するという行動を起こしていたのも事実なのではないかと考えます。
 私から見て真面目だと思う生徒の中には、早く授業を開始して欲しかったと言う声があります。通常の授業を求めていると言うことです。そのように自分を無理矢理にでもを学習させる環境に置かなければならないと考えている生徒もいますし、それが無意識であったとしても授業に向かわせることによって強制的に学習をすることができていたと言う事実を受け止めなければいけないとも感じています。これは能動的なやる気なのかどうかと言う点においては疑問が残るのですが、確かに家に無理矢理にでもやらなければいけない状況を作ってしまえば、それはそれなりの成果が出るので、対面での授業を行う効果がそこにはあるのではないかと思ったところです。
ぐだぐだ書きましたが、結局私が言いたい事は次の通りです。
・アンケートを答えてもらった際にはアンケートを書いた人の背後の理解度や、それへの興味関心の度合いを注目する必要があると言う事。
・オンライン授業の良さはオンライン授業にあるために、オンライン授業の効果を測ろうと思ったら通常授業の理想で測ってはいけない。

・とは言っても生徒はこれまでのなれのせいで普通の授業の形態でなければ集中して学習ができないという体になっている可能性があるし、そういう環境を作ってあげると言うのも教育の1つの成果なのではないかと言う事。
以上、独り言でした。

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