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お笑いと食とモイ

たった5分の予定にわざわざ1時間もかけなければいけないとき、アニメを見ているときには感じないような時間の無駄を全身で感じてしまって、すこし呼吸がしづらくなる。今日もそんな日だったから、ポッドキャストを聞いて気を紛らわせながら電車に乗っていた。チケットの受け取りとか、わざわざ出向かなくても良かったな。郵送してもらえばよかった。あーあ。

こんな気持ちになったとき、お笑いか食かエロにしかそれに立ち向かう方法なんてないのに、電車のなかではどれもできない。笑えないし、食べれないし。エロいものなんて見れるはずがない。

茶色と金が混ざった長い髪が、電車に揺られてわたしの手に触れた。気持ち悪くて、けれどそこではらう動作をするのもどこが申し訳なくて、心の中でモイ、と言った。モイ、で全て無かったことにした。特に何も変わらなかったけれど。

気持ちを切り替えるときは、いつも心の中で「モイ!」と言ってしまう。モイ!お風呂を洗い中……のような。ツイキャス配信はしたことがないけれど、ツイキャスに一種の憧れがあったのかもしれない。

目の前の女の子は彼氏ときゃいきゃいと笑い続けている。髪の毛当てないでほしいなあ。


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