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551 HORAIから学ぶ顧客単価アップ法【地方の観光事業者が取り組むべきこと#005】

第5回目のテーマは大阪に拠点がある551 HORAIから学ぶ顧客単価アップ法です。
3月に関西出張に行った帰りに、関西国際空港の551 HORAIに立ち寄りました。551の肉まんと焼売は我が家で大人気で、関西方面に行った際は、必ずお土産に買って帰ります。

関西国際空港店は2023年10月1日にオープン。隣には、レストランが併設されており、席に座ってゆっくり551の味を楽しむこともできます。

私が訪れたのは午後1時頃で、チルド肉まんが売り切れていたため、昼食後の午後2時に出直しました。

今回は、551の店員の方から学んだことを共有させていただきます。


1.当日の購入予定のお土産

いつも私が551で購入するお土産は、チルド肉まん2箱とチルド焼売1箱、そして、エビ焼売1箱を購入します。ただ、当日は、ピーチ(peach)での移動が控えており、機内持ち込みの手荷物の上限の重さが7kgであったため、エビ焼売は絶対に買わないと決意して、長蛇の列に並びました。

2.551 HORAIの店員からの提案

自分の順番が来るまで、結構時間がかかると思っていましたが、店員の方の手際が極めて良く、待ち時間は10分程度でした。また、海外の方にも流暢な英語で対応されていました。

私は予定どおり、「チルド肉まん2箱とチルド焼売1箱。以上でお願いします。」と注文すると、店員の方は、間髪を入れずに「エビ焼売も焼売との食べ比べにいかがですか。」と私に提案されました。心の中で、「エビ焼売が増えると荷物がかさばるし、重くなるよな~。」と思っていると、すかさず、「エビ焼売はこんなにコンパクトサイズで荷物になりませんし、重さも気にならないですよ。」と言われました。

3.心地よい敗北

私は、「はい。エビ焼売も買います。」と答えました。そして、店員の方が、「たくさんお買い上げいただきありがとうございます。」というと、販売担当の店員全員に、「ありがとうございます。」と言われました。

あっけない敗北です。ですが、なんか悪い気のしない、心地よい敗北でした。

551 HORAIの店員の販売力を見せつけられました。

4.551の店員から学んだこと

今回、店員の方から学んだことが2つあります。

① 関連商品を提案する。クロスセル。
お土産や飲食など、お店のジャンルに関わらず、何か関連商品の提案ができないか考え、実行することが大切です。今回、出張帰りに複数店舗で買い物をしましたが、関連商品の提案があったのは551だけでした。提案しなければ、追加で買ってもらえる可能性はありません。

さらに、551の店員は、「エビ焼売もいかがですか。」ではなく、「エビ焼売を食べ比べにいかがですか。」と食べ比べという顧客の体験価値を追加で提案していました。エビ焼売を味わえるだけでなく、食べ比べができることは、大きな価値だと感じました。

顧客が購入したり検討したりしている商品に関連する別の商品を提案して追加購入を促すセールス手法

クロスセルとは

② 顧客の心理に配慮した先回りのフォロー
店員の方の顧客の心理に配慮した先回りフォローが秀逸でした。
前述のとおり、私の心の中の「エビ焼売が増えると荷物がかさばるし、重くなるよな~。」との不安に対し、店員の方は、「エビ焼売はこんなにコンパクトサイズで荷物になりませんし、重さも気にならないですよ。」と先回りでフォローをしていました。そして、これが私の購入の決定打になりました。

ほとんどの客は自分の不安を言いません。「エビ焼売が増えると荷物がかさばるし、重くなるよな~。」と心の中で思い、「エビ焼売はいらないです。」と断るだけです。

つまり、顧客が不安に思うことをあらかじめ想定し、先回りしてフォローしきることが重要です。

そのためには、顧客が断る理由について仮説をたて、実際にその不安を解消するための提案を顧客にし、成功確率が上がったか検証することが重要です。さらに、マニュアル化できれば、お店全体の売上アップにもつながります。

5.まとめ

人手不足が著しい昨今、人材確保には、賃金アップが必須となります。大人気のお店であっても、従業員がいなければ、休業を余儀なくされます。

そして、賃金アップのためには、客単価のアップに向けた「関連商品の提案」が欠かせません。

まずは、ほとんどのお店がやっていない「関連商品の提案」をやってみてはいかがでしょうか?打席に立たないと打てませんし、打つための知見もたまりません。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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