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ガイドドライバー解禁!とりあえずやってみることが重要!【地方の観光事業者が取り組むべきこと#006】

第6回は、先週、ガイドドライバー解禁に関するウェビナーを視聴して学んだことに触れたいと思います。
通訳案内士等のガイド業界では、大きな話題になっていますが、2024年3月1日に国土交通省物流・自動車局旅客課長より、「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて」という通知が出されました。

要は、これまで禁止されていた通訳案内士等の自家用車でのガイドについて、3月1日以降は、ガイド代とガソリン代等の実費相当額を受け取るだけであれば、認められるようになったというものです。ただし、これまで同様、車での移送に伴う人件費相当額をもらうのはNGとなります。

https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001338101.pdf

今回のウェビナーでは、㈱羅針盤の佐々木文人さんがモデレーターを務め、ベテランガイド、これからガイドドライバーになることを検討されているガイド、旅行業を取得しているDMO職員等が参加されていました。


1.ウェビナーの第1部(ガイドドライバーの課題)

第1部は、ガイドドライバーを実施する場合の課題がテーマとなっておりました。
まず、ガイドドライバー検討中の方からは、万が一、事故を起こした場合の保険対応について質問が出されました。
ベテランガイドからは、自動車保険を通勤・通学用から業務用に切り替え、ガイドドライバー時の事故に対応できるよう保険をアップグレードすると安心である旨の回答がありました。

また、運転をしながら、英語でガイドをすることに不安があるとの意見が多く出されました。英語でガイドしながらの運転は安全面で問題がないか?運転に集中するのは難しいのでは?など、不安の声が上がりました。不安の声は、私が、鹿児島で同様のテーマの意見交換会を行った際も出てきた意見です。

2.ウェビナーの第2部(実例紹介)

第2部は、すでにガイドドライバーをされているAさんの実例紹介でした。
Aさんは、インバウンド向けに京都でドライバーガイドをされている方で御年79歳。大ベテランです。元々タクシードライバーをしていたが、数年前に定年退職。そして、今回のガイドドライバー解禁を受け、すでに、20件以上の自家用車を使ったガイドツアーを催行しているとのことでした。19時スタートのウェビナーでしたが、当日もツアー催行後、ウェビナーに登壇されていました。

Aさんは、79歳でドライバーガイドをするために、2つ工夫をされていました。
1つ目は、清水寺を組み込んでほしいとのオーダーが多いが、駐車場がなく、立ち寄ることが難しいため断っているとのこと。
2つ目は、運転中に外国人のゲストから英語で、宗教等の込み入った質問があった際は、「車を降りてから、ゆっくり説明しますね。今は運転に集中させてください。」と答えるとのことであった。ゲストは快く了承してくれるそうだ。

Aさんによると、家族連れや高齢で足が不自由など様々な事情を抱えた訪日客は、どうしても車での移動が必要になる。ガイドドライバーの需要は、ものすごく感じているとのことでした。

3.79歳のガイドドライバーAさんからのメッセージ

「運転しながらの英語のガイドは不安。」との声に対して、Aさんは、「運転しながらのガイドはまったく問題なくできます。全然難しくない。最初の一歩を出すのに抵抗があるかもしれないが、やってみたらいい。できますよ。万が一の事故を心配していたら何もできない。やったらいい。」ときっぱり言い切られていました。圧倒的自信。

そして、「ガイドたるもの、旅行会社から送客してもらうのではなく、自分でホームページを立ち上げて集客すべきです。ホームページなんかすぐにできます。私は1度も旅行会社から客を受けたことはない。」ともおっしゃっていました。

79歳のAさんが、ガイドドライバーの実践者として、若い世代に、「とにかくやれ。やらんと始まらん。」とパッションを持って問いかけられていました。実践者の言葉には重みがあります。痺れました。

ガイドドライバー解禁から、もうすぐ、2カ月が経とうとしています。地元でカヤックツアーをされている方が、雨で中止となったツアーの代替として車で桜島(鹿児島市)を案内されていました。即実践したことで、クルーズ船のインバウンドのファミリーから高評価。かつ、雨天時のマネタイズにもつながったようです。

ガイドドライバーの解禁は、テレビ等の報道は見ないものの、ガイド業界にとってはビッグニュースです。ただ、不安が先行し、なかなか、実践できない人がいる一方で、とりあえずやってみる人がいます。
当然、後者でないと、PDCAサイクルを回した改善ができないし、本当の意味の課題を見つけることもできません。そして、何より打席に立たない人がヒットを打つことはありません。

訪日客にもっとお金を落としてもらえるよう、今後も様々な規制緩和が予想されます。DMOの職員の立場で、地元の事業者やガイドの方にチャレンジしてもらえるよう、しっかり後押しをしていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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