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鍼灸院に学ぶリピーター確保方策!【地方の観光事業者が取り組むべきこと#008】

第8回のテーマは、「鍼灸院に学ぶリピーター確保方策」です。

高校3年の野球部の息子が、外野の守備で、左肩のインナーマッスルを痛めたため、先日、近所の鍼灸院を訪れました。
今回は、鍼灸院に学ぶリピーター確保について、話を掘り下げます。


1.施術をした有名人の色紙の掲示

錦織圭選手や氷川きよしさんなどの色紙やPUMA社からの高度な技術を持つ鍼灸師の認定証などが掲示されていました。
初めて訪れた鍼灸院でしたが、著名人のおすすめや企業等からの認定証は、改めて、お店の信頼につながると感じました。
さらに、この鍼灸院はパリオリンピック出場選手のサポートもする予定になっていました。

2.知り合いの紹介の来店が多い

その鍼灸院は他の野球部員の保護者の紹介で通うことに決めましたが、店主によると、紹介での来店が多いとのことでした。
紹介された立場でお店を訪れると、施術前から、妙に、お店に対する信頼があります。施術による大幅な痛みの軽減など、お店の良さを聞いているので、安心してお店を訪れることができます。
さらに、我々のようにお客さんの紹介で獲得した客はプロモーションコストがかかりません。一般的に、新規顧客の獲得は、既存顧客にリピートしてもらうより、5倍のコストがかかると言われています。紹介で新規を獲得する好循環をつくることができれば、大幅なコスト削減にもつながります。

3.保護者(決裁権がある人)に子供の施術を見てもらう

息子の施術中、私は、受付の待合スペースで待っている予定でしたが、施術をする院長から、「お父さんも、一緒にどうぞ。」と中に案内され、息子への施術を見ることになりました。

院長はまず、息子が痛めている左肩の筋肉を手で触った後、「30分もあれば、良くなりますよ。」と断言されました。圧倒的な自信です。

院長によると、息子は、左肩のインナーマッスル(筋肉の深い部分)のクロスする筋繊維同士が癒着してしまい、左肩の可動域が狭くなっているとのことでした。治療は、院長の手でくっついている筋繊維同士を剥がしつつ、再び癒着しないように、患部を電気治療するというものでした。錆びて動かなくなった自転車を、力業で一旦動くようにしつつ、チェーンにKURE556などの潤滑油をスプレーするようなイメージです。

そして、本当に30分で息子の左肩の痛みは劇的に解消されました。有言実行です。私の院長への信頼は最高潮に達しました。

よくよく考えると、子供の怪我等の治療先を最終的に決まるのは、親です。親の信頼を得ることができれば、また、リピートしてもらえます。

私は、心の中で、また、何かあったらこの鍼灸院にお世話になろうと、決心していました。

決裁者にサービスの価値を知ってもらうことは最も重要なことです。

4.付き添いの保護者も通いたくなるメニューの充実

この鍼灸院は、高校生の野球部員がスポーツ鍼灸でお世話になった後、その親がリピーターになっていました。が、今回、その理由がよくわかりました。

保護者が利用したくなるメニューの充実です。骨盤矯正や猫背矯正、美容鍼灸など。

目の前で、子供の肩の痛みを30分で解消するという離れ業を見せられると、何かしら体の痛みや美の悩みを抱えている親としては、自分もやってみたくなるものです。

5.まとめ

この鍼灸院のリピーター施策をまとめます。

①有名人の色紙の掲示するなど、新規ゲストの信頼につながる情報は必ず発信する。
②知り合いに紹介してもらえるよう感動レベルのサービス提供(短時間での痛みの解消)を行う。人の紹介で、実際に来店し感動すれば、また、人に紹介したくなります。
③子供が鍼灸院に通うかどうか、決裁権のある保護者にサービス品質を理解してもらう。
④鍼灸のニーズがある保護者向けのメニューを充実させる。

この鍼灸院のロイヤルカスタマー(優良顧客)化の1パターンは、「顧客からのロイヤルカスタマーになるポテンシャルの高い人を紹介してもらう」です。

観光でロイヤルカスタマーになるポテンシャルが高い人は、業態や個別のお店によって異なりますが、次のような共通点があります。

①全業態に共通する部分では、自社のポイントや特典を積極的に活用する人
②飲食業では、地元の外食する機会が多い人、ビジネス客や旅行が趣味で観光地を頻繁に訪れる人
③宿泊業では、ビジネス客や旅行が趣味で観光地を頻繁に訪れる人、温泉・サウナなど宿泊施設の付随施設を気に入った人、定期的に開催される地元のイベント・学会に参加する人
④お土産屋では、ビジネス客や旅行が趣味で観光地を頻繁に訪れる人、お茶、お菓子などの特定のお土産を愛用している人、季節ごとのお土産を好む人、記念日などにお土産を贈る習慣がある人

ぜひ、自社のロイヤルカスタマーがどんな人なのか、解像度を高め、誰に紹介してもらうのが良いか、考えることから初めてみられてはいかがでしょうか。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。


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