気力体力の衰えに向き合う
コロナが落ち着いて年末年始に実家に帰ったのだが、2年ぶりに会った親は体調不良のオンパレードだった。
私自身も30代になって自らの知力・体力の衰えを感じるようになった。
生命保険の意義を理解するには、人間の衰えに対する想像力が重要だ。そこで読んだ本がこちら。
完治の見込みがない人が自宅で幸せな最期を迎える、いわゆる終末期医療で重要な要素を著者の豊富な経験を交えながら語った本だ。
ロングセラーだけあって、驚きの内容がたくさんあった。
人は頭の動きと身体の動きのバランスが取れていることが重要
頭が回るのに体が動かないと人は気が狂ってしまう。
そのため、体が衰えるのに合わせて認知能力が下がっているのは悪いことばかりではないという。
なんだかうつ病にも関連がありそうな話のような気がする。
生き延びさせることだけを目的とした医療への疑問
嚥下機能が低下して経口で食べ物を摂取できなくなると、胃ろう(胃に穴を開けて直接食べ物を流し込む)などで栄養をとるようにする。
身体が更に弱ってくると、水分と栄養の与え過ぎは身体が消化しきれず、お腹が張ったり痰が出て苦痛になってくる。
そうなると、著者は徐々に栄養や水分の摂取を減らしてゆき、身体が枯れてゆくのに任せるという。
そのままどんどん干からびて脱水症状になると意識が朦朧として、患者は「気持ち良い」という感想を漏らす。
保険会社はどちらかというと「よりよく生きたいですよね?そのためにはお金を備えましょう」という思想で保険を勧める傾向にある。
しかし、終末医療は治る見込みがないのでそれとは対極の思想なのだ。180度違う考え方だが、これは完全に盲点だった。
記事のオリジナリティについて
余談だが、最近私の記事は本の引用の割合が多くなってきた。
noteを始めた最初は「自分の頭で考えたこと100%の記事を書きたい」という思いが強かったが、人1人の頭で考えたくことなど限りがあるし、いわゆる"車輪の再発明"も多くなる。
それよりは、優れた先人たちの考えを多く取り入れた方が、自分の考えも深まりやすいと感じるようになった。
専門書の引用が増えるにつれて内容もニッチさが増しているような気がするが、これも自分の持ち味だと思って引き続きやってゆきたい。
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