見出し画像

私のプロフィール その2 〜無力感が殻を打ち破る原動力になった話〜

この記事は以下の記事の続編です

できないことだらけで無力感に襲われる

前回書いた通り、システム部門でイマイチ馴染めなかった私は営業現場へと異動になりました。

そして、ここでの経験は私の仕事観を良い意味で大きく変えてくれました。

配属された当初は、商品のニード喚起ができない、お酒の席でのテーブルマナーも知らない、社内営業と言われる周りの人のご機嫌取りも上手くできない、とにかくないない尽くしの毎日で、無力感に苛まれていました。

そんなある日、転機が訪れます。


外貨建保険の販売


低金利時代におけるお客さまの資産運用ニーズを満たすため、外貨建保険の販売が本格化し、私がその推進役に任命されたのです。

外貨建保険商品の内容を調べ、おっかなびっくりで提案していくうちに、「これはチャンスだぞ」と思うようになります。

大学で金融を専攻し、金利とか為替の基礎的な知識は持ち合わせていたため、外貨建保険のリスクとメリットはすぐ分かりました。

一方で、当時社内には外貨建保険に詳しい人間がほとんどおらず、完全なるブルーオーシャンです。

社内政治が下手であっても、人は役に立つ人間のことは嫌いになれないものです。ここを掘り下げれば居場所を見つけられると確信しました。

外貨建保険にお客さまが求めるものは何か。それはお金を増やすということです。そのため、セールスの人間は「どれぐらいお金が増えるか」の情報を的確に伝えなくてはいけません。

そこで、お客さまのところに訪問する前には、「5年目、10年目の節目でどれぐらいの解約返戻金が貯まるのか」について様々なバリエーションで試算し、数字を頭に叩き込みました。

会話の流れを見ながらここぞというときに「○年後に〇〇%増える資産運用に興味はありますか?」と聞くためです。

富裕層の人たちの本音


ちなみに、営業を通じて沢山のお富裕層の方にお会いしましたが、「担当の〇〇さんは駆け引きをしないからいいんだよね」という言葉は今でも強く印象に残っています。

お金持ちのところには沢山の悪意ある人たちが集まってきます。そんな環境で過ごしていると、正直にメリット・デメリットを語ってくれる営業担当というのはとても信頼できるようです。

この経験があったので、外貨建保険のリスクとデメリットについては特にしっかりと説明しました。

さらに、本屋さんで経済誌を立ち読みして、自分なりの「今後の経済動向のストーリー」もまとめました。

たとえ同じような内容だったとしても、誰もが使う決まり文句とかフレーズは使わないようにしました。相手が「またいつものパターンだよ」と心のシャッターが閉じてしまうからです。

社内の布教活動も重要です。全員が集まる会議の場で話をするのも大事ですが、個別に1人1人と雑談混じりに外貨建保険の良さ・悪さを語ってゆきました。

そうして地道な取り組みを続けていくうちに数字が上がり始め、良い評判が広まり、ますます数字が上がるという好循環が回り始めました。

私が配属されたのは高所得者が少ないとされる田舎でしたが、最終的に外貨建保険で全国4位の個人販売実績を上げることができました。

営業現場の人たちの誇り


保険の営業と言えば、世間的には押し売りのイメージがあるのではないでしょうか。

だだ、現場を経験した立場でいうと、売れている人ほど営業の仕事に誇りを持ち、無理に勧めることも、お客さまの損になるような提案もしていませんでした。

GIVE&TAKEではなく、「GIVEしてGIVEしてGIVEしてTAKE」の精神を徹底している姿は数えきれないほど見てきました。

お客さまの利益にならないと思えば、会社の打ち出すノルマを無視する人すらいるほどです。

今は情報の入手が簡単になり、営業担当がはじめましてと挨拶する時点でお客さまは既に比較のための情報を集め終わっている、なんてことも普通になって来ました。

営業はもはや「情報を与えてニード喚起する場」ではなく、ネット情報の裏取りと、相手の誠実さを試す「答え合わせの場」になっています。

現場の最前線は随分前からその変化を感じ取っていて、優れた営業担当者ほど誠実で最適な提案の探求を積極的に行なっていました。

このような営業の姿勢は、私が外貨建保険を販売する際にも大いに参考になりました。


そんなこんなで営業を2年経験し、システム企画への異動を命じられるのですが、知識ゼロの状態から創意工夫を凝らして自分の居場所を作った経験は大きな自信になりました。

こうして、営業現場とシステムの両方を経験した私は、システム企画という新しい仕事に取り組むことになります。


この記事が参加している募集

自己紹介

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?