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ヨガの土台はリラックスした呼吸

腹式呼吸

私が幼少期に「お腹で呼吸して」「横隔膜で呼吸しなさい」と言われ、初めて呼吸法を習ったとき、おそらく母は私に深い腹式呼吸をするように指示したのでしょう。

ヨガインストラクターの皆さんも、ヨガを指導していると、多くの生徒さんが腹式呼吸の習得に苦労していることに気づくはずです。

それは、日頃お腹に力が入っていて、胸で呼吸するパターンになっているからだと思います。

ヨガを始めたばかりの生徒さんの多くは、自分の呼吸パターンに気づいておらず、あまり考えたことがないかもしれません。

何度も復習する必要があるレッスンのひとつが、腹式呼吸、胸(鎖骨)式呼吸の違いです。

腹式呼吸はリラックスした呼吸であって、腹筋を使ってお腹を押したり出したりするためのものではありません。

この自然な呼吸では、肺が空気で満たされると、下腹部の内臓(内臓とその周りの液体)が圧縮されるため、お腹が外側に動き始めます。

肺が空気で満たされると、内臓(内臓とその周りの液体)が圧迫され、お腹が外側に出てきます。

息を吐くとその圧迫が解消され、お腹が内側に移動します。この自然で健康的な呼吸パターンでは、肋骨も穏やかに動きます。

腹筋を伸ばしたり緩めたりすることは、生徒さんに「腹式呼吸」を促すのに役立ちますが、生徒さんが理解するまでには時間がかかり、時には異なるインストラクションやイメージが必要になることもあります。

呼吸をしながらお腹に意識を向けさせ、筋肉を意識的に動かすようなインストラクションをしないというのも、良いスタートだと思います。

私や他の多くの指導者は、「腹式呼吸」の一般的なインストラクションを何年も使ってきましたが、一部の生徒さんにとっては「横隔膜から呼吸する」というインストラクションは伝わりにくいように感じています。

イメージトレーニングが得意な生徒さんに効果的なインストラクションがあります。

インストラクション例:
自分が逆さのスポイトだと想像してください。
このイメージでは、スポイトの球がお腹にあり、スポイトの先端が鼻の後ろにあると想像します。
ここで、一旦球を優しく押しつぶすようなイメージ、そこから球を離すと、息が入ってくるのには力が要らないということに気づくでしょう。

あなたも今までの経験の中から個性的なインストラクションを生み出したり、自由に発想した興味深い例えなどを使って是非指導してみてください。生徒さんたちと、普段と違ったコミュニケーションができるかもしれません。
あなたにも必ずクリエイティブなインストラクションを作り出す力があるはずです。

胸式呼吸

胸式呼吸(鎖骨呼吸)では、息を吸うときに腹筋が内側に入り、胸と鎖骨が持ち上がります。

このような浅い呼吸法は、運動時などには必要な場合があるのですが、付属する筋を酷使するため、長期的な健康問題を引き起こす可能性があります。

また、胸式呼吸の人は、息を吸う時間が短く、息を止める癖がある方も多いようです。

ヨガセラピストは、胸式呼吸のような不健康な呼吸パターンが、診断されていない医学的問題の核心である可能性を指摘しています。

しかし、医学界ではまだ完全にはこの考えを受け入れていない場合もあるようです。
ヨガアート®インスティテュートでは医師や理学療法士を交えて、このような内容への研究に取り組んでいます。

ヨガで目指す健康的な呼吸

健康的な呼吸では、背中や脇腹の動きも含め、体幹全体がゆったりとした動きをしています。

また、ヨガアート®で行う360度を意識した呼吸では、良い姿勢になったら、首をあまり動かさず、背中や腰の後ろ側にも呼吸を流し入れるようにします。
ヨガで目指す健康的な呼吸では、まず穏やかで安定したペースが必要です。

穏やかで規則正しいリラックスした楽な呼吸ペースを学ぶことは、ヨガを始めたばかりの生徒さんにとって素晴らしい第一歩となります。

実は、ヨガ歴の長い練習生の中にも呼吸の練習へのアクセスが滞っている場合があります。ポーズだけを見ると、とても能力の高い方のようにみえたとしても、ヨガではやはり内側で何が起こっているかの方が重要なのです。

人からどう見えるかよりも、内側で自分自身が「安心」できているのか、それが最も大切です。

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