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なぜ今さらWebtoon制作スタジオをはじめたのか

こんにちは!エコーズで縦スクロールマンガ(Webtoon)スタジオの責任者をしている芹田(@seri_jp)です。
私たちエコーズは、先日、バンダイナムコグループと共同運営する縦スクロールマンガレーベル「バンダナコミック」を発表しました。

ありがたいことに多くのお問い合わせを頂いている中で、クリエイターさん・企業さんより、後発でありながら『なんで今さらWebtoonスタジオをスタートしたの?』と、ご質問をいただく機会が多くありました。

そのため、このnoteでは、「他の制作会社やスタジオとどのような違いがあるのか?」「どんな作品を作ろうとしているのか?」といった内容を含め、数年前から日本でも盛り上がりを見せているWebtoon(縦スクロールマンガ)業界に後発で参入し、スタジオをはじめた経緯と今後の展望について、私たちエコーズの想いを書いていきたいと思います。

作家さん、クリエイターさん、パートナー企業のみなさんにとって、少しでも私たちのことを知ってもらうことで、一緒に素晴らしい作品づくりを目指す、きっかけになれば幸いです。

後発でもまだまだチャンスがあるWebtoon

「開拓の精神」を忘れずに、挑戦する価値ある市場!

最近明るいニュースが多いWebtoon市場ですが、日本ではまだまだ黎明期であり、未成熟な市場だと私たちは考えております。

具体的には、
・一般ユーザーへの認知度がまだまだ低く、読者層が広がりきっていない
・読者に届ける配信先プラットフォームやメディアも、増えつつあるもののまだまだ少ない
・作品の作り手側も、作家・編集者・チームともにノウハウが蓄積されていない

といった、ニワトリとタマゴ問題を抱えている状態だと思っています。

そのため、各社さんがそれぞれの戦略を元に、先行投資としてチャレンジしている市場立ち上げ期のため、売り方やビジネスモデル、作品のジャンルや表現など、あらゆる面で日本のマンガやアニメと比較すると多様性が乏しいのが実情だと思います。

そういった未成熟 = 未開拓の市場であるWebtoonは「チャンスがたくさんある」といえますが、当然ながらチャンスがあるからと言って闇雲にチャレンジしても、世界に響く大ヒット作品を生み出せるわけではないと思っています。

私たちは後発だからこそ、先行する様々な分野のWebtoon関連企業さんや、Webtoon作家・読者さんたちと会話を重ね、「いま何が求められているのか」「自分たちが力になれるのはどこか」「逆に何が問題なのか」といったユーザーヒアリングを重ねました

いい作品を作り、届けることが大前提ではありますが、そのためには作り手も売り手も届け手も、そして何より読者の方々も、Webtoonに関わる様々な人たちがWin-Winとなる仕組みづくりが必要で、どこかの分野をただ機能的に極めるのではなく、中長期的な視野を持って、作品を一緒に作り、広げていく、作家さんや企業さんとのパートナーシップが重要だと気づきました。
(当たり前のことなんですが、ここがしっかり腹落ちするまで、関係者との目線合わせに時間をかけました)

特にWebtoonはマンガの数倍以上のコストが掛かるため、作品を広く・永く育てていくためには、制作面の課題だけでなく、時間的にも資金的にもそれなりの投資が必要になります。

そのため、同じWebtoon作品を作ったとしても、パートナーシップの組み方によって作品がグローバルで広がる可能性に大きな差が出ると考え、作品ごとにベストなチーム体制を作ることができれば後発であったとしてもまだまだチャンスはあると捉えて、エコーズはバンダイナムコグループとのパートナーシップ体制の元、Webtoonに本格参入するに至りました。

今の国内Webtoon傾向への違和感

何かが間違っている違和感を感じる風景画

そんな中で、様々な関係者さんへのヒアリングを通じて見えてきた「作り手・届け手側の視点」と、自分自身がいち読者としてWebtoonを楽しんできた「読者側の視点」から、今の日本国内のWebtoon傾向には違和感を感じる部分が多々ありました。

それは、Webtoon市場が未成熟ゆえに、「まずは」マーケットイン的な発想で作られる作品が多く、読者も作品の選択肢や機会が限られ、結果的に作品の裾野が狭い「構造」になりやすい状態にあることです。

日本の多様なマンガ・アニメ文化で育ってきた一読者としては偏りがある現場に違和感を感じずにはいられませんが、一方で経営者視点で見た時に、未成熟なWebtoon市場の現状の事業性を考えたら、戦略的には仕方のないことだと理解もできます。

しかしながら、まだまだ黎明期の未開拓なWebtoon市場において、読者を限定し、既存のデータのみを重んじ、結果的に新しいクリエーションにチャレンジする意識が薄れつつある現状には、危機感を禁じえません。

当然ながら経済性や市場性は重要ですが、そもそも作り手としては「こんな作品を自分も作ってみたい!」「こんな表現にチャレンジしたい!」という創作意欲が根底にあると考えており、そういったクリエイターの琴線に触れるような、次代を拓く作品を生み出す気概と情熱を持った関わり方がしづらい状況になりつつあることにはやはり違和感を感じます。

日本には、マンガ、アニメ、ゲームなどの、オタク経済圏をグローバルで活かしてきた強みがあります。
しかし、そのコアとなる作品づくりにおいて、Webtoonという新しい市場では多様性が出しづらい状況になっており、その結果、オタク経済圏の中に上手く入り込んで世界に広がっていくような作品が、Webtoonから生まれづらい状況になりつつあるように思います。

逆にこの課題を解決することが、より市場成長を牽引することに繋がるため、Webtoonをもっともっと盛り上げていくことが出来るのではないかと考えるようになりました。

ピラミッドの土台が広ければ広いほど、高いピラミッドが建つように、作品の裾野が広がれば広がるほど、ヒットの大きさも大きくなり、その大きな利益が、次世代のクリエイターさんたちがチャレンジできる機会につながると思っています。
日本のマンガやアニメのように、日本発のWebtoon作品が、今後数十年に渡って世界で発展していくためには、今の世代だけではなく次世代のクリエイターさんたちにもバトンを渡していくことが重要だと考えています。

マンガ×アニメで日本ならではの作品づくりに挑戦

次世代にバトンを繋いでいくために“いい作品"をつくり続ける

そんな課題を解決していくために、バンダイナムコグループとのパートナーシップ体制の元、今の国内Webtoon傾向にとらわれない作品づくりに挑戦できる体制を整えました。

また、わたしたちエコーズは、マンガを中心に事業を行ってきた会社ではありますが、Webtoonにおいてはマンガをベースにしつつも、製作と制作の両面で「日本アニメ」の考え方をかなり参考にしたものづくりに挑戦しています。

■制作面では、
アニメ業界が培ってきた集団での作品づくりのノウハウや文化がWebtoonの制作体制と相性が良いと感じていること。

■製作面では、
これまでお話したような背景から、作品を作るだけでなく一緒に広げていく関係者とのパートナーシップ構築においても、アニメのノウハウや文化がWebtoonにも活かせると考えているからです。

そんなアニメ業界の製作・制作ノウハウに関しては、私たちの株主でもありアニメ業界における豊富な実績と制作ノウハウを持つ株式会社バンダイナムコフィルムワークス(旧:株式会社サンライズ)の方々と、日々人材交流・技術交流を通じて、ものづくりに向き合っています。

アニメ業界とマンガ業界の製作・制作ノウハウを融合したものづくりこそが、エコーズならではユニークな制作スタイルであり、そこを追求していった先にこそ、今までにないようなグローバルでのヒット作品創出につながってくると確信しています。

さらに、私たちエコーズでは、「オリジナル作品への情熱」を特に重視しており、Webtoonならではのオリジナル作品を多く生み出し、「オリジナルWebtoonならエコーズ!」と言われるような、オリジナルに強いWebtoonスタジオを目指しています。

韓国のプラットフォーマーさんや素晴らしいスタジオさんたちが、かなり先行して世界で活躍している中で、私たちが目指していることは決して簡単なものではありません。

そのためには、多くのクリエイターさんやパートナー企業の方々との協力関係が何よりも重要だと考えており、短期的な取り組みではなく、中長期的にWin-Winとなるよう信頼関係を築いていきたいと考えております。

基本的には、作家の皆様とは1作品のみでのお付き合いではなく、数年単位(複数作品)で一緒にお仕事をしていきたいと考えております。

なぜなら、「スタジオ型でのチーム制作」を主としている私たちエコーズでは、チームとしての基礎力が重要だと考えており、Webtoon制作のノウハウを一緒に蓄積して高めあっていきながら、数年後に世界で戦えるクリエイティブ基盤をつくりたいと思っているからです。
※実際にお仕事をしてみた結果、弊社の力不足で上手く行かないことや、双方の価値観が合わないこともあるとは思いますが、基本スタンスとしては弊社の作品づくりにコミットしていただいた方々には、継続してお付き合いをしていきたいと考えています。

新しいものづくりに挑戦する仲間を積極募集中!

「様々な役割 」×「多様な関わり方」で仲間を募集中

そんなエコーズですが、まだまだビジョン実現までの道すじは遠く、多くの漫画家・クリエイター・パートナー企業の方々の力が必要です!

世界で愛される作品をめざして、面白い作品をぜひ一緒に作っていきませんか?

作品制作に参画頂けるクリエイター、パートナー企業の皆さまからのご応募をお待ちしております!

▼クリエイター・採用のご応募・お問い合わせ
http://bit.ly/3xjTMB1

▼パートナー企業ご応募・お問い合わせ
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※本取り組みに沿っていないと判断させて頂いた場合、ご連絡できない可能性もございます。何卒ご了承くださいませ。