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Z世代の女子サッカー応援 Jリーグと異なる選曲も インカレ決勝は2024年1月6日(土)13時キックオフ

決勝のカードは山梨学院大学vs早稲田大学に決定

2023−24 WEリーグは2024年1月6日(土)に広島広域公園第一で開催される第7節・サンフレッチェ広島レジーナvsノジマステラ神奈川相模原で再開される。そして、同日、東京・味の素フィールド西が丘で、もう一つ、女子サッカーのビッグマッチが開催される。インカレ(第32回全日本大学女子サッカー選手権大会)決勝だ。

これまでの大学女子サッカーの常識を覆す山梨学院大学

決勝は山梨学院大学(第37回関東大学女子サッカーリーグ戦優勝)と早稲田大学(第37回関東大学女子サッカーリーグ戦2位)の対戦となったので、順当に有力チームが勝ち上がったといえる。ただ、準決勝の戦いぶりと第37回関東大学女子サッカーリーグ戦の結果を見ると、山梨学院大学の力が抜きん出ていると感じる。他のチーム、いや、従来の大学女子サッカーチームの監督が求めてきたことよりもワンランク上を監督は要求し、選手はそれに応えているように見えるからだ。攻撃の組み立て直しを素早くできるチームだ。自分たちの間合いを十分に確保しなくても、相手の逆をとって難なくボールを前進できる。だから攻撃に連続性がある。

準決勝は25分までに3得点し東洋大学に3-1で圧勝。2得点の伊藤琴音選手は1年生。速くて上手い、第37回関東大学女子サッカーリーグ戦の新人王で得点王だ。もう一人の注目選手は栃谷美羽選手。見てほしいのはパスを受けるまでの予備動作。前後左右に細かくポジションを変えて、パスを受けやすい位置と身体の角度をつくる。だからプレーが正確だ。

実力者を有する早稲田大学

対する早稲田大学は切り札を持っている。準決勝の帝京平成大学戦ではシビアな守備に手を焼いたが大山愛笑選手のフリーキックを後藤若葉選手が鮮やかに決めた。二人は日テレ・メニーナでチームメイト。後藤選手は第19回アジア競技大会(2022/杭州)で日本女子代表として活躍。決勝にも出場し優勝に貢献。この春、三菱重工浦和レッズレディースに加入が決定している。大山選手は2021-22 Yogibo WEリーグに日テレ・東京ヴェルディベレーザの一員として出場し得点も記録している実力者だ。

第37回関東大学女子サッカーリーグ戦では勝ち点差が9も開いた両チームだが一発勝負の行方はわからない。日本の女子サッカーのニューウェーブを感じてほしい。

新しい波を感じる応援パフォーマンス

そして、もう一つ、注目してほしいのは、ベンチ入りできなかった選手たちの応援パフォーマンスだ。準決勝2試合4チームのバックスタンドでの応援にも個性があった。

2つの太鼓がリズムを生み出す山梨学院大学

多くのバリエーションで、Jリーグクラブの応援のメロディを取り入れていたのは山梨学院大学。4チームの中では最も人数が多く約40人。スタンドの最前列から最上段までのワンブロックを使用した。メガホンとタンバリンを使用している。

チャレンジが光る東洋大学

東洋大学もJリーグクラブの応援のメロディを取り入れていたが、時折、目新しい曲を取り入れていることに驚いた。YOASOBIの『アイドル』や新しい学校のリーダーズの『オトナブルー』のような2023年のヒット曲を採用しているのだ。これらの曲は定番チャントよりもメロディが難しい。でも、日頃から馴染みがあるメロディーだから取り入れるZ世代らしい応援と感じた。人数は約15人で最前列に横並びのスタイル。メガホンを使用している。

つながりと初々しさの帝京平成大学

帝京平成大学は、今の時代らしく「つながり」を大切にするスタイル。キックオフ直前の円陣を組む前に、ピッチ上の選手はバックスタンドに向かって「つながってるよ!」と叫ぶ。約15人。メガホンとカウベルを使用している。90分を通してのテンションの高さでは一番だろう。スケッチブックで示された歌詞を皆で読んでいる時間もあり、この大会で導入された新しい曲もありそう。

早稲田大学は約10人。試合前にピッチ上の選手と「つながり」を示すとき以外は着席。歌やコール、手拍子といった応援パフォーマンスなく、試合を見守っていた。

勝敗に左右される幅が小さい大学女子サッカーの応援パフォーマンス

大学女子サッカーの応援は、女子サッカーの応援ながらアビスパ福岡のラブソング『博多の男なら』を取り入れるチームもありボーダレス。何しろ悲壮感がなく楽しそうなのが良い。12月に開催された試合に際しては、セレッソ大阪ヤンマーレディースのコアサポーターが試合会場のヨドコウ桜スタジアムを訪れ、S N Sに「『応援とは』を学びに来ました」とポストしている。第一試合の東洋大学は序盤から大量リードを許してしまった。それでも、応援のボリュームは下がらないし笑顔に溢れていた。そのスタイルはWEリーグのファン層へ共感を広げるかもしれない。Jリーグとは異なり直近のヒット曲のメロディが取り入れられているため、大学女子サッカーから、サッカーの新しい応援が広がっていく可能性がある。決勝では、彼女たちの歌声にも注目してほしい。

大学女子サッカーの日本一が決まる

決勝は2024年1月6日(土)13時より味の素フィールド西が丘で開催される。

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