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フランス映画の「ザ・ミスト」

「ミスト」といえば、スティーヴン・キング原作のアメリカ映画が有名だが、「ザ・ミスト」はフランスで製作された映画である。

この映画のミストの中には、謎の生き物はいないので、襲ってはこない。
ただ、ミストが下から上へあがってくる。
だから、目に見えるという恐怖がある。
アパートの最上階まで避難し、それでも間に合わないとすると、屋根の上に避難する。
まるで、洪水の避難のようだ。
このミストは、有毒なので決して吸ってはならない。
だから、酸素マスクや、ガスマスクなどをつける。

マチューとアナの娘のサラは、自己免疫疾患があり、普通の空気中では生存できないため、カプセルの中に隔離されて暮らしている。
学校にも行けないから、カプセルの中で勉強している。
マチューは仕事を辞め、サラに何かあったらすぐ行動できるよう待機して暮らしていた。

謎のミストの中で、カプセルで暮らすサラをどうやって守ったらよいか。
電力が止まり、カプセルのバッテリーが切れそうになる。
マチューとアナはサラを助けるために奔走するが、アナは死んでしまう。
しかし、なんと、サラはカプセルを出ても死ぬことはなかったのだ。
けれども、マチューはこのミストのなかで生きることができず、サラが使っていたカプセルに入って生き延びるのだった。

詳しい解説はないのだが、難病のサラがミストの中でも生きることができ、健常者はミストの中で、生きることができないという、逆転が起きるのだ。

この逆転劇なぜか、ありそうな気がするのは私だけかな。
今、安心して生活できるのが当たり前と思っている健常者が生きることができず、難病患者が生きることができる世界。
ありそうな気がする。

サラのカプセル

しかし、カプセルの中だけでしか生きることができないという不自由。
そのような不自由を想像できる人は、どのくらいいるだろうか。

ザ・ミスト  ダニエル・ロビイ監督  2017年

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