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時間があると、いろいろ考えてしまう  お休み中のダークな誘惑

我が家の長女が留守なので、老障介護中の私は、のんびり夏休みをしています。
3日目までは、自分の好き勝手に時間が使えることがうれしくて、海外ドラマを見たり、プールに行ったりして過ごしていました。
いつもと違う解放感に、うかれていたのです。

4日目の今日、朝早く目が覚めて、うつらうつらしていましたら、いろいろな考えが頭の中に浮かび始めました。
蝶々がひらひら、ひつじ雲がぷかぷか、みたいに。

今度は、何をしようかな、何を作ろうかな、などと考えを巡らせているうちは、楽しい気持ちでいっぱいでした。
ところが、ふっと、過去のつらかったことが、次々と浮かんできてしまったのです。

普段は、日常のこまごました忙しさで、心の隅っこに追いやられていた昔の出来事などが、浮かび上がってきたのです。
今は、私自身の価値観も変化し、周囲の環境も変わってきていますので、日々、穏やかな気持ちで過ごすことができています。

でも、長女が生まれたときのこと。
育てにくい長女について、悩み苦しんでいたこと。
周囲の無理解により深く心が傷ついたこと。
身内の理解が得られず、一人孤立していたこと。
病院探しに明け暮れていたこと。
度重なるてんかんの発作、パニック、多動。
当時は問題行動といわれ、学校や教育委員会とのやり取りを重ねたこと。
食べない、寝ないの毎日で、睡眠不足が続いたこと。
長女の下の3人の妹たちを育てるのに、必死だったこと。
躁転し、薬の副作用が出て、入院した時のこと。

それはすべて事実。
実際に過去にあったこと。
そして、何らかの方法で、乗り越えてきたこと。(奇蹟です)

昨日まで、思い出しもしなかったことが、次々と頭の中に浮かんできました。

嵐のように押し寄せる、過去の出来事。

足を踏ん張って、今の私を保たないと、ネガティブな気分にのっとられてしまいそうになります。
それは、ダークな誘惑。
ネガティブな出来事は事実だったけど、ネガティブな気分に沈み込こむ必要はありません。
時に、ダークな誘惑に負けて、ネガティブの沼にはまってしまったこともあります。
それは、それで、かわいそうな自分に浸ることができて、魅力的な罠でもありました。

今日は、自分ひとりなので、きっと、心が本音をはいたのでしょう。
長女の前にいる、「お母さん」をしなくていいから。
心の奥の深い深いところに、積もり積もった、悲しくて、つらい思い出。

「お母さん」をしなくていいお休みの日に、心の奥から、はい出てきたのでしょう。
「つらかったね。苦しかったね。」
と言って受け止めましょう。

長女とのあれこれで忙しい毎日の私の心の中には、現在のことがいっぱいで、過去のことが入り込むスペースがありません。

でも、そんな、つらい過去も、私の一部です。
今は、昔の出来事と言えるようになったけれども、過去があるから今の私があるのです。

だから、いつでも出てきていいよ。
つらいことも、苦しいことも、みんな私に起きたこと。
それらを全部ひっくるめたのが、今の私だから。
長い時間がかかったけれど、やっと、現実を受けいれることができるようになりました。

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