プリシラ 元気が出る映画
1994年 ステファン・エリオット監督 オーストラリア
三人のドラァグ・クイーンが、シドニーからアリス・スプリングスを目指して、砂漠の中を旅するロードムービー。
誇り高いバーナデッド(テレンス・スタンプ)、妻子のいるミッチ(ヒューゴ・ウィーヴィング)、若くて騒々しいフェリシア(ガイ・ピアース)は、アリス・スプリングスのホテルでの仕事のため、プリシラ号と名付けたバスで、砂漠を突っ切って進む旅に出る。
ホテルでの仕事は、口パクで踊るというパフォーマンス。
そして、ハイヒールでキングズ・キャニオンの山頂に立つという目的もある。
とにかく、砂漠を進む旅。
トラブルに次ぐトラブルが起きるけど、三人は進む。
バスの屋根に巨大なハイヒールのセットを組んで、ひらひらと砂漠を進む。
なんて美しい。
時には、けんかもするし、町に出かければ、化け物と差別されるし、バスの故障のために来た救援が、女装を見て帰ってしまったり。
偏見から殺されそうにもなったり。
それでも、なんとか、アリス・スプリングスにたどり着く。
ミッチは、ショーの客席に息子の姿を見て失神してしまう。
ミッチの妻は、今まで息子を育ててきたから今度はミッチに子どもを育ててほしいと頼む。
妻と子がいることに悩んでいたミッチだが、フェリシアとともに息子を連れてシドニーに戻り、マンマ・ミーアを踊る。
もちろん口パクで。そして息子のリクエストの曲。
バーナデッドは新しい恋人ができる。
三人の旅には人生が凝縮されている。
つらいことがたくさんあるが、きれいなドレスとメイクをすれば、魔法がかかる。
アカデミー衣裳賞をとったドレスの数々の中でも、最高なのはゴム草履のドレス。着たらちょっと重いかも。
でもマッチョのガイ・ピアースなら大丈夫。
三人の役者がとてもいい。
大御所のテレンス・スタンプ(このとき55歳)がハイヒールを履いて踊るなんて。想像もつかなかった。
ヒューゴはこの後、マトリックスで大人気。
ガイ・ピアースは、メメント、LAコンフィデンシャルルとヒット作が続く。
でも何と言っても、プリシラのいいところは音楽だ。
彼らのお仕事、口パクでのステージと、砂漠での疾走シーンを彩る音楽の数々。
I've Never Been To Me
恋のサバイバル
Go West
マンマ・ミーア
などなど、キラキラ輝く19曲、
気持ちが落ち込む日には、サントラ盤が心を後押ししてくれる。
テレンス・スタンプさんありがとう。
誇り高いバーナデッド。
大好きだよ。
心が折れそうな日には、また、見に来るね。
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