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「地域」でなくて「隣近所」という


「地域」という言葉を使わず、「隣近所」という言葉を使う。
これは、「青い芝の会」の横田弘さんの言葉だ。
これはいい。
私は「地域」で生きるとか、「地域」で受け入れるとかいう言葉に何か違和感を感じていた。
とってつけたような感じがあって、地域って何?と思っていた。
隣近所はわかりやすいし具体的だ。
そして逃げられない。
「地域で障害者を受けいれよう」といえば、なにか他人ごとだけど、「隣近所で障害者を受けいれよう」といえば、
「え、私のうちのご近所のこと?」となって当事者性が出てくる。

講師をしていたころ、グループワークで、「お隣に引っ越してきた方が障害者だったらどうしますか?」というテーマを出して、受講生の人たちに話し合ってもらったことがある。
障害者も、障害者の家族も、引っ越しはする。
障害者がわからしても、隣近所は大事なのだ。

グループホームや通所施設を作るときに、近所で反対運動が起きて、署名活動などしなければならないこともある。
障害者って隣近所に受け入れてもらえないことが少なくない。

以前私が住んでいた家の周辺は、いろいろな宗教の人が、(たまたまだろうけど)たくさんいて、毎日のように勧誘の人が来た。
勧誘というよりは強迫とか、迫害みたいな人が多くて困った。
いわく、私が先祖を大事にしていないから障害児を産んだ。あなたほど罪深い人はいない。などなど、よくもまあそんなに、人を責める言葉を思いつくものだと感心すらした。
宗教の人同士がバッティングしたり、私が断ったりすると、ものすごく怒って、「好きにしなさい。罰が当たる。」なんて捨て台詞で帰っていく人もいた。

いろいろなひとがいる隣近所で生きていく。

「青い芝の会」は1957年に結成され、脳性麻痺の障害者を中心に活動を行っていた。障害者運動の先駆けといえる。


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