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おいしゃさんにいこうとおもいます

4時50分に通所から帰ってきた長女が真剣な顔でいいました。
「やっぱり、おいしゃさんにいこうとおもいます。」
月曜の夕方から、右手人差し指の付け根が痛いと言っていた長女。
指の付け根が腫れています。
「ビートばんで、まめができた。」と自分では言うけど、私が見たところでは、まめではなく、ガングリオンかな。

月曜もその次の日も、お医者さんにはいかないで、おうちで治すといっていたのだけど、とうとう、水曜日に思いつめた顔で言ったのです。
「おいしゃさん、まだやってるかなあ。」と心配そう。
「大丈夫、6時半までやってるから。」と言っても安心できない様子で、
ジャンパーも脱がない。
「すぐ行く?」と聞いたら、
「おやつたべてからいく。」と返事。
ジャンパー着たまま、小さいおにぎりと小さいサンドイッチ食べて、カフェオレ飲んで、麦茶飲んで。
なんだ、しっかり食べるんだなと、感心した私。
保険証セットとタクシー券用意して、タクシー会社に電話。

整形外科に着いたのが5時半。
な、なんと帰宅してから30分ほどで、出かける準備ができたではないか。
これはびっくり。
急いで支度するということを、朝は毎日やってなくて、マイペースで支度しているから、バスは行っちゃうし、遅くなるしだったのに。
やればできるんだ。
「まにあうかなあ、まにあうかなあ。」と必死に急いで支度する姿見て思いました。
やればできるんだ。急ぐことも。

整形外科は混んでいて、結局、7時に先生の診察。
その前に、予診で、レントゲンは取るほどでないみたいだからと、ポータブルエコーで検査。
先生は、画像をみて、
「腱鞘炎とガングリオン。痛みがあるみたいだけど、お薬いっぱい飲んでいるから塗り薬をだそうね。」
と長女をみながら
「肘を打った時以来だねえ。」と言ってにっこり笑った。
そして私の方を向いて、
「おかあさん、たくさんお待たせしてしまって大変でしたね。」と丁寧にねぎらってくださった。

先生は、障害のある患者さんにとてもやさしい。
そして、付き添いのお母さんにもやさしい。
知的障害や、自閉症の患者さんが、待合室で他の患者さんと一緒に長い間待つことがどれだけ大変か。
付き添い、時にはなだめ、時には、小さい声でお話して時間を過ごさせる、お母さんの苦労をわかってくださっている。

そして、今回は薬の処方だけだったけど、包帯ぐるぐる巻きが大好きな長女には、あざだけであっても、包帯ぐるぐる巻きしてくださったりする。
なぜか、包帯ぐるぐる巻きするとどんな痛みも治っちゃう長女の特性をわかってくださっている。
若い先生ですが、頼もしいです。
おかげで、家に帰ってからは、それまでは箸も持てないと言っていたのに、
すっかり良くなってしまった長女でした。
キーマカレーをおいしいおいしいと、食べていました。
長女は整形外科の先生の顔を見るだけで、痛みが治ってしまうようです。

なんといっても、自分でお医者さんに行こうと判断して、診察を受けた長女は、えらかったです。
たくさんほめました。
自分の体調を自分で判断する。
これは生きていくうえでの大事な能力です。
こんなすごい能力を持つことができたなんて、長女はすばらしい。

良く育ったものです。
これこそ成長です。


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