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教師と親では評価が違う

これはよく知られていることでしょうし、肌感覚でもそう思うでしょうけど、教師と親では子どもの評価が異なることはよく指摘されています。それはADHDだけに限ったことではありません。この論文ではADHDの診断を確実にするための予測因子として両者の評価を検討しています。

この論文の結論的には、どちらも同程度ということになりました。僕の予想とは違っていたということです。これはADHDという行動に特化した疾患だから起きたのでしょうか。ADHD-RSというスケールを使ったからであり、情緒面などを評価すると違うのかもしれません。子どもは家と学校では見せる顔が異なります。ADHDの診断基準でも二箇所以上と書かれていますので、ある程度のADHD症状を持つ子どもはニカ症以上で持つことが多いという考えもできますね。

日本でも親と教師の評価に関する論文がないか探してみます。


Tahillioglu A, et al. Who predict ADHD with better diagnostic accuracy?: Parents or teachers? Nord J Psychiatry. 2021 

コミュニティサンプル、ADHD診断なし、6~14歳の417人

親および教師のADHD Rating Scale-IVを使用した結果は・・・

・ADHDの診断精度は、親と教師で同程度。
・男児、女児それぞれにおける親と教師の診断精度に差は認められなかった。
・女児では、男児よりも、親と教師の診断精度が高かった。
・学歴の低い親では、学歴の高い親および教師よりも診断精度が低かった。
・親と教師の報告は、低~中程度の相関。