照明の下
1月28日
新年を迎えためでたい時間はどこえやら。
中国から発症したらしい、コロナウイルスで世間は忙しい。
夜中、外も少々忙しない音がしていた。
頭上から降ってくるのはみぞれではないだろうか、夏に好んで消費する
「みぞれ」というアイスを思い浮かべながら、余計に寒くなっている。
こんな日は、暖色の灯りの前で読書をしたり、眠気と気持ちよく戦って
こくりこくりしたいものだ。
自宅近くのカフェには、今日もたくさんのお客さんが利用している。
利用するというより、このカフェに関して言えば入り浸るという言葉の
方があっていると思う。
店内の照明が暗いのだ。
とても雰囲気がよさそうなので、私も数回、入り浸ったことがあるのだが、
照明の明度に、眼球が慣れるまでにすこしかかった記憶がある。
店にいる全員が、ちいさなろうそくの火のまわりを囲んで座ってりる気分。
そのくらい暗いので、数人で来店すると、必然的に相手の顔を自分の瞳のな
かにしっかりと捉えようとする。
相手が真剣に自分の話に耳を傾けようとしている姿は心地よい。
話は転がるように展開していき、結果、充足した時間をすごせることになる。
と、私は、そのカフェの前を歩くたびに思うのだった。
その横で、旦那は不思議そうな顔をして言う。
「なんで、あんな暗い場所がいいのかな?」と。
そういえば、このカフェに来るのは大半が女性だ。
女性の秘密基地には、あのくらいの照明の暗さは必須なのかもしれない。
そこでどんな話がなされているのかは知らないが、
もしかしたら、男性は聞かない方がいい話かも…。
意味深な笑いを浮かべる私だった。
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